「ん~……これ、作ったは良いですけど、使い道無いんですが」
「そも、自律型ちびノブを作った時点でほぼ何も要らんだろ。こうやって、オーバーウェポンを作るだけじゃよ」
「いやそれもどうかと思いますけど」
何時だったかに粉砕されたちびBBを再生産し、ちびノブと並べるBB。
ノッブはそんなちびノブに武者鎧を着せ、ポーズを取らせていた。
「その装備、何が出来るんですか?」
「筋力を強化しつつあらゆる衝撃を地面に逃す」
「空中に打ち上げてのラッシュで殺されそうですね?」
まぁそれが最適解じゃな。と言いながらちびノブに兜を被らせる。
「うむ。まぁ、こんなところじゃろ。実際受け流せるかは知らぬが」
「それ、一番大事なところじゃないですか。メイン要素ですよね?」
「いやぁ、正直それが出来るなら常時無敵みたいなもんじゃし、反則じゃろ。儂チートはあまり好かんのよね」
「それBBちゃんの構成要素を否定してません……?」
「バグとチートは違うから。バグはほら、ルールの穴みたいなもんじゃから。ルールの穴をついてるのは好みじゃけど、チートはルールをねじ曲げるから。全く別物じゃよ」
「ん~……じゃあやっぱりBBちゃんはチートでは?」
「まぁ、まだルールの範囲内だから問題ないんじゃね? 知らんけど」
「雑ですねぇノッブは……」
呆れたように肩を落とすBB。
ノッブは楽しそうに笑いながら、
「なんにせよ、BBがこっち側なのには助かっておるしな」
「そうですか? 完全で無敵で完璧な完成形後輩ことBBちゃん、そんなにお役に立ててます?」
「うむ。移動とかめっちゃ楽」
「私は何時から足になったんですかね?」
恐ろしいまでの落差に流石のBBも笑顔のままノッブの首を絞める。
当然ノッブももがきながらBBの腕をタップするが、一切力を緩めることなく全力で締め上げ、ついにはノッブは気絶する。
それを確認したBBは、
「ちびノブさん。とりあえずノッブを運んでいきたいので、ドアを開けてくれますか?」
「ノッブぅ!」
そう声をあげて走っていくちびノブ。
BBはその後ろをついていき、扉を開けてもらうと、
「それじゃ、皆さんはここの扉を閉めたらマシュさんのところに行ってください。それと、この工房の立て札は返しておくように。いいですね。では解散」
そうBBが言い終わると同時、威勢の良い返事と共に部屋の扉が閉められる。
そして、ちびノブ達はこそこそと話し合った後、BBが片付け忘れていた超小型カメラを扉の下から中が見えるように配置し、工房を出ていくのだった。
ガタッ)
はたして何が撮れたのか。それはちびノブ達のみぞ知る世界……後に厳重封印されてカルデアのどこかに隠されている模様。