「こ、子イヌぅ! 宇宙船が大破して漂流したその先で怪獣になってて会った人全員に古代ハロウィン文明を破壊したとか言われたんですけどぉ~!」
「ごふっ! せ、世界線越えてない? どんな漂流したのさ」
レクリエーションルームで遊んでいたオオガミの背中に飛び掛かるように抱きついて言うエリザベートに、オオガミは困ったように聞く。
「えっと……まずメチャクチャドデカい隕石にぶつかってね?」
「もうその時点で大分カオスだね?」
「うん。でもその時はまだちびノブが修理してくれたんだけど、とりあえず一回惑星に降りようって提案されて着陸したらなんかアメリカっぽいところでね?」
「う~ん漂うテキサス・ビヨンド感」
「それで、変なバッチを着けたサーヴァントっぽいチンピラセイバーに襲われたから、宇宙船が修理終わるまで守って、ようやく脱出したところでバカデカイサーヴァントに当たって、どこかの惑星に不時着して気付いたら彗星になってたわ……」
「古代ハロウィン文明を滅ぼしたキングエリchanだったか貴様……!」
そう言うと、全力で首を振るエリザベート。
地味に角がぶつかっているのだが、全く気にしている様子がない辺り、必死のようだった。
「それで、どうやって帰ってきたの? 令呪使ってないけど」
「えっと、彗星になってたとき、誰かに破壊されてからまた飛ばされてたんだけど、グリーン・キッチンってところに拾われて、そこにあった、あの人形っぽい宇宙船の中のワープ装置帰ってきたわ。アレがなかったらきっと帰ってこられなかったわね……」
「……置いてきたのは無意味じゃなかったかぁ」
どうやら帰ってこれた要因はノッブたちらしいので、後で何か持っていくかと考えるオオガミ。
すると、エリザベートは、
「……子イヌ。今日はこのままでしばらくいていいかしら……」
「別に構わないけど、背中に張り付いてるので良いの?」
「うん……横と前はエウリュアレとメルトに殺されちゃうから……」
「えっ、なにそれ。そんな暗黙の了解が?」
「わりと前から。知らなかったの?」
「知らないよ……って言うか、それならX師匠死ぬのでは?」
「Xって言うのが誰かは分からないけど、さっきエルキドゥに逆さ吊りにされてたのがいたわよ。『セイバーぶっ殺ぉーす!』って叫んでるのが」
「……平常運転だけど、誰に挑んで返り討ちにあったんだろう……」
とはいえ、想像した展開とは違うようなので、オオガミはひと安心するのだった。
エリちゃん漂流記~新曲目指してn光年~
真面目に今回ハロウィン置いてきてましたね。ジョークじゃなかったよ……かわいそうなエリちゃん……
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ