「そこのセイバー覚悟ぉ!!」
「え? うわぁっ!?」
シミュレーションルームで適当に呼び出した相手と戦っていた武蔵は、威勢のいい声と共に突撃してきたXの剣戟を反射的に防ぐ。
防がれた事ですぐさま距離を取ったXは、
「くっ、渾身の不意打ちだったのに……防ぐとは運の良いセイバーですね」
「いや、運がいいも何も、あんなに声を上げて斬りかかってきたら防ぐでしょ……でもまぁ、貴女ならいい相手になりそうね?」
「その余裕、いつまで続きますかね……行きますよ!」
「どんと来い!」
飛びかかってくるXに、武蔵は構えるのだった。
* * *
「で、負けたと」
「支援砲撃がガードされて宝具によってあえなく撃沈……瞬殺されました。向こうはなんか満足してましたけど……」
「まぁ、単騎なら宝具の回転速度恐ろしいからね、武蔵ちゃん」
ボロボロのXは、食堂でオオガミに絡んでいた。
なお、近くにいるエウリュアレとメルトは不満そうな顔をしていた。
「それで? 勝算はありそうなの?」
「もう一人くらい居れば行けそうなんですけどねぇ……でもまぁ、セイバー狩りは私の個人的な趣味が大きいのであんまり人と一緒にやるのはなぁというのがありまして。難しい所ですよ」
そう言って、机の上に置いてあるパウンドケーキを食べるX。
一瞬エウリュアレとメルトから殺気が飛び出たような気がするが、Xは気付く様子も無くモグモグと食べていた。
「ところで、三人は一緒にいるのをよく見るんですけど、ノッブってどこにいるんです? 全く見ないんですけど」
「あ~……最近は工房にずっとこもりっぱなし?」
「私に聞かれても困るけど、蒼輝銀河で新素材を手に入れたから珍しく工房を真面目に稼働させるって言いってたわよ」
「マジですか不安しかねぇ」
「なんですか工房って……?」
一人話についていけていないX。
オオガミはそれを見て、
「ん~……まぁ、簡単に言えばあんな感じのを作ってる」
「あんな感じ……って、あの小さいノッブですか? サーヴァントっぽさを感じないからノッブではないだろうなとは思ってたんですけど、まさか作ったものだったなんて……驚きですね。器用だったのか……」
「ここでは器用よ。えぇ、とっても。ちょっと迷惑なくらいに」
「大分とんでもないものを作ってたって聞いたけどね。真相は知らないけど」
「あの時期は試作品とか、どれくらい作れるのかみたいな時期だったからね……ウサギロボット事件はちょっとトラウマ」
「あぁ、あの事件……まぁ、楽しかったわ。笑っちゃうくらい本気で焦っててね?」
「ちょっと聞きたいわねそれ」
「ふむ……これはちょっとノッブに会う必要が出てきたかもしれませんね……」
Xはそう言って、エウリュアレの話を聞きながら考えるのだった。
武蔵ちゃんに勝てると思うなよぉ!(無敵・無敵貫通・超高速NP回転
ウサギロボット事件……未だに記憶に残ってるあの事件……BBが来る前のいにしえの事件ですね……
セイバーウォーズの交換アイテムが集まらず私は静かに泣いております。ちくせぅ……
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ