「さて、マスターは行ったかしら」
「今日は強化クエストを消化するって言ってたから、しばらくは帰ってこないと思うわ」
「そう。じゃあ、始められるわね」
そう言って、こたつで温まりながら雰囲気だけは威厳があるエウリュアレ。
それを見て、同じこたつに入っているメルトとアビゲイル、ノッブが苦笑いをし、少し離れているところで電気ストーブに当たっているBBは苦い顔をすると、
「この工房、別に秘密会議用の部屋じゃないんですけど。まぁ、盗聴とか、そういう類いの対策はしてますけど」
「分かってるわよ……というか、それじゃなきゃここに来ないって」
「あ~……それが原因でしたか……というか、そもそもセンパイは魔術を使えないから物理防御をしっかりとしておけば良いんじゃないんですか?」
「何言ってるの。マスターに何をしても無意味に決まってるでしょ?」
「う~ん、物理に対して強くなりすぎるのも問題ですねぇ……」
手枷足枷を気合いで破壊する相手に対策も何もないでしょう? と言うエウリュアレ。
BBは苦い顔をすると、
「でも、サーヴァント相手の攻撃も守るのに、センパイの攻撃には無力なんですか?」
「いいえ? 開けられなくて諦めるけど?」
「えぇ……じゃあやっぱりこの工房でやる必要無いじゃないですか……」
「儂は別に良いけどな?」
「ちょ、ノッブにそれを言われたら反対できなくなるんですけど……」
「まぁほら、どうせ明日の話じゃし、ええじゃろ?」
「あれ、ノッブに言ったかしら」
「いや、時期的にそれしかないしな……で、とりあえず明後日に怯えてるマスターに、パーティーでもやるか?」
「そもそも今年はまだパーティーやってないのよね……イベントの時にやる雰囲気を出してたけど、結局やってないじゃない?」
そう言われて、全員は思い返し、
「あ、本当にやってませんね。てっきりいつも通りやってたかと……一ヶ月近く前だからやらなかったんでしたっけ」
「おぅ。儂も記憶に無いしな」
「みんな楽しみにしていたけど、流石に一ヶ月早いのはダメだよねって言ってやめたのよ?」
「……別の意味でやらなきゃいけなくなったわ……」
「うむ……ちと食堂に用があったのを思い出した」
「私もよ。行きましょうか」
「BBも行くか?」
「あ、行く流れですかこれ。メルトとアビゲイルさんは待っててくださいね。センパイが来たら適当に引き留めててください」
「分かったわ。お留守番は任せて!」
「別に、BBは帰ってこなくても良いのだけど?」
「メルトは一言多いですね……まぁ良いです。それでは~」
そう言って、エウリュアレとノッブの二人についていくBB。
メルトとアビゲイルは、それを見送るのだった。
やるって言ってたらやってなかった不思議。
クリスマス回をやることが確定ですね? 明後日かぁ……明後日ぇ……?
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ