桜色の君と過ごす日常   作:大天使

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今回はあの二人が登場です。



16話 北からの来訪者

「はい!次で終わりだよ!」

 

「よし、もう少し頑張ろう!」

 

ラブライブ本線への出場は出来なかったけどこれで全てが終わったわけじゃない。私達は数ヶ月後にもう一度行われる予選のために練習を再開していました。

 

「千歌、少し遅れてるよ!」

 

「わかった!」

 

今度こそラブライブで優勝出来るようにもっと頑張らなきゃ…

 

 

 

 

 

「お疲れさん。ゆっくり休むんだよ」

 

「うん。ありがとう」

 

今日の練習も終わり、私は果南ちゃんから飲み物を貰って一息ついていた。果南ちゃんも私の隣に座って自分のを飲む。

 

「良くなってきたね。千歌はなんだかんだいって飲み込み早いしすごく頑張ってくれるから鍛えがいがあるなぁ」

 

「果南ちゃんがそう言ってくれるなら嬉しいよ。でもラブライブで優勝するためにはまだ足りない気がする。もっと頑張らないと…」

 

同じくラブライブを目指すライバル達は今も練習してることだろう。私達も負けてられない!

 

「ふふっ、なら明日から一緒に走る?早起きの習慣も身についていいことだらけだよ」

 

「うーん…考えておきます…」

 

果南ちゃんとは練習メニューの相談をしてから別れ、私は家に帰ってきた。果南ちゃんは家に戻ってからまた走りに行くって言ってた。ホントにあの人はすごいよ…

 

「ふぅ…今日の練習も疲れたなぁ。もっと体力つけないと…あれ?メールがきてる…」

 

お風呂から上がって部屋でのんびりしているとパソコンにメールが届いているのに気づきました。

 

「あ、聖良さんからだ!」

 

メールの相手は前に東京のイベントで知り合ったスクールアイドル、Saint Snowの聖良さんという人からだった。

 

「なになに…今度そっちに行く用事があるのでぜひお会いしませんか…ってええ!」

 

確かSaint Snowは北海道のスクールアイドル。別の用があるとはいえわざわざ会いに来てくれるというのは素直に嬉しい。

 

「早速返信しなきゃ…こちらこそお願いしますっと!えへへ楽しみだなぁ…」

 

──────────────────────

 

「あの二人に会うのは久しぶりだなぁ…」

 

「そうか。だけどさ…なんで俺もお迎えにいなきゃならんのだ?」

 

Saint Snowが沼津に来る当日。千歌に連れられて俺まで二人の迎えに駆り出されていた。

 

「俺はあの二人とは会ったことないぞ?動画で少し見たくらいだ」

 

「いいの!私は一応リーダーだからお迎えしなきゃいけないし他のみんなの練習時間を奪うわけにはいかないからね!」

 

「まぁいいけどさ…」

 

「あ、来たよ!」

 

千歌が指差す方を見ると駅から自信に満ちた表情を浮かべた二人の少女が現れた。

 

「二人とも沼津へようこそ!」

 

「高海さん、お久しぶりです。お元気でしたか?」

 

「…どうも」

 

サイドテールの子は千歌と握手を交わし、ツインテールの子はその様子をじっと見つめていた。

 

「ところでそちらの男性は?」

 

「私の幼馴染みでAqoursのサポートをしてる人です!」

 

「どうも、海藤龍吾といいます。以前千歌達がお世話になったようで…」

 

「ご丁寧にどうも。私は高海さんの友人でスクールアイドル、Saint Snowの鹿角聖良(かづのせいら)といいます」

 

聖良さんはそう言いながら丁寧に頭をさげた。

 

「こっちは私の妹の理亞(りあ)です」

 

「…こんにちは。鹿角理亞です…」

 

「聖良さん、理亞さん。よろしくお願いします」

 

理亞さんは聖良さんの後ろに隠れて少しだけ顔を見せながら言った。

 

「…もしかして俺がいたらまずい感じでしたか?そうなら先に戻ってますけど…」

 

「いえ、この子は人見知りなだけなので心配しなくて大丈夫ですよ」

 

「そうなんですか」

 

俺は正直二人の姿を見て驚いた。すごいスクールアイドルだからもっと良い意味で個性的な人達だと思っていたけど…

 

「高海さん、東京のイベントで皆さんに言ったことは覚えていますか?」

 

「はい。本気で頂点を目指すつもりが無いならスクールアイドルは辞めた方がいい…そんな感じのことを言われた記憶があります」

 

「お前ら…そんなことを言われたのか?」

 

「私達もAqoursのライブを見ました。イベントの時より格段にレベルが上がってましたね。それとその時にあなた達に言った発言を取り消します。酷いことを言って申し訳ありませんでした」

 

聖良さんは千歌に謝罪してさっきよりも深く頭をさげた。

 

「気にしなくていいですよ。あの時聖良さんが言ってくれたから自分達を見直すことが出来たんだと思います」

 

「そうだったんですね…」

 

「それじゃ早速行きますか!二人は私達の学校を見たいんでしたよね?」

 

「はい。よろしくお願いします」

 

──────────────────────

 

聖良さんと理亞さんは千歌に連れられて俺達の学校までやってきた。

 

「Aqoursの皆さん、お久しぶりです」

 

「あなた達はSaint Snowの…遠路はるばるお疲れ様です」

 

「ここが浦の星学院ですか…いい学校ですね」

 

「本当に…」

 

二人はこの学校を気に入ってくれたみたい。俺達自慢の場所だから素直に嬉しい。

 

「お二人はどうします?私達は練習を続けるつもりですが…」

 

「私達に構わず続けてください。皆さんがどのくらい成長したのかを見てみたいですから」

 

俺達はさっきまで行っていた練習を再開した。Saint Snowの二人は椅子に腰を下ろしてAqoursの練習を見守っていた。

 

「姉様、Aqoursの練習も悪くは無いですね。イベントの時よりも成長してるのがわかるし…」

 

「理亞もそう思う?」

 

「特にあの赤髪の子。前は動きが鈍かった気がするけど今はかなり良くなってる」

 

「よく見てるね。理亞は…」

 

「べ、別に…今度対決することになるかもしれないグループだから軽く調べてみただけ…」

 

そんな二人に千歌が声をかける。

 

「二人もよかったら練習に参加しませんか?お互いに何か得るものがあればいいと思ったんですが…」

 

「そうですね。せっかくの機会だしお言葉に甘えさせて貰いますね。理亞、準備はいい?」

 

「…勿論」

 

「二人はこれから用事あるんだしあんまりキツくしないでね」

 

「大丈夫ですよ。このくらいの練習で疲れてたらラブライブ優勝なんて出来ませんからね」

 

──────────────────────

 

「お疲れ様です。二人もよかったらどうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

「…どうも」

 

俺は休憩中の二人にドリンクを手渡した。

 

「すごいですね。初めてやる練習のはずなのにほぼ完璧にこなせるなんて…」

 

「私達が普段行ってる練習を応用した感じだったので比較的すぐに覚えることが出来ましたよ」

 

改めてこの二人はすごいんだなと思った。全国にはこの二人と同じくらい。いやもしかしたらもっとレベルの 高いグループがいるのかも…

 

「海藤さん。少しお聞きしたいことが…」

 

「なんでしょうか?」

 

「Aqoursがここまで成長した理由を知りたいのですがここにくるまでどんなことがあったのですか?」

 

「…それは私も聞きたい」

 

聖良さんは真面目な表情で俺に聞いてきた。別に隠す理由もないので俺は自分が知っていること。思っていることを話した。

 

「そうですね…東京で何があったのかは詳しく知りませんが帰ってきてからは三年生の加入がありましたね。これが一番大きいです」

 

千歌達から聞いた話だと果南姉さん、ダイヤさん、鞠莉さんの三人は過去にスクールアイドルをやっていたがイベントでの挫折と鞠莉さんの留学が重なって途中で辞めてしまったという。

 

「あの三人は過去の柵とかもあって自分の気持ちに素直になれなかったみたいでやっと自分の好きなことが出来たって思うと…あの三人は今のAqoursになくてはならない存在ですね」

 

過去の経験がある三人の加入はAqoursにとって大きかった。今では精神的支柱としてみんなのことを導いてくれている。

 

「あとは……何を話せばいいのか…あの三人の加入以上に大きいなんてないですから。あとは強いていえばグループとしての団結力ですかね…」

 

「仲間思いなんですね。海藤さんって」

 

「あはは、どうも…」

 

正直むず痒い。仲間を大切にするなんて当然だしそれが普通だと思ってたから…

 

「仲間のことをしっかり観るって簡単に見えてとても難しいです。私達も海藤さんみたいな人に出会えたら…」

 

「姉様…」

 

「きっと出会えますよ。もしかしたら既にあなた達のすぐ近くにいるかもしれませんよ?」

 

「そうかもしれませんね…話してくれてありがとうございました」

 

聖良さんはお礼とともに時間を確認してそのまま立ち上がった。

 

「そろそろ時間ですね。Aqoursの皆さん、今日はありがとうございました。今度はラブライブ決勝の舞台で会いましょう!」

 

「こちらこそありがとうございました!」

 

「…それでは」

 

「よかったら駅まで送っていきますよ!車ならすぐに用意出来ますから!」

 

「ありがとうございます」

 

二人は鞠莉さんが用意した車に乗って駅へ向かっていった。俺達は遠くなっていくその姿を屋上から眺めていた。

 

「行っちゃったね…」

 

「またすぐに会えるさ」

 

ラブライブに出場するのは簡単ではないがまだ時間はある。少しずつでも確実に進歩していこう。そう思いながら俺達はまた練習に戻るのだった。

 




それではまた。
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