「あ~……もう無理です。動けません。寝てますね」
「いや、もう回復済みだろう? あの看護師が言うのだから間違いない。ほら行くぞ~」
「い~や~で~す~! 私は寝るんですぅ~!」
「煩いので出ていきなさい! 他の患者に迷惑です!」
ナイチンゲールの一瞬の隙すらない見事な動作に、二人とも反撃できずに外へと投げ出される。
すると、カーマは不機嫌そうに、
「バラキーのせいで私まで追い出されたじゃないですか。というか、先に来てたはずの二人が今もいるんですが、なんで私より回復が遅いんですか」
「いや、あれは二度目で、一回退院した後に自爆してまた戻ってきただけだ。吾、直接聞いてきたから知ってるぞ」
「アホなんですかいえバカなんですね!? 本気でなにも考えてないですよねあの二人!」
「まぁ歴戦のアホだからな。毎度エルキドゥに吊るされているのは伊達じゃない。今回もきっと帰ったら廊下に吊るされていると思うからな。見に行くぞ~」
「お~……じゃ、無いですよっ! というか、なんですかエルキドゥに吊るされるって! 初めて聞いたんですけど! え、そんなに危険なんですか!? なんでそれを早く教えてくれないんですか!」
「いや、普通に知っていると思ったのだが……」
半泣きで掴みかかってくるカーマをなだめながら、バラキーは言う。
実際自分達もそろそろ吊られそうな予感がしているバラキーは、
「まぁ、今回までは見逃されるだろうし、次回からは危ないだろうな。吾はあまり気にせぬが、神性持ちの
「神性特効ですか!? あれ、もしかしなくても大奥で厄介に……いやまさかそんな……いやいやでも……えぇ、あの時はあのメルトとか言うのが殴り込みに来てただけ……だ、大丈夫なはず……いや会ってる。会ってます。カルデアに帰って来た間抜け面のマスターの顔を見に行ったときに一緒にいました! うわぁ、顔覚えられてたら嫌なんですけどぉ……絶対捕まるじゃないですか……」
「既にカルデアはヤツの領域。基本どこにいようと関係無いのだが。まぁ、工房に引きこもっているのは別とするが」
「だからあの二人はイベント直後にしか捕まらないとか、そう言う感じなんです……? というか、それって今から何をしても無駄ってことでは……?」
「まぁつまりそう言うことな訳だが、物理的被害は出してないので問題ないと思うのだが。捕まったらその時。二、三日で許されるのだから気にせず行くぞ。まずは売店だ!」
「ちょ、買いましたよね? 大量に買いましたよね? まだ買う気なんですか!?」
どんどん進むバラキーに、カーマは必死でついていくのだった。
数多の謎をばらまいていくバラキー&カーマパート。その真相はどこかで明かされるかもしれないし明かされないかもしれません。謎は謎なのです……
あ、この二人組気に入ったのでまたどこかで使いますね。連続で。