「あ、今年もニューヨークかぁ。ボックスの中身は何かなぁ」
「またアメリカ? この前ラスベガスに行ったばかりよね」
「ふふん。夏に新調したこの霊基で楽しむわ」
楽しそうなエウリュアレとメルト。
現在も医務室で倒れているオオガミの元にお見舞いに来ていたエレシュキガルは、隣で果物の皮を剥いているアナに、
「ね、ねぇ……ボックスって、去年のクリスマスみたいなあれのことかしら……」
「……そうですね、まぁ中身は違えどそんなところです。ただ、今回は貴方じゃなくメルトさん……いえ、ラムダさんが優先されると思いますよ。敵がアーチャーならという前提ですが」
「そうなの……じゃあ、今回は私は見ているだけかしら……」
「どうでしょう……攻撃力が足りなかったら出なきゃですし。まぁ、それでも私は出ないのですが。出ても高難易度だけでしょうし」
「それ、大変じゃないの?」
「そうでもないです。基本的には魅了するか目からビーム出すかですし。去年のクリスマスみたいにクリティカル祈りと宝具連打という訳でもないですし。何より一回やったら終わりですからね。すぐ終わります」
「あぁ、一回だけ……そうなのね……確かに私と違うわ」
うんうん。と頷くエレシュキガル。
そして、オオガミ達はというと、
「で、次はどうするの? とりあえず種火は回ってるけど、育成は間に合わないでしょ?」
「そりゃね。まぁ、ラムダが殲滅してくれるんじゃないかな」
「ん……それ、ニューヨークを見て回れないんじゃ……?」
「周回の休憩時間なら遊びに行けるし、何より俺も遊びに行きたい」
「そう……ってことは、ずっと一緒かしら」
「だね。たぶんエウリュアレもだけど」
「そう。まぁ、気にしないわ。楽しみね」
「うん。とりあえず、王様の高難易度を突破する方法を考えなきゃ……」
「それは治ってからにしなさい。だからほら、今は大人しく寝る。良いわね」
「はい……おやすみなさい……」
エウリュアレに言われ、大人しく目を閉じるオオガミ。
それを見ていたエレシュキガルは、
「凄いわ。マスターが大人しく従うなんて……! エウリュアレ、実は凄い女神なのね……!」
「いえ、あれは脇腹に矢を突きつけられて大人しく目を閉じただけです。まぁ、消耗しているのは確かなのですぐ寝ると思いますが」
「そ、そう……」
そう言って、エレシュキガルは先ほどまで皮を剥いていた果物を食べ始めるアナを見ていると、
「……食べます?」
「えっ、あ、その、お、お願いします……」
「はい。少し待っていてくださいね」
そう言って、果物カゴから適当にひとつ選び、再び皮を剥き始めるのだった。
複数育成推奨という恐怖フレーズにタワー式じゃないことを祈りつつ、ボックスの中身に貝殻と卵を望むマスターこと私です。
今年は何箱開けられるかなぁ!
次のデート回をどうするか
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エウリュアレ一択
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メルトを忘れるな
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技術部二人とぶらり旅