「あぁぁぁもう! なんで勝てないのよ!」
「あらあらあらあら。何々ラムダ。私に勝てなくてそんなに悔しい? 悔しい? ふふ、悔しい?」
「うっわぁ……エウリュアレがめっちゃ楽しそうだぁ……こっちもイラッとしてくるぅ」
ラムダに向かって笑顔で近付くエウリュアレを見つつ、オオガミは苦笑いをしながら呟く。
実際にあの防御力に殺られているので、効果的な返しはできないのだが。
「ふふっ。でもマスター? 貴方、既にギミックは予測しているのでしょう? なら、ちゃんと対策をしたパーティーで来るべきじゃないかしら」
「ん~……まぁ、確かにある程度対策は思い付いてるし、実行も出来る環境だけど……」
オオガミは言いながらラムダの横に立ち、
「それはそれとして、ラムダで勝ちたいじゃん?」
「オオガミ……」
「……ふぅん? まぁ、確かに令呪を使えば勝てそうな場面はあったしね。じゃあ、こっちはその上から潰してあげる。私に勝てる日が楽しみね。マスター?」
「うん。全力で倒しにいくよ」
そう言ってエウリュアレに宣戦布告し、エウリュアレは心底楽しそうに笑う。
* * *
「ノッブはどう思います? センパイ、勝てると思います?」
「う~む、令呪三角消費で最速クリア目指す方が楽そう」
「う~んゴリ押し! 暗に勝てそうにないって意味ですかね!」
そう言って笑うBBに、同じく楽しそうに笑うノッブ。
「いやぁ、あれは無理じゃろ~。ターン開始時にHP減少、異常なまでの回復力、くそ固い防御。儂ぶん投げると思うなぁ」
「いやいや。でも私気になるんですけど、センパイ、二人ともブレイクしてから戦うじゃないですか。あれ、ブレイクしないとどうなるんですかね? 実はHP取られないんじゃないです?」
「なるほどな~……つまりあれか。マスター無駄な努力してる説。無理にしなきゃ行けるって話じゃな」
「ですです。なので、もしかしたら行けるんじゃないかなぁって私は思いますけどね~。ま、次のセンパイはやってくれるでしょう。たぶん」
「うぅむ適当。まぁ、そんな感じで良いと思うけども」
「あはは。それで、結局ノッブはどう思います? 私はもちろん諦めて他のサーヴァントで攻略すると思いますけど」
「うむ。令呪でゴリ押し」
「じゃあ私は令呪無しで攻略ですね」
突然入ってきた声に向かって振り向くと、そこにはマシュがいた。
「マシュさん、意外と乗り気ですね?」
「もちろんです。年に数回の、先輩が本気を出す大会ですし。たまには真面目に頑張らないと、いざというときに力を発揮できませんからね。最近はただの高難易度はつまらないと言って雑に済ませてしまいますし。無茶な程度でちょうど良いと思います」
「うぅむ。マシュって意外とスパルタじゃな」
「だからセンパイを支えられたんですねぇ……」
マシュにそう感想を抱きながら、二人は試合を観戦するのだった。
なんですかあれエッグい強いんですけど。でもまだ本気出してないし。行けるし。か、勝てるし(目逸らし
エウリュアレがエキシビションに出るなら書かなきゃならんよなと思ったときには既に挑んでいた。惨敗してますとも。