「ボックス周回準備はそろそろいい感じかしらね?」
「いやぁ、全然終わんないね。礼装ドロップまだですか」
楽しそうにゴーストを引きつぶしていくロリンチを見ながら、ぼんやりと話すオオガミとエウリュアレ。
支援物資としてBBから送られてきたコートとニット帽をかぶって手袋まで装備したエウリュアレは、先ほどオオガミがたき火で温めたばかりのホットチョコレートを飲んでいた。
「礼装が落ちないと効率上がらないものね。どうしたものかしら」
「いやまぁ、ドロップの為にも周回しなきゃいけないのが現実なんだけどね。正直辛い」
「そうよねぇ……って言っても、今は周回しやすいんだから、今のうちに楽をしておくべきじゃないの?」
「まぁ、そう言われるとそうなんだけども……」
「やりたくない気持ちは分かるけどね。というか、最近雑にやり過ぎて感覚麻痺って来たんじゃないの? 大丈夫? ちゃんと戦える?」
「いやぁ、縛りをするだけの脳があるかだなぁ……最近だらけてるのは事実だし……」
はぁ。とため息を吐き頭を抱えるオオガミ。
エウリュアレはオオガミに寄りかかりつつ、
「ねぇ、いい加減真面目に戦ったら?」
「勝てると分かってる戦いにスリルは無いから……」
「別にスリルは要らないわよ……というか、それで毎度泣きそうになってるやつに言われたくないのだけど」
「でもほら、バフもりもりして戦うからそうそう負ける事は無いし……全力出すのは高難易度の時くらい……いや、高難易度もゴリ押しで叩きつぶすからあんまり関係ないかも……」
「雑に戦える戦力が揃うと大体こうなるのね……なんというか、ちょっと学んだわ」
「なんだか残念な奴って思われてる気がする」
「事実だから問題ないわね」
固まり始めたチョコレートをオオガミに渡して温めてもらいつつ、同じく送られてきたマシュマロを串に刺してたき火にかざして焼き始める。
「……こう、じわじわと熱が入っていく感じ、良いわよねぇ……焼け跡を作らないようにゆっくり焼いていく感じとか。真っ白なまま焼き上がると最高よね」
「そこまで出来るのって普通にスゴいと思うよね。どう考えても焼き跡付くでしょ」
「こう、火の当たり具合を調節すれば行けるわ。えぇ、わりと簡単よ?」
「う~ん、目の前でやられると簡単そうに見えるなぁ……」
「ほら、貴方もやりなさいよ」
そう言って、マシュマロを渡してくるエウリュアレ。
オオガミは温め終わったチョコレートを渡しつつ、仕方無そうに参戦するのだった。
ちなみに、焼け跡無しのとろとろマシュマロ。実際に出来るので、機会があったら挑戦してみてください。謎の達成感あると思います。
まぁ、私自身マシュマロ焼いてるのって滅多に見ないから、普通に出来るのかもしれませんけどね。
え? 周回? 全然してませんよ(白目
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ