「ナイトパレードも良いものですね。老若男女関係無く楽しめるという一点に関しては、流石と言わざるを得ません。私も作ってみるのもありかもしれないですね?」
「流石にそれは……いや、ありやもしれぬな? 吾には似合わぬが、堕落という点に置いては優れているかもしれぬ。夢の国なる遊園地もあるらしいからな」
言いながら、襲い掛かる小鬼を蹴散らす二人。
鬼王はスカディとアナの二人で倒しに行っているので、そのうち鬼も消えるだろうと考えていた。
その二人を指揮しているのがエウリュアレなのは、オオガミがメルトと一緒に失踪したままだからだ。
「マスターさん、どこに行ったんでしょうね?」
「今一緒にいるのはメルトだからな。こんな小鬼に負けたとは思えぬ。そのうち宝具が見えると思うのだが」
「そうですか……というか、この土産、どうするんですか? そろそろ戦闘の邪魔なんですけど」
高く積み上げられた土産を横目に文句を言うカーマ。
だが、バラキーは不思議そうな顔で、
「いや、持ち帰るに決まっているだろう。というか、なぜ小さいまま戦うのか。あのでっかい杭のようなものを投げつければよかろう?」
「杭って……どう見えてるんですか一体。まぁ良いですけど、再臨すると消費魔力が増えるのであんまりやりたくないんですよねぇ……」
「言ってる場合か? 数の暴力は吾等よりも昔から恐れられる戦法。いくらサーヴァントと言えど、早めに片付けねば疲れてどうしようもなくなる。なら短期決戦に持ち込むしかないだろうに」
「なんでこう、鬼に正論を振りかざされてるんでしょうね……? 納得できるところが更に嫌なポイントなんですけど」
すると、突如として地面が海へと変換されていく。
その現象にいち早く気づいたバラキーは素早く土産を持ち上げ、濡れるのを回避する。
直後、周りにいた小鬼が宙に浮き水球に閉じ込められ、
「『
一条の青い光と共に消し飛ばされる。
その攻撃を叩き込んだラムダは着地すると、振り返り、
「ふぅ……こんなものかしら。どう? マスター。見てくれたかしら」
「最初から最後まで見てたよ。特等席で、死ぬかと思いながら」
「あら、不満? もっと安全な所から観戦したかったかしら?」
「そう言う訳じゃないけども。特等席でありがとうって感じ」
滑るようにオオガミの横へ移動するラムダ。
一連のそれを見ていたバラキーとカーマは、
「なんですかなんですか。見せつけに来たんです? さっさと鬼王のところに行ったらどうなんですかマスターさん」
「吾もそう思うなぁ。でもなぁ……愛は怖いからなぁ……正直エウリュアレで戦線を維持できているから要らぬ気もする」
「ちょ、なんで気圧されてるんですかバラキー! ここで譲ったら二人このままどこか行く気ですよ!?」
「いや鬼王倒しにいきますけど!?」
カーマの言い分に、思わず声を荒げて言うオオガミ。
すると、カーマは胡乱な目で、
「ONILANDでの様子を見る限りそうとは思えないんですけどぉ? 二人でずっといたじゃないですか。なにか言い分はありますぅ?」
「あっ、おいカーマ。それ以上は不味い」
「バラキーは黙っててください。これは私個人のそれですので。で、言い訳はあるんです?」
「ん~……言い訳はないんだけど……」
「じゃあなんです? 言ってみてくださいよ」
そう言って、カーマがにじり寄った時だった。
真横から飛んできた矢に側頭部を射られ、その勢いのまま倒れるカーマ。
優しさがあるとしたら、矢の先端が丸く、団子状に変えられていたことだろう。
バラキーはそれを見てため息を吐くと、
「だから言ったのだが。エウリュアレが許可している以上、邪魔したら殺されるに決まっているだろう? 二人は行け。吾はカーマを医務室に投げ入れなくては行かないからな」
「う、うん。じゃあね」
「また後で会いましょう?」
「次はカルデアでがいいなぁ吾は」
去っていく二人に小さく手を振りながら、バラキーはそう言うのだった。
ラムダ、突然の登場時は大抵宝具撃ってるような? まぁ是非もなし。
当然カーマの意識を刈り取ったのはあのお方。逆らえば死ぞ……
しかし鬼王……卵落とすとは思わなかったです。うまうま。