「ふ、ふふふ……あはははは! 相性有利? 等倍? バーサーカー? 関係無いわ。全部射程範囲内! 一切合切まとめて全部ぶち抜いてあげる!」
「ひゃっはぁ! やっぱりラムダが最強だぁ!」
「おっと。私を忘れないでくれたまえよ? マスター。キャスターならこの天才にお任せを! シャドウ・ボーダーがサクッと解決さ!」
高笑いをしてご機嫌なラムダと、楽しそうなオオガミとロリンチの声。
それを少し離れたところで見ている玉藻とパラケルススは、
「なんですかこれ……あの能天気な皇帝が疲れきった顔をして代わったものだから不安だったんですけど、想像以上に大変なんですが」
「えぇ。私はついに宝具まで運用するようになりました……まぁ、戦えるだけ恵まれてるのかもしれませんが、やはり連戦していると手元が狂うこともしばしばあります」
「貴方も大変ですねぇ……」
玉藻はそう言いながら、今までのスカディや孔明を思い、
「あの方々は今の私と同じ感じだったんですね……これはまぁ、確かにボイコットしたくなる気持ちも分かります……今まで生け贄になっていた分、ちょっと優しくしてあげましょうか……」
「あぁそうだな。だが忘れてもらっては困るぞ。今回も私は周回要員として連れ回されていることを」
そう言って、どんよりとした思い雰囲気をまとって後ろから現れた孔明に、玉藻は苦い顔をしつつ、
「……いえ、忘れてはいませんけど、そうやって出て来られるとちょっと対処に困ると言いますか……グレイさん、連れて参りましょうか?」
「いや、それには及ばん。というより、来られると無理をしそうでな……すまん。少し寝かせてくれ」
「はいはい。どうせしばらくはリンゴを使わないでしょうし、どうぞゆっくりおやすみくださいませ」
そう言って、壁に寄りかかって休む孔明を見て、
「う~む、どちらかと言えば精神的な疲れですかねぇ……軍師が脳死してどうするんですか。とはいえ、このまま放置するのも全面的に良くないので……脳には糖分を。何か甘いものでも差し入れしますか」
呟きつつ、差し入れ候補をメモしていく玉藻。
しかし、ふと何かに気付いたように顔を上げると、
「これ、もしかしなくても、後で自分もほしくなる奴じゃないですか? 余分に用意しておいた方がいいですね……」
「あ、私の分もお願いします。このままだと干からびます」
「貴方は自力でなんとか出来るでしょう? まぁ良いです。今回は皇帝さんの分も用意しますし、貴方の分も用意しますので、そのうち届けますね」
「ありがとうございます。お礼の品も用意しておきましょう」
そう言ってお辞儀をして去っていくパラケルススを見送り、
「……まぁ、頑張るとしましょうか」
玉藻はメモをしまって、騒ぐオオガミ達の方へと向かうのだった。
中々復刻エキシビションが難しくて、過去の自分がどう勝ったのか一ミリも思い出せないという。どうやって倒せたのか……教えて過去の自分……