「技術部! 仕事の時間だオラァ!」
「うおわぁ!? 儂のみかんがぁ!」
「リアクションでみかんを落とさないでくださいよ……まぁ、門でちょちょいと回収できるので良いんですけど」
そう言って、ノッブが取り落としたみかんを回収して投げ付けるBB。
そんなこたつに入ってのんびりとしている二人に、オオガミは企画書を叩き付け、
「こたつ作成よろしくぅ!」
「うげっ、ストレートに面倒そうな案件……」
「いや、これ結構面白そうなんですが。移動式とかふざけてるのが特に良いですね」
「……儂の作ったやつなんじゃが?」
「あ、分かる?」
「自分で作ったからなぁ……何より儂の字だしなぁ……」
そう言って、仕方なさそうにこたつから出るノッブ。
そのまま発明品を適当に押し込んでいる倉庫の中に入っていくと、
「あ~……確か去年の冬に作ったんじゃけど、どうしたかのぅ……BB覚えておるか~?」
「去年ですか? 確か左奥の方じゃなかったですっけ」
「ん~……どうじゃったかな~……最悪もう一個作らなきゃならんか~……」
「面倒なので意地でも見つけ出してください」
「そもそもそれは見付けられなくて作ったやつじゃろ~?」
「……そう言えば確かにそうですね」
そう言って、みかんを剥く手を止めるBB。
オオガミに手招きをしてこたつに座らせると、剥きかけのみかんを渡しつつ、
「仕方ないですね。センパイそれ剥いてください。センパイが三つ剥き終わるまでに見付からなかったら作りますね~」
「え、剥いたら食べて良いの?」
「ストックしておいてください」
「あ、うん。分かった」
「お願いしますね~」
そう言って、倉庫へ応援に向かうBB。
オオガミはそれを見送って、みかんを剥くのだった。
* * *
「あ~! みかん食べられてるんですけど!」
「しかも三つどころかその倍は剥かれてるな」
「三つ剥いたけど食べちゃったからね。追加分は必須でしょ」
こたつを持って帰って来た二人に、みかんを差し出しつつ、オオガミはみかんの皮を袋に入れる。
それを見たBBは、
「その皮、どうするんです?」
「みかん風呂にでもするんか?」
「お、ノッブ正解。所長に聞いて許可を貰ったらだけどね」
「あ~……儂らもゴミ箱に入れずに取っておけばよかったのぅ……」
そう言って、オオガミが差し出していたみかんを取りつつぼやく二人。
こたつは適当なところに置き、再びこたつの中に戻っていく。
「それじゃ、帰ろうかな」
「おぅ。エウリュアレによろしくのぅ」
「後でなにか請求しますね~」
「はいよ~」
そう言って、オオガミはこたつを持って帰るのだった。
小さい机なら筋肉で解決できるんですね。怖いなぁ……
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ