「伯母上ぇ! 遊びに来たってうわぁ!?」
「なんじゃ茶々、遊びに来たんか。菓子はそこじゃよ」
「なんですかこの人。座禅マスターですか。微動だにしないとかあります?」
白いボードの上に乗り、座禅を組んでいるノッブ。
どうやらゲームをしているのだろうと気付いた茶々は、BBのそばにある机に座り、その上のお菓子を平然と食べる。
「あ~……人数が増えたならまたロビン宅配を呼ぶべきですかね?」
「そうじゃなぁ……あ、今度はあやつ自身も連れてきてこれをやらせるとかどうじゃ? 人数多い方が騒ぎやすいじゃろ」
「センパイはしばらく帰ってきそうにないですからねぇ……まぁ、お菓子と一緒に来てもらいましょうか」
「任せた~」
「伯母上雑じゃんね? アナスタシアとか呼んでくる?」
『終了』と低い男性の声が響き、蝋燭が燃え尽きて消える。
ノッブが気を緩めて座禅を解くと、BBが遠くから流れるように再スタートを押す。
ノッブはそれを見て思わずBBを睨み付けるが、すぐに茶々に視線を向けて話を戻す。
「そこは沖田とかじゃないんか。そのチョイスは儂もビックリ」
「ふふん。茶々のコミュ力の高さを見せないとね!」
「その自慢のされ方は納得いかんのじゃが……」
「だって伯母上、呼べる友達少ないじゃん」
「おま、それは言っちゃだめじゃ『喝っ!』あっ」
茶々の一言に動揺したノッブ。
それと共に響いた男性の言葉と共に、ついたばかりの蝋燭の火がかき消され、座禅が終了する。
それを見ていたBBはとても満足げに笑みを浮かべ、
「ふ、ふふふ……! ようやく動揺しましたね! やりました私の勝ちです!」
「いやノーカンじゃろ流石に! そもそもここまで10本ぐらい溶かしきってるからな!?」
「知りません知りません聞きませ~ん! 勝ちは勝ちです完全勝利!」
「だぁぁぁ! なんじゃこいつ話聞かないんじゃが!?」
高笑いをするBBと、必死で文句を言うノッブ。
茶々はその様子をお菓子を食べながら見つつ、首をかしげる。
「何々? 伯母上がどう負けたのかは知らないけど、何か賭けてたの?」
「いえ、そう言うんじゃないんですけど、私がすぐ終わるのにノッブがずっと消えないのがイラッと来まして、どうにかして消せないかなぁと思案しているところに茶々さんの一撃! これで私よりも最速の蝋燭消滅プレイヤーはノッブですね!」
「いや流石にノーカンじゃろ……というか、ランキングが上から下まで全部儂なんじゃが……せめて一つくらいBBにしてほしいんじゃけど?」
「それ全部消すしかないじゃないですか……!」
「いやだから、そう言ってるんじゃけど?」
「よぅし売られた喧嘩は買いますよぉ! 見ていてください! 最低でも一つは抗いますから!」
「おぅ、頑張れ~」
ノッブはそう言って応援し、茶々は一人お菓子を食べつつ、
「お菓子補充の話はどこに行ったんだろう……」
そう呟くのだった。
みんながリングでフィットネスしているなか、買えなかった難民はボードでフィットネスするしかないんですね……
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