「ノッブの髪って、結構な確率で絡まってるよね」
ノッブの髪に櫛を通しながらそう言うオオガミ。
昨日に引き続きやっているが、今回は自室ではなくノッブ達の工房。事前に連絡をしてから櫛を持って襲撃を仕掛けたのだ。
「まぁ、動くからなぁ……是非もないよね!」
「全くですよ。この前なんか、髪を梳かしてたら枝とか砂利とか落ちてきましたし」
横から見ているBBがそう言うと、ノッブはムッとした顔になり、
「それは散々遊び回った後にやったからじゃろ。儂が悪いというよか、BBのやるタイミングのせいじゃ。儂悪くない」
「いや、ノッブも大概酷いですよ。だってほら、今だってお菓子のカスがポロポロ落ちてくるじゃないですか。なんでそうなるんですか」
「これは儂の頭の上で食べるのがいて、それでつけられたんじゃ! いつもは気合いで炎上して燃やしてるんじゃけど、流石にマスターにやってもらう前に焼くのはどうよ。絶対熱いじゃん。という冷静な判断でやめた」
「なるほど一理ありますね。炎上するくらいの熱とか、普通にやけどしますし、櫛にも大ダメージですよ」
「というか、よくノッブが頭の上で食べるのを許したね」
「許しとらんわ。何度も叱ったが聞いてくれん……次は撃つか」
「いやぁ、なんだかんだ甘いからなぁ、ノッブは撃たないでしょ」
「いえ、この前撃とうとしてましたよ。バラキーに叩き落とされてましたけど」
「ぐぬぅ……近接戦闘は苦手でなぁ……霊基を変えれば行けるんじゃけどなぁ……」
「とりあえず、脅すにしても既に敵として見られてないのでおもちゃってことです」
「完全に舐められてんじゃん」
「うっさいわ!」
頬を膨らませ怒っているのを全身で表現するノッブを押さえ付けポニーテールに結ぶと、
「はい終わり。次はBBね」
「おっと。BBちゃんにもですか。てっきりノッブをやったら満足すると思ったんですけど」
「いやいや。ちゃんと平等にやるとも。逃がしはしないよ」
「それ、櫛を片手に欲望にまみれた顔をしてなければ良いセリフだと思うんです。反省してくださいセンパイ」
「まみれてないわ! ごく普通だわ!」
「えっ……センパイ、自分を普通と思ってました……? ごめんなさい、センパイが予想以上に残念だと思わなくて……お詫びにBBちゃんの天使のような髪に触らせてあげますよ」
「はいはい。ほら、ノッブと場所変わって」
「うぅむ、適当に流された気がする……」
「実際その通りだと思いますよ~」
そう言って二人は場所を入れ替え、今度はBBの髪を梳かすのだった。
別段ノッブが悪いわけではなく遊び回った末に髪の毛に絡み付くという、子供のような理由。だから子供がくっついてくるんだよノッブ。
BBとノッブの仲の良さが書くたびに上がっていってる気がする不思議。沖田さんとのコンビは復活するのだろうか……