「よし……ハンティングの時間だぁ!」
拳を高く掲げながら言うオオガミと、その隣に立って楽しそうに微笑むラムダ。
そんな二人の後方で、死にそうな顔をしているパラケルススは、
「なぜ……ランサーに、ランサーをぶつけるのですか……あぁ、絆上げ……? なるほど。であれば休息を取るべきだと進言します。具体的にはシステムを変更するべきかと」
「このマスターが聞くとお思いで? 少なくともラムダが10になるまでは休みなんてありませんよ。確実に」
「だろうな。今さら止められるとも思わんからな。どのシステムだろうが組み込まれるのだから気にするだけ無駄だろう」
「あ、悟ってますねこの人。これはもうダメみたいです」
死んだ目で言う孔明を見て、苦い顔をする玉藻。
だが、それはそれとして一向に止まる様子の無いオオガミにため息を吐く。
「別に、周回するのは構いませんけど、相性くらいは見てほしいですよねぇ……って、そうでした。ランサーに有利をとれる周回メンバーはいないんでしたね……」
「なぜランスロットではなくゴルゴーンを取ったのか……理由が全くわかりませんね……」
「現状セイバーでなければラムダさんで飛ばせますし、バーサーカーを用意する必要はなかったってことでは?」
「くっ、彼女が優秀すぎたゆえか……」
「ままならないものですね。まぁ、私たちが振り回されているのは自らのスキルが原因なのですが」
「悔やむべきか喜ぶべきか……本来ならば素直に喜べるものを……」
「周回を体験すると、悩ましいものですね」
同じ顔を見続けると言うのも疲れるものだ。と呟きつつ、孔明は目頭を押さえる。
すると、
「あ、更新です? 今度は粛正騎士ですか……セイバー? じゃあ休みですか?」
「……いや、メンバーはこのまま続投みたいだな。はぁ……セイバー相手でも倒しきれるなら構わないと言うその精神は、あまりに豪胆すぎると思うのだが」
「我がマスターは正気ですか……いえ、思えば最初から正気ではなかった気もしますね」
「今更ですよ。まぁ、周回できるなら良いんじゃないです? 問題なのは勝てない方ですし」
「まぁ、一撃で終わらせるのは、無傷だからな……いや、最近はそうとも言えなくなってきたか……」
そういう孔明の言葉に、二人は脳裏に同じ人物を思い浮かべる。
褐色にキラリと光るメガネ。とにかく二言目には自爆させようとしてくるあの戦術は、お前軍師としてどうなんだよと思わせるもの。
あのムカつく笑顔に苛立ちを覚えつつもその名は飲み込み、
「まぁ、うちのマスターは『人道的にダメでしょ』と言ってNG出してますし、しばらくは高難易度の時の貴方以外犠牲にはならないはずですよ」
「やはり私が犠牲になるのではないか……!」
うおおおぉぉぉ……と呻く孔明を見て二人は首を振るのだった。
セイバー? 狩れるなら周回できるでしょ。(鬼畜マスター並感
ラムダがセイバーごときに負けるわけなく。特にラストがランサーならシステムに敗北はないのです。さすラム。
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