ふと目を開けると、そこは真っ白な空間だった。真っ白。白。どこまでも白かった。ここは何処かと周囲を見回すも四方全てがどこまでも白く続くような空間。自分の体に異常はないかと身体を見てみる。…何かおかしい。服のあるはずの部分に紫色の泡のような物がついている。何だこれはと思いつつ匂いを嗅いでみると、さわやかな葡萄のような香りがする。恐る恐る指でそれを取り、舐める。
あ、これぶどう味ねる〇るねるねだ―――。
驚いたことに私はねる〇るねるね以外に衣服の類を身にまとっていないらしい。そんな謎だらけの状況は私の思考をかき乱し、考えるのをやめそうになったその時。
「ゆかりさーん。」
茜ちゃんの声だ。声のした方を見るとどこから来たのだろうか、茜ちゃんがいる。なぜ茜ちゃんがここにいるのかという疑問は彼女の次の一声で消え去った。
「ゆかりさん美味しそうやなぁー。」
その声は発情期の獣のような妖艶な響きを内包していた。私がその声にたじろぎ、後ろ手をついて座り込むと茜ちゃんはこちらに這いより、私の脇腹についた泡を指で掬い、そして、その指を舐める。私はそれがとても恥ずかしく声を上げた。
「な、何をしているんですか茜ちゃん!今のあなたは何かおか――
言葉を言い終わる前に茜ちゃんが唇を私の唇に重ね、言葉を封じた。その刹那、彼女は私の口内に舌を入れ貪る。初めてのディープキス、しかも相手は茜ちゃん。私の思考回路は瞬間的にショートし、指を動かす事すらままならなくなった。何秒、何分たっただろうか。私はしばらくの間なされるがままにされていると茜ちゃんは私から離れ、
「なあゆかりさん、美味しかったやろ。うちはゆかりさんを食べたい、食べてしまいたいんや。ええよな、ゆかりさん。」
そう耳元で囁くと彼女は私の体についた物を舐めとっていく。首元から肩、肩から胸へと。
「んっ…ふっ…。」
茜ちゃんの小さな舌が私の肌に触れる度に抑えようと思っていても声が漏れる。くすぐったさだけではない何か他の感情も体の内側から湧き上がってくるのを感じる。駄目だ、これ以上はいけない、戻れなくなる。
「あ、茜ちゃん駄目ぇ!!」
見知った天井――…。何があった、何が起こった。周りを見る。自分の部屋だ。どうやら私は夢を見ていたらしい。なんて夢を見ていたんだろう。夢が覚めて良かったような良くなかったような曇った感情に不快感を覚えながらもこう思った。
茜ちゃんに攻められるのも悪くないな―――。