「おい緑の人! 今年のハロウィン中止とはどういうわけだ!?」
食堂でのんびりとしていたロビンに襲いかかるバラキー。
襲撃されたロビンは苦い顔をすると、
「オレに言われても困るんですが。セイバーウォーズとかのせいじゃねぇのか? ちょいと乗り込んで荒らしてくればハロウィンが復活するかも知れねぇぜ?」
「本当か!? ちょっと行ってくる!」
「あ、おい! ったく、本当に走っていきやがったよ……」
はぁ、とため息を吐き、少し考え込むロビン。
「しっかし、ハロウィン消滅ってのは良くねぇよな。ハロウィンが無くなっちまったらチビ共が暴動を起こしかねねぇ。なんせチビ共もハロウィンのために仮装を用意してるからな。それが日の目を見ないとかダメだろ」
「全くだ。何より、宝物庫より菓子を厳選した
そう言って、ロビンの正面に座るのは、賢王ギルガメッシュ。
なんとなく嫌な予感がするロビンは、
「……何用ですかね、金ぴか」
「ふん、語るまでもなかろうよ。目的は同じハロウィン。ならばその障壁を取り除くのに数を集めていると知れ」
「……なるほどね。言いたいことは分かりましたよ。要するにセイバーウォーズに乗り込んでさっさと終わらせろってことね」
「あぁそうだ。本当はもう何人かつけて計画を磐石にしたいところだが、一番暇そうにしているはずのマーリンが見当たらなくてな。後はろくなのがいないのと『自分は貰う側だ』と言わんがばかりの顔をしている大人しかいなくてな。貴様に白羽の矢が立ったわけだ」
「人選かなり雑だな? いや良いけどよ。どうせオタクも付いてくるんだろ?」
「ふん。むしろ我一人で事足りることについてこれる名誉をやるのだ。存分に感謝せよ」
「へいへい。分かりましたよ~」
ロビンはそう言うと気だるそうに立ち上がり、
「そんじゃ、適当に使えそうなのを探してきますよ。王様は座っててください」
「任せよ。ついでにマーリンも探せ。ヤツが見つかればかなりの戦力になるのは間違いない」
「はいよ。って、オタクが見つけられなかったのをオレが見つけられると思います? 無理でしょ流石に」
「さてな。ともかく、だ。探してこい」
「あ~もう、行ってきますよ!」
そう言って食堂の扉を開き、
「さて今日はどれだけ人が集まってるかな? そろそろ晩御飯の時間だからね。今日も隅っこの方で待たせてもらおうか!」
「……いたわ」
「ん? どうかしたかいロビン君……って、おや、ギルガメッシュ王じゃないか!」
「……確保!」
「なぁっ!?」
即座に拘束されるマーリン。
あまりの速度に驚いたマーリンは、少し考え、
「う~ん、捕まってしまったわけだけど、何かしてもらいたいことでもあったのかい? それならこんな拘束なんてしなくとも良いのに」
「貴様は縛っておかねば話も聞かずにのらりくらりとかわすだろうが。違うか?」
「おや、わかってらっしゃる。なら僕から言えることは何もないか。聞かせて貰うとしよう」
「あぁ。そこに座れ。それと緑の弓兵。貴様は他に人を集めてこい。メンバーが多いほど楽になるだろうよ」
「へいへい。って言っても、こっちで勝手にやっちまえば良いんじゃねぇかと思わなくもねぇけどな」
すると、ギルガメッシュは眉をひそめ、
「たわけ。それだと菓子を配る人員が足りぬわ。豪華すぎず多すぎぬ程度でなければ子供が持ち運べるわけなかろう」
「あ~……なるほどな。質が良すぎると萎縮しちまうし、一度に貰うのが多すぎると持ち運べない。で、数多く貰うなら回数を増やすってことか。それなら一度部屋に寄れば中身を置いてから行けるしな。流石王様だ」
「ふん。わかったのならさっさと行け」
「あいよー。んじゃまた後でなー」
そう言って、ロビンは食堂を出ていくのだった。
ハロウィンを取り戻す戦いが今始まる……! とかなんとか。
これは、平成に置いていかれたハロウィンを取り戻す戦い……こっちの方がしっくり来る……?
ちなみにお菓子を配る側は実際少数で、悪のりした大人まで要求してくるので大変なのです。
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