「あ~……安定の暇じゃのう……」
「良くもまぁ、こんな状況で言えるわよね」
「まぁ、ノッブだからな。大体そんなものだろう?」
「面倒ですね~……こんなの、サクッと終わらせてくださいよ~」
「おぅおぅBB。すでに二乙しとるのに、随分と余裕じゃな」
「だって私悪くないですし~。あっ、終わった」
「あぁぁぁぁぁぁ!! 何よ! 卑怯じゃない!!」
怒りのままにポテチを食べるエウリュアレ。
諸々の力を行使し、輸入したゲーム機。その後、それで遊んでいたオオガミを見たノッブ達がダ・ヴィンチちゃんを脅――――懐柔し、何とか輸入したゲーム。
ゲームの内容は某狩りゲーだったりする。
「全く……弓なのに前に出過ぎじゃろ」
「前線ボウガンに言われたくないんだけど」
「うむ。しかも、フレンドリーファイアまで仕掛けてくるとは、さては策士だな?」
「本当ですよ。私のガードを砕く気で背後から撃ってますよね、絶対」
「お主も竜撃砲で狙って来とるじゃろうが」
「あら。ばれてました?」
「なっ! やっぱりわざとか!! どうも狙われてる感じがしとるとは思ったのだ! 何度妨害されたことか……!!」
「…………で、どうして私だけが死ぬのかしらねぇ……」
「「「回避しないし」」」
「貴方達が妨害してくるからでしょ!?」
容赦のない味方からの攻撃に、回避をことごとく妨害され敵の大技を叩き込まれるという流れだった。
「全く……小さな子供でも出来るようになっとるんじゃぞ。こういう時は、スタイルを変えてじゃな……」
「もぅ……なんで私だけ死ぬのよ……」
「防具も全然変わっとらんからなぁ……」
「というか、ノッブ。なんか手馴れてません?」
「そう言われると……確かに、余もそう思うぞ」
「ネロは分かるが、BB。お主に言われたくないわ」
「そうよそうよ。BBは嫌な場面でピンポイントで攻撃を当ててくるじゃない!!」
「嫌ですねぇ……私はただ、絶妙に回避が出来ないギリギリのタイミングで且つ私が絶対喰らわない立ち位置から攻撃を当ててるだけじゃないですか~」
「ほぅ……? 儂よりも練度の高いFFじゃなぁ……」
「えぇ。ノッブを狙い撃ってますから」
「ほほぅ……?」
「アハハハ……」
「……ネロ。私、あの二人とやっていく自信、無いわ」
「エウリュアレ……余も嫌なのだが……」
エウリュアレの装備を整えながら、その二つ名に恥じぬ魔王の如き笑みを浮かべるノッブ。
その視線の先にいるBBは、悪魔の様な笑みを浮かべてノッブを見ていた。
そして、その二人に怯えるように、ネロとエウリュアレは抱き合って震えるのだった。
「さて……これでいいじゃろ。ほれ、再戦するぞ」
「え、えぇ……って、スタイル変えたらやり方分からないんだけど?」
「あ~……うむ。儂が教えるから問題ない」
「そう。それならいいのだけど……」
「それに、BBにやり返さなくてはならんからなぁ……!」
「……うん。私、完全に巻き込まれてるのね……」
「余は太刀だから、最前線だから巻き込まれるのが一番多いのだが……!」
一番FFの被害に遭っているネロは、とりあえずこの後も被害に遭うのだと確信するのだった。
BBの武器……ガンスでよかったんですかね……いや、まぁ、バランス的にそうしたかったのもあるんですが。
それにしても、嫌がらせに関しては一級品の二人がいるパーティー……メンバーの半分が味方を攻撃してくるという惨状である。