「うわははは!! 帰ってきたぞカルデア! ちゃんと土産も持って帰ってこれたのは僥倖! でもどうしようこれ!」
「全くの未定で買いましたね!? というか、僥倖って、それ持って帰れると思ってなかったってことですか!?」
笑うバラキーに、文句を言うカーマ。
二人は目の前すら見えないほどに大量の荷物を持ってカルデアに戻ってきた。
「しかし、うむ。どうせ消滅するならと大量に取ってきたは良いが、これはちょっと手に負えぬ。BBめから盗んできた冷蔵庫にも入りきらぬな」
「冷蔵庫持ってるんですか……というか、盗品なんですね。まぁ分かってましたけど。あのポンコツの悔しがる顔が見えるのなら良しとします。むしろもっとやってください」
「必要な分しか奪わぬのだが……というか、それ以外目ぼしいものが無い……」
「あぁ……あそこは半分以上趣味部屋だって聞きましたし、ロクなのが無さそうです……私も潜り込んでみますか」
「見つかると酷い目に遭うから気を付けるようにな。とりあえず、これは吾の部屋だな」
バラキーはそう言って管制室を出ると、どこかから声が聞こえてきた。
「だ~か~ら~! 私は魔法少女なんかにならないって!」
「でも素質がありますって! やりましょうよ!」
「イヤよ恥ずかしい! あのスッゴいフリフリの服になるんでしょ!?」
「大丈夫ですってめちゃくちゃ似合いますよ!」
「そう言う問題じゃないの! あ~も~、なんでカルデアにはこんな変なステッキしかいないの!? 皆どこ行ったのよ!」
「今はONILANDですねぇ~。私は必要なときだけ呼ぶからと言われて置いていかれました~」
「スッゴい明るく言うわね……でもそんなこと言われても何もしないけど」
「ぐぬぅ、強情ですね……」
そう、段々と近付いてくる声に思わず足を止めるバラキー。
それに釣られてカーマも足を止めたとき、
「あれ、誰かいる?」
「あ、脱走してたのがバレたら閉じ込められそう……では私はこれで~」
「え、なにあの迷惑なステッキ……言うだけ言って消えたのだけど……まぁ良いや。すいませ~ん。来たばっかりだから色々と案内してほしいんだけど……って、スゴい荷物ね。半分持つわ」
そう言って、ひょいっと持ち上げられる土産。
そしてバラキー、目の前にいる人物を改めて認識する。
「私はシトナイ。今日から、というか、二日くらい前からいたんだけど誰もいないから困ってたのよね……って、何々なんで泣いてるの!?」
「ん……な、泣いてなどおらぬ! これは……そう、目にゴミが入っただけよ! だから、うむ。なんでもない」
そう言って浮かんでいた水滴を拭い、バラキーは笑う。
シトナイは困惑して首をかしげるが、すぐに笑みを返すと、
「それで、お願いできるかしら」
「うむ。任せよ。ここはもう、吾の庭のようなものよ!」
そう、元気に答えるのだった。
なお、カーマは何も言わずにクールに去るのです。愛の女神はそう言うところに敏感なのです。
シトナイ初登場が変に重くてこれから使えるのか不安になるんですが。きっと出ますよ? たぶん。バラキーと組ませたかったキャラですし……でもなぁ、カーマがなぁ……
ところであの迷惑高性能ステッキ、そのうちヤバいことやらかしますよ(確信