「隠れ鬼?」
「うん。いつぞやのお題箱の中から出てきたお題の一つだよ。面白そうだからやってみようかと」
「ほぅ……? で、鬼は?」
「ヘシアン・ロボ」
「阿呆じゃろ……」
即座に突っ込まれるオオガミ。
当然と言えば当然で、明らかに性能の差が大きかった。
「つか、逃げる側はどうするんじゃ?」
「俺と、ノッブと、エウリュアレ」
「馬鹿か!? 儂はまだしも、なぜエウリュアレなんじゃ!?」
「ロボが止まらなくなった時の保険かな」
「あ~……そうじゃな……儂だけじゃと、勝てんしのぅ……」
「でしょ? 最悪、エウリュアレなら魅了で逃げられるしね」
「……自分のサーヴァントから逃げるとか、中々シュールじゃのぅ……」
「まぁ、召喚したサーヴァントに殺されたりしてるの……見たしねぇ……?」
「あ~……特異点仕様だと、確かにあったような……令呪とは一体……」
「えっ、宝具解放と霊気修復、霊基復元の三つじゃなく?」
「ん~……なんというか、本気で言ってるのかどうかが怪しいんじゃよなぁ……」
ここではそう言う仕様なので、仕方ないか。とも思うノッブ。
「ん~……場所はどこなんじゃ?」
「ロンドン。魔霧だから、通常のサーチも効きにくいでしょ」
「それもそうなんじゃが……嗅覚はどうしたもんかのぅ……」
「あぁ……まぁ、そこはノッブの担当って事で」
「おぉぅ。儂任せか」
「だってそう言うの考えるの、好きそうだし?」
「……まぁ、そうじゃな。任せるが良い」
「ってことで、エウリュアレの所に行ってくるよ」
「む? ……お主、まさか儂の所へ先に来たのか……?」
「まぁ、うん。エウリュアレの説得が一番難しいからね……」
「どうして先にそっちに行かんかったのか……」
「そりゃ……お菓子作りの待ち時間だし」
「思いのほかにひどい理由じゃな!!」
まさか、先に来た理由がそんな理由だと思わなかったノッブは、あまりのひどさにやってられんとばかりに部屋を出て行こうとしていた。
しかし、
「あ、ノッブ。そのお菓子の話なんだけど、ノッブにも食べてもらうつもりだったんだけど……」
「……味見役としてか?」
「それもあるけど、普通に食べてもらうつもりだったんだけど……」
「……なら、貰うとするか」
「うん。じゃあ、取って来るよ」
「儂もついて行こうかの。作りたての方がうまそうじゃし」
「それもそうだね。じゃあ、エウリュアレを説得する前準備と行こうか」
「うむ!!」
そう言うと、二人は楽しそうに休憩室を出て行く。
その後、お菓子で釣られてしまったエウリュアレは、後で事の重大さに気付き倒れるのだった。
案の定、一番大変な目に合うノッブ。正直、もう少し人数増やした方が良いような気がするんですが、おそらくこれ以上出すと手が回らなくなりそうな予感……