「はぅ……疲れたわ……」
「どうしたのエリちゃん」
レクリエーションルームでゲームをしていたオオガミの膝を枕にするように倒れるエリザベート。
オオガミは咄嗟に周囲を見渡すが、エウリュアレもメルトもいないのを確認してホッと息を吐く。
そして、エリザベートの言葉を待つと、
「この前言ってた怪獣呼ばわりされたってやつで、ダ・ヴィンチに捕まって色々聞かれたの」
「ふむふむ。それが原因で疲れる?」
「ううん。そこが原因じゃなくて、そこからが問題で……精密検査だーって言われて体の隅々まで調べられて、ようやく終わったな~って思ったら今度はノッブとBBに捕まってさっきまで色々とあったの……もう嫌なのだけど」
「あぁ……うん。それは仕方ない。疲れる。絶対に」
「でしょ?お陰で今猛烈に眠いから、寝るわ。おやすみ子イヌ」
「うん。おやすみエリちゃん」
そう言うと、糸が切れたように動かなくなるエリザベート。
あの二人に絡まれたのならしょうがないよなぁ。とオオガミは呟きつつ、コントローラを片手にエリザベートの頭を軽く撫でるのだった。
* * *
「んんっ……へっくち! っは、ふぅ……あ、あれ? 子イヌ?」
くしゃみをしながら目を覚ますと、いつの間にかオオガミの姿はなくなっていた。
タオルケットがかけられているのを見ると、さっきまで寝ていた実感がわいてくるが、はたしていつかけられたのだろうか。
「……見捨てられたとか、そう言うのじゃないわよね。うん。たまたま席を離れてるだけよ。うん」
実際、ゲームもポーズ画面のままだし。と前向きに考え、再び横になる。
とはいえ、なぜ暖房が入っていないのだろうと疑問に思う。
「……やっぱ忘れられてる? 私忘れられてるの? 泣いちゃうわよ?」
「忘れてないし泣かれても困るのだけど……」
聞こえた声に、すぐさま振り向く。
そこにいたのは、困ったように笑うオオガミだった。
「~~っ! もぅ! どこ行ってたのよ!!」
「いや、トイレに行くついでに、暖房をつけにね。この部屋寒いし」
「行くなら行くって言いなさいよ! ちょっと寂しかったでしょ!?」
「えぇ~……尻尾がブンブン振られてるから気持ちはわかるけど、まぁ、うん。次は気を付けるよ」
そう言って、隣に座るオオガミ。
そんな彼に寄りかかりつつ、
「あ、そうだ子イヌ。今度私にもお菓子を作ってくれないかしら! 作るのは任せるわ!」
「無茶ぶりだねぇ……まぁいいけど。あんまり期待はしないでよ?」
「えぇ。信頼してるわ!」
「全く分かってないね」
そう言いながら、彼がゲームをしているのを見るのだった。
時々生まれるエリちゃんパート。初期メンバーだから優遇してしまうのも是非もないと思うんです。そもそもエウリュアレも初聖杯だから優遇してたのが現在ですからね! 不思議だなぁ!!
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ