「と言うわけで、こちらゴルゴーンさんです」
「おいなんでそんな気軽に話しかけ――――姉様!?」
「ふふん。やっぱり私の頼みが一番に通るわよね」
ドヤ顔で言うエウリュアレに対し、オオガミの後ろに顔だけは隠すゴルゴーン。
隠れられているオオガミは苦笑いをしつつ、
「まぁ、これでゴルゴーンは完成だね。末妹だけ三人いるけど」
「問題ないわ。むしろ盾が二枚なんだから、負ける要素は皆無ね」
「アナは盾じゃないのが有情」
「アナは愛でるので精一杯だから無理ね。盾はメドゥーサとゴルゴーンに任せたわ」
「全力で盾扱いしていくのは酷いよね」
「大きいのだから仕方ないと思うの」
そんなことを言っている間にそそくさと逃げようとしているゴルゴーンの尻尾を掴み、逃がさない。
「それで? どこに行こうというのかしらゴルゴーン?」
「ひっ! い、いえその、せっかくこのような所に来たので散策でもしようかと思いまして……」
「そう。それなら私も行くわ。じゃあねマスター。おやつを用意していてちょうだい?」
そう言ってにっこりと笑うエウリュアレ。
すると、ゴルゴーンは顔を真っ青にしながら、
「うおおおあああぁぁぁぁぁ!!! た、助けろマスター! いや、助けてくれマスター!!」
「ふふっ。助けてだなんて、一体何から助けてほしいのかしら。まさか私からだなんて、言わないわよね?」
「ひっ! そ、そんなこと言いませんとも……は、ははは……い、行ってくるぞ、マスター……」
「いってらっしゃ~い」
そう言って無邪気を装い手を振るオオガミと、恨みがましそうにオオガミを睨みつけつつエウリュアレについて行くゴルゴーン。そして、そんなゴルゴーンを連れたエウリュアレは、かなり上機嫌の笑顔だった。
それを見送ったオオガミは、
「さて、殺されないためにロクデナシ魔術師呼ぼうかな。幻術で守ってもらおう」
「自分を守ってくれる相手をロクデナシってのはどうなのかなって思うんだけど、もう今更否定もしないよ?」
「平然と隣に出て来られるとビビるんですが。どうしたんですか花のお兄さん。命の危機でも感じました?」
平然と隣に立っているマーリンにオオガミは突っ込みつつ、部屋を出る。
当然の様についてくるマーリンは、
「いやぁ、あのままいると殺されそうな予感がしてね。具体的には機嫌のいいエウリュアレの宝具を喰らって殺されそうな感じかな?」
「なるほど納得。それじゃ、食堂に行ってお菓子作らなきゃなぁ」
「私もそれについて行くとしよう。その方が生存率は高そうだからね」
「精一杯死なないように生きてね?」
そう言って、食堂に向かうのだった。
みんな知ってた結末。やはりゴルゴーン召喚は確定事項なのです。ふはは。
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ