「うむ。中々良い手腕だったぞご主人。ではキャットは厨房に戻る。遅刻しないようにナ」
「うん。よろしく~」
そう言って、櫛を持ったまま手を振るオオガミと、サラサラになった髪をまとめ上げてから部屋を出ていくキャット。
そして、キャットと入れ違いに入ってきたラムダは、何を言うでもなく平然とオオガミの膝の上に座りフードを脱ぐと、
「……えっと」
「……ん」
「……あぁ、うん。じゃ、ちょっと失礼しますね~」
そう言って、パーカーの中に入っている髪の毛を全部出してから梳き始める。
そうしていると、ラムダは機嫌が良いのか、鼻歌を歌い出す。
「~~♪」
「……よく分かんないけど、楽しいなら良いよ」
「ん~……そうね。楽しいと言うより、嬉しいのかしら。なんだかんだ、何度もこうやってくっついてたけど、滅多に拒否しないじゃない?」
「そりゃね? 来るもの拒まず、去るもの逃がさずですとも。可愛いメルトは逃がさない側だもの。拒否しないって」
「……それ、エウリュアレにも言ってるんでしょ」
「うん? 思いはしてるけど、言ったのは今のところメルトだけだよ?」
「そ、そう。そうなの。ふぅん。へぇ……ふふっ。ふふふふっ。えぇ、えぇ。それはとっても良いわ。えぇ全く。良い意味で裏切ってくるじゃない」
「気に入ってくれたみたいで良かったよ。正直蹴られるかと震えてた」
「そ、そんなに暴力的じゃないわよ。貴方もそれほど蹴られてないでしょ」
「ん、ん~……そうだったかなぁ……」
「何よ……蹴らないように頑張ってたつもりだったのだけど。それなら別にどんどん蹴っても問題ないわね。えぇ、楽しみだわ」
「うぅむ怖い。蹴られても生き残れるように防御固めておかないとなぁ」
「えぇ。貧弱な防御なら、全部貫いて上げるわ」
そう言って笑うラムダにオオガミは苦笑しつつ、最後の仕上げに髪をまとめ上げると、
「じゃ、第二再臨でお願いね」
「仕方のないマスターね。良いわ。応えてあげる」
ラムダはそう言うと、サイドテールを気にしながら体だけに水をまとってステージ衣装へと変化させる。
「これでどうかしら。満足?」
「うん。やっぱり第二再臨も可愛い。ラスベガスで見るのとカルデアで見るのは全然違うね。普段着はパーカーだし、周回は第三だもん。何気にカルデアでは初じゃない?」
「そうかしら。いえ、そうだったかも。どう? 新鮮で可愛くて。最高の気分でしょう?」
「うん、本当に。正直このままずっと部屋にいたい気分だし、メルトを外に出したくないけど、流石にご飯に遅刻したらキャットに殺されるから、そろそろ行こうか」
「あら残念。それじゃ、貴方だけの私はもう少しお預けね。マスターさん?」
そう言って、ラムダは意地の悪い笑みを浮かべるのだった。
アンケートの投票を終了させつつ、アンケート勝者に前祝い的何かを叩きつける私。問題はいい加減この作品をラブコメと認めてない自分。吹っ切れればもうちょっと書ける気もするんですけどねぇ……これはコメディなんだという心ブレーキがですねぇ……(言い訳
次のデート回をどうするか
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エウリュアレ一択
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メルトを忘れるな
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技術部二人とぶらり旅