私の作品では元々廃校エンドのつもりではなかったので気にすることではないのですが劇場版編をやるとしたら異なっている設定が自分の首を絞めるんだろうなと薄々感じています。何とかしなくちゃな…
それではどうぞ
「はぁ…どーしよう…」
「どうしたんだ千歌?」
授業を終えて部室に来た龍ちゃんが机に突っ伏してる私に声をかけてきた。
「次の地区予選と学校説明会が同じ日になっちゃうかもしれないんだ…」
「そうなのか?」
「ほら先生達も言ってたじゃん。天候があまりにも悪かったら説明会を延期するかもしれないって。学校は海から近いし台風とか来たら危ないからね」
「そういえば言ってたかも…」
スマホで天気を調べると学校説明会が予定されていた日に大雨が降る予報になっていた。これなら延期になっちゃうよね…
「どうすればいいのかなぁ…」
「うーん…何とかしてやりたいのは山々なんだけど俺も部活動紹介には参加しないといけないから日程被ったら予選の方には行けないぞ」
「そっかぁ…」
「まぁこの件はみんな揃ってから相談だな」
しばらく経つと部室に全員が揃ったのでライブや説明会のことを話し合うことになった。
「予選と説明会の件ですが…どうしますの?わかっているとは思いますけど両方やらなくてはいけないのですから」
「フッ…このヨハネの魔力で貴方達をライブ会場から学校まで瞬間移動を…」
「あ、そういうのいらないずら」
「何よ!てかリュウも何か言ってよ!」
「…本当に出来るんならお願いしたいんだけどね。今回は現実的な方法で頼むわ」
てか本当に瞬間移動出来るんだったらもうとっくにやってるはずなんだよね。そんなことを思っていると果南ちゃんが手を挙げた。
「確か予選の順番ってくじ引きで決めるんだよね?そこで早い番号引ければ何とか間に合うんじゃないかな?」
「それも考えたんだけど1番最初にライブ出来ないと間に合わないんだよね…説明会の方もあまり長引かせるわけにはいけないし」
「そこは学校に残る俺達に任せてくれ。少しでも時間稼げるように頑張るから」
「迷惑かけちゃうけどお願いね!」
「いいってことよ。細かいことは俺に任せてみんなは予選に集中してくれ!」
龍ちゃんはこう言ってくれてるし私達はそろそろ練習しなくちゃ。とりあえず今度の抽選会は絶対にいい番号を引くぞ!
そう気合いは入れたんだけど抽選会は残念な結果に終わってしまった。私達を代表して善子ちゃんが引いたんだけど求めていた番号は出なかったのだ。
「ごめんなさい…目当ての番号引けなかったわ…」
「くじ引きなんだししょうがないよ!それより説明会のこと考えよう!」
「そうだね。仮に龍ちゃん達が時間稼いでくれたとしてもこの順番じゃ間に合わないよねぇ…」
私達が引いたのは24番だった。発表順は中盤になってしまってこのままじゃ説明会には確実に間に合わない。
「こうなると本格的に時間配分を考えないとな。部活動紹介の時間をもっと長めにやってもらえるように頼んでみるわ。確か進行は放送部の係だったよな…」
「海藤さん、私も一緒に行きます。放送部には知り合いがいるので紹介出来ますわ」
「わかりました。わざわざありがとうございます」
龍ちゃんはダイヤさんに連れられて部活動紹介について相談しに行った。
「順番は決まっちゃったんだからしょうがないけど会場から学校までどうやって移動しようするのがいいかな?」
「お姉さんの車じゃ駄目なの?」
「確か車だと遠回りになっちゃうんだよね。大変だけど会場から走っていくしかないかなぁ」
「それなら私達に任せてよ!」
振り返るとそこには同じクラスの友達がいた。
「移動出来る手段は私達が探すよ!だから千歌達は練習を頑張って!」
「みんな…」
「気にしないで!いつも千歌達には助けられてばかりだったらから今度は私達の番だよ!」
なんかこれぞ仲間って感じですごくいいなぁ。助けてくれるみんなのためにも絶対に勝たないと!
「よし、こうなったら練習しなくちゃ!絶対に予選突破するぞ!」
この日の練習は今までで一番いいものになった。このまま最高の状態で大会に望むことも出来そうだ。
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あれから時が流れて地区予選、そして学校説明会の日になった。学校は何としても入学希望者を増やしたい在校生や先生達、そして中学生の子達で一杯になっていた。
「海藤くん、そっちの調子はどう?」
「まぁまぁだな。だけど思ってたより多くの人が来てるよ」
「よかった…海藤くん達には迷惑かけちゃうけど絶対に予選突破してくるから待っててね!」
「良い報告を楽しみにしてるよ。それじゃ頑張って!」
そう言って梨子との通話を終わらせた俺は最後の準備に取り掛かかろうとした。すると同じクラスの友人が俺の方に走ってくるのが見えた。
「海藤くーん!」
「おっ、なんだい?」
「何とか出来たよ!移動手段!」
「本当か!?それはありがたい!」
その子が言うにはライブ会場の近くにあるみかん畑のトロッコみたいなやつを移動手段として使わせてもらえるように話をつけてくれたらしい。
「海藤くんは部活動紹介出なきゃいけないんだよね?それなら私達が責任をもって千歌達を学校まで送り届けるよ!」
「助かるよ!それにしてもすげぇな…Aqoursって」
「ホントにね、千歌達がこの学校の期待を一身に背負ってるって感じがする。それにみんなAqoursのことが大好きなんだよ!」
「あいつらの代わりに俺達がスクールアイドルの良さを伝えたいなぁ…」
「じゃあさ、やってみようよ!」
彼女の提案はとてもいいものだった。本番までの残り短い時間の中ですることが増えちゃったけどやるだけの価値はある。
「簡単にだけど準備してくるわ。部室にいるから何かあったら呼んでくれ!」
「うん!よろしくね!」
よし、時間無いけどAqoursとみんなのためだ。絶対成功させてやる!
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「ついに来たね…」
「うん、今度は勝つよ!」
ライブ会場で身支度を終えた私達は出番が来るのを待ちわびていた。
「そろそろ私達のステージだよ。準備は…って聞くまでもないよね?」
「バッチリだよ!みんな行こう!」
いつも以上に全力を尽くした今回のステージは自分の中でも満足出来るものだった。その中で私はあることを再確認することが出来た。
(やっぱりみんなで歌ったり踊ったりするのは楽しい!スクールアイドルの良さを絶対に伝えるんだ!)
ステージを終えて着替えを済ませ、私達は走り出した。みんなが待っている学校へ向かって。
「やっぱりライブ終わってから走るってキツいね…」
「そうだね…だけど走らなきゃ!信じて待ってくれてるみんなのためにも!」
「あ、あれって…!」
曜ちゃんが指さす方にはクラスの友達が待ち構えていた。そういえば学校までの移動手段が見つかったって龍ちゃん言ってたな…
「やっときたね。準備は出来てるから乗って!」
そう言って私達をトロッコみたいなのに乗せた。みかん畑にあるからみかんコースターって呼ぼうかな。
「えっと…安全性は大丈夫なのかな?」
「大丈夫だよ!たぶん…」
「なんか怖いんだけど…」
「千歌!時間ないから出発させるよ!レバーの操作は一番前の果南ちゃんに任せて」
「えっ…う、うわあああ!!!」
結構なスピードでコースターは発進した。道はかなり曲がりくねっていたけど相当速度出てるから思ってたより早く学校に着きそうだ。
「はぁはぁ…なんか疲れた…」
「ここまで来れば学校まではもう少しだよ!」
途中みかん畑に突っ込んだり果南ちゃんがレバーを壊しちゃったり色々あったけど無事に学校の近くまで到着することが出来た。ここまで来れば目的地はもう目の前。みんな、待ってて!
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「バスケットボール部の皆さん、ありがとうございました!」
説明会は思ってたより順調に進んで部活動紹介の時間も終わりを迎えようとしていた。あいつらが到着するまでもう少しかかりそうだな…
「ふぃー…緊張したぜぇ…」
「お疲れさん、んじゃ俺はもうひと仕事してくるわ!」
「そっか、お前はまだやることあるんだよな…よし!俺達も協力するから龍吾は自分の仕事をしっかりやってくれ!」
「みんな…ありがとな!」
「海藤くん!バスケ部の出番終わったばかりだけど次の準備を急いで!小川くん達は外のステージを手伝って!」
進行の都合で部活紹介のラストがスクールアイドル部、その前がバスケ部という順番になってたけどみんなが助けてくれたから何とかなった。
「わかった!孝至、頼んだぞ」
「任せとけ!」
「みんなやるよ!Aqoursのためにも!」
これならきっと大丈夫。ライブの準備はみんなに任せて俺も行きますか!
「次はスクールアイドル部の紹介です!と言いたいところですが、まだ準備が整ってないのでそれまでは私達がこの学校のスクールアイドル…Aqoursについて紹介します!」
司会の言葉と共に俺はもう一度ステージに立った。
「彼女達は決して恵まれてるとは言えない環境にも負けずに活動を続けてきて俺達のことを勇気づけてくれたり、何かを始めるのに人数や環境なんて関係ないこと。そして最後まで諦めないことの大切さを俺達に教えてくれました。Aqoursの素晴らしさは言葉だけじゃ伝えきれません…」
「なので…実際に彼女達のステージを見ていって欲しい!皆様の貴重な時間を割いてしまうのは申し訳ないですがそれだけの価値はあることは俺が…俺達が保証します!ぜひAqoursのステージをご覧になってください!」
そう言い終えると同時に大きな拍手が巻き起こった。俺の役目はここまで。あとはAqoursのステージに俺達の全てを託そう。
「みんな!お待たせ!」
「千歌ちゃん!みんな!」
俺がステージから降りたのと同時に千歌達が学校に戻って来た。
「…やっと戻ってきてくれたか。待ってたぜ!」
「うん!すぐにライブの準備を始めよう!」
千歌の一言でみんなが動き出す。ステージの最終確認をする者、音響のチェックをする者など様々だったが、みんなAqoursのために行動してくれた。そして俺は本当にこの学校…そしてAqoursのことが大好きだということに気づいたよ。
「海藤くん!」
「梨子…それにみんな!俺達のことはいいから早く準備しないと!」
「貴方は私達のために全力で動いてくれたんだよね。急に仕事増えちゃったけどそれもやりきってくれたことも知ってる」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど俺だけの力じゃない。浦の星のみんなが協力してくれたおかげだよ。自分だけじゃどうにもならなかった」
梨子達がこんなに早く戻ってこれたのも学校までの移動手段を必死に探してくれた子達のおかげだし、スピーチも元々は友人の意見だった。こんなに上手くいったのは学校のみんなのおかげだ。
「そうだよね。だけどこの感謝の気持ちは他の誰よりも先に貴方へ伝えたいんだ。海藤くん………本当にありがとう!」
…急に目頭が熱くなってきたし顔もきっと赤くなってる。俺はこんな表情を見られたくなくて咄嗟に後ろを向いた。
「…ッ!わ、わかったからさ、早く行ってきなよ!みんな待ってるから!」
「うん!また後でね!」
クラスの子の呼ぶ声が聞こえたので梨子達は足早にステージへ向かっていった。早く行ってくれて本当に助かったよ。そうじゃなかったらみんなの前で情けない顔を晒していたかもしれないな。そう思っていた俺の頬を一筋の涙がつたっていた。
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「みんなお疲れ!」
「うん!大成功だったね!」
ライブは大成功だった。Aqoursと浦の星のみんなで最高のステージを作り上げることが出来た。
「龍ちゃんもありがとう!」
「おう!みんなも予選突破おめでとう!」
結果は会場に残った志満姉達が見届けてくれた。梨子達は見事に地区予選を突破しラブライブ本戦への夢に一歩近づいた。
「鞠莉ちゃん、これから入学希望者は増えていくと思う?」
「もちろん!現時点で去年より浦の星に入学したいっていう生徒が多くなってる!これからも増えてくことが予想できるわ」
「そっか。頑張った甲斐があったなぁ…」
「それじゃさ、今度みんなで遊びに行かない?リフレッシュとそれぞれお疲れ様ってことで!」
「おっ!いいね!」
「行きたい行きたい!」
「決まりだね!いつにしよっか?」
千歌の提案で近いうちにみんなで遊びに行くことになった。日程とかを話し合ってると梨子がこっそり耳打ちしてきた。
「みんなで遊ぶのもいいけど私とも遊びに行かない?最近なかなか二人っきりになれてないから…」
「もちろんいいよ。後で予定決めよっか」
「うん!連絡待ってるね!」
大切な彼女からの誘いなんだし断る理由なんてない。また楽しみなことが増えてしまいました。
いつもありがとうございます!