「ふぅ……やっぱり最高レアリティは伊達じゃないんだね」
「そうねぇ……でも私はそれ以上に、三騎士相手に蹴りを叩き込んでたのが一番ワケわからなかったわ……」
アトランティスから帰って来て、オオガミと一緒にベッドに倒れ込むメルト。
オオガミはメルトの袖にぺしぺしと叩かれながら、
「そりゃまぁ、他にアサシンとかいましたし」
「バーサーカーがいるときは私も編成にいたわ。後ろに」
むふん。と鼻息を鳴らしながら胸を張るアビゲイル。
メルトはしばらく首をかしげ、思い出したのか納得したように頷くと、
「無敵解除要員ね」
「貴女の回避も解除して良い?」
「物騒すぎて逃げたいけどたぶんこの二人の喧嘩の原因はおそらく自分なので逃げられない」
もはやベッドから動くこともなく顔を背けるオオガミを見て、ラムダに姿を変えながら壁とオオガミに挟まれるような位置に移動してベッドに横になると、
「分かってるじゃない。じゃあ、おやすみ」
「わざわざラムダになってまで一緒に寝たいですか」
「あら、嫌かしら?」
「まさかまさか。女神様と一緒に寝れるなんて光栄ですが。でもそれ以上に後ろからの圧がスゴい」
「ふふっ、エウリュアレがいないにも関わらず何も出来ないお子様は敵じゃないわ。だからほら、今日くらいは私以外見ないでちょうだい?」
「……二人きりだとしてこないくせにね?」
「なっ」
「それ、どう言うことかしら!」
「あ、ちょ、言わせないわ!」
「ごはっ!」
蹴り一撃でオオガミを昏倒させるラムダ。
容赦のない一撃にアビゲイルは少し後ずさったが、すぐに触手を出しつつ、怒ったような表情になると、
「マスターから離れて!」
「なんでよ。今日はエウリュアレがメドゥーサのところで寝るっていうから来ただけなのに」
「マスターさんを蹴る人なんて信用できないわ!」
「エウリュアレに関しては矢まで射っているのだけどそれは良いのかしら」
ラムダの反撃に対して、アビゲイルは言葉に詰まる。だが、すぐに言葉を思い付いたのか、
「それはそれ!」
「とんでもなく雑な判定じゃない! いえ、エウリュアレに逆らわない気持ちは分からなくもないけれど!」
「私は貴女を倒すわ! せいばーい!」
「え、ちょ……その触手は出しただけなのね!?」
怒っているような、しかしどこか楽しげな声をあげながらオオガミとラムダの両方に向かって飛び掛かるアビゲイル。
展開していた触手はただの飾りのようで、子供らしい体重で二人を押し潰すのだった。
今回は何を言ってもネタバレになる気がするので全力で日常続行。あ、アトランティスはクリアしました。縛りゆるゆるでやったのでそんなに詰まらなかった優しさ。次回はどうしようかなぁ……
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ