桜色の君と過ごす日常   作:大天使

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こんにちは大天使です。

今回はクリスマス編ということでやっていきたいと思います。いやーカップルっていいですね(白目)

それではどうぞ。



外伝 聖なる夜に

12月25日。世間一般的にはイエスキリストの誕生を祝う日と言われているが、今日では何故かカップルの日と呼ばれるようになっている。

 

 

本来は家族とともに過ごすというのが正しいのだが、俺の両親は二人だけで旅行に行ってしまい、一人残された俺はクリスマスをウインターカップを見ながら一人で過ごすという予定になっていた。

 

 

彼女からの連絡が来るまでは。

 

 

「海藤くん!」

 

「おっ!来たか」

 

いつもの待ち合わせ場所にデートの相手である梨子がやってきた。普段から可愛い彼女だが、今日は一段と可愛い。もう可愛い以外の言葉が出てこない。

 

「…天使だ」

 

「え?」

 

「い、いや…何でもない…」

 

梨子は白を基調としたコートと紺色のスカートを身につけていた。俺はやっぱり彼女がこの世で一番可愛いということを改めて認識させられた。梨子が天使だってそれ一番言われてるから。

 

「ごめんね、待たせちゃった?」

 

「いや、今来たばかりだから大丈夫だよ」

 

「嘘。だって手がこんなに冷たくなってるじゃない」

 

どうやら彼女には全てお見通しだったようだ。ほんとかっこ悪いな俺…

 

「ほら、早く手貸して」

 

「ん」

 

梨子はそっと俺の手を取ると自分の吐息で温め始めた。

 

「…ね?これであったかいでしょ…///」

 

「うん。あったかい…」

 

…なんか周りの人間が俺達のことを微笑ましい目で見てたり嫉妬に狂ったような目で見てるのはこの際気にしないってことで。

 

「それじゃ行こっか」

 

「うん!」

 

俺達はいつものように手を繋ぎ、最初の目的地へ向かって歩き始めた。

 

 

そんな二人のことを遠くから見つめている人影がいくつかあった。

 

 

「いやー何回も梨子ちゃんに連絡してのに出ないからどうしたのかなって思ったらやっぱりそうでしたかー」

 

「ワオ!梨子ってリューゴの前だとあんなに大胆になるのね!」

 

「み、見つかったらやばいんじゃないかな…」

 

「ククク…安心しなさいリトルデーモン曜。私達には堕天使の加護が付いてるのよ…気づかれることなんて絶対にないんだから!」

 

物陰に隠れて何かの様子を伺うスクールアイドル4人組。行動の怪しさも相まって周囲の注目を集めていた。

 

「げっ!人が増えたわ!さっさと行きましょ!」

 

「「おー!」」

 

「お、おー…」

 

千歌達もあの二人を追うため密かに行動を開始した。

 

──────────────────────

 

二人は最初に行きつけの喫茶店を訪れていた。その店は恋人のいる人に人気があるらしく、周りの人達はカップルだらけであった。

 

「ふぅ、やっぱりここは落ち着くなぁ」

 

「そうね。お店の雰囲気もいいし、店員さんもとっても優しいから」

 

二人はいつものコーヒーとケーキを注文し、雑談に花を咲かせていた。

 

「やっぱりここのケーキは美味いな。甘さも丁度いいよ」

 

「うん、そうね…」

 

「梨子?どうかしたか?」

 

「…ねぇ海藤くん。私のケーキ…一口どうかな?」

 

梨子は小さく切ったケーキが刺さっているフォークを差し出してきた。

 

「ああ、ありがとう!」

 

「どういたしまして…」

 

そのケーキの味は格別だった。これは俺もお返ししないといけないな。

 

「はい、今度は俺のをあげるよ」

 

「え?いいの?」

 

「当たり前だろ。ほら、口開けて」

 

「あ、あーん///」

 

「どう?美味しい?」

 

「うん、とても美味しい///」

 

「ならよかった」

 

そんな龍吾と梨子の様子を別の席から千歌達が見つめていた。

 

「ま…鞠莉ちゃん…今の見た…?」

 

「見ました!ホントにびっくりデース!」

 

「リリー…貴女に何があったというの…?こんなこと信じられないわ…」

 

「それよりもこのケーキ美味しい!」

 

千歌達は梨子の調子がいつもと違うことに驚いていた。普段は大人しく、引っ込み思案な梨子が龍吾の前だとこんなに積極的になっていることだ。

 

「リュウ…貴方にはいったいどんな魔力が眠っているというの?」

 

「魔力より魅力デース!」

 

「なるほど!」

 

善子は二人の様子を見ようと席から身を乗り出した。そこで彼女は気づいた。女子トークに夢中になっているうちにいつの間にか二人が移動していたということに。

 

「…ってあの二人どこ行った!?」

 

「あれ?いなくなってる!」

 

「これはすぐに移動しなくちゃいけないわね。曜!行くわよ!」

 

「わ、私がまだ食べてる途中でしょうがぁ!」

 

「どこの国からよ!てか使い方が何か違うし!早く行くわよ!」

 

「い、伊豆の国から…」

 

「ちかっち、あの二人が行きそうな場所とかわかるかしら?」

 

「うーん…もしかしたらあそこかも!行こ!」

 

千歌達は会計を済ませ、二人を追うために移動を開始した。

 

──────────────────────

 

二人は私達の予想通りの場所にいた。そこはピアノ系の楽器を主に取り扱っている楽器屋でした。

 

「やっぱりここだったか!」

 

「すごいわねちかっち!どうして二人がここにいるってわかったの?」

 

「梨子ちゃんは前から新しいピアノの譜面とか欲しがってたからもしかしたらって思ったけど正解だったみたいだね!」

 

千歌達の目線の先では二人がピアノの譜面を色々と探していた。

 

「そういえば海藤くんは楽器弾けたりするの?」

 

「エレクトーンなら2年くらい習ってたから少しだけ弾けるよ。やってたのはだいぶ昔だけどね」

 

「ほんとに?だったら二人で一緒に弾けたら嬉しいなぁ…」

 

「そうだな。時間があったらまた挑戦してみるよ」

 

会話をしながら楽しそうに笑う二人は心の底からデートを楽しんでいるように見えた。

 

「やっぱり楽しそうだね。あの二人」

 

「そうね。暇だったからこっそりついてきちゃったけど邪魔したらあの二人に悪いしそろそろ帰りましょうか。このあとは4人でどこか別の場所に行きましょ!」

 

「鞠莉ちゃんの意見に賛成!善子ちゃんも帰ろ!」

 

「仕方ないわね。リトルデーモンリリー、リュウと二人で幸せな時間を過ごすといいわ」

 

遠くから二人の様子を見守ってあげようと思ってたけど余計なお世話だったみたいだね。私達はまた改めて出直すことにしようと思います!ふっ…高海千歌はクールに去るぜ…

 

「あれ?そこにいるのは千歌に曜じゃないか!こんなところで何してるんだ?」

 

「鞠莉さんによっちゃんも!」

 

「り…梨子ちゃん…来たか…」

 

「来たかって…ここには楽器屋しかないんだよ?千歌ちゃん達が興味あるような物はここにはないよ?」

 

「えっと…それは…」

 

「千歌ちゃん、私に任せて!」

 

私や鞠莉ちゃんが返答に困っていると曜ちゃんが救いの手を差し伸べてくれた。

 

「ふっふっふっ。みんな、一つだけとっておきの策があるよ。それは…」

 

「そ、それは…」

 

「…みんな!逃げるんだよォ!」

 

私達は曜ちゃんの合図とともに一目散に走り出した。後日、あとをつけてたことが龍ちゃんにバレて、みんな仲良く説教されたのはまた別の話。

 

──────────────────────

 

「今のはなんだったんだ?」

 

「さ、さぁ?」

 

「まぁとりあえず移動しようぜ。梨子はどこか行きたい場所あるか?」

 

千歌達が嵐のように走り去ったあと、取り残された龍吾と梨子は次の目的地への移動を開始した。

 

「私は…海藤くんの家に行きたいかな///」

 

「俺の家?」

 

「久しぶりに海藤くんの手料理を食べてみたいかな」

 

「俺は構わないけど本当にいいのか?外食とかそっちの方がいいと思うんだけど」

 

料理は一応こなせるけどそこまで上手くじゃないし梨子の方が上手な気がする。てか俺は梨子の料理の方が食べたいけどな。

 

「外食よりもそっちの方がいい…」

 

「そっか、そこまで言うんだったら家で食べるか。梨子も手伝ってくれよ!」

 

「もちろん♪」

 

本来はもう少し外でのデートを楽しむ予定だったが、食事の予定が変わったことにより本来より早く帰宅の準備を始めた。

 

「今日はありがとな。俺をデートに誘ってくれて」

 

「どういたしまして!私もすっごく楽しかったよ!」

 

「まぁまだデートは終わってないからな………これからは家で二人っきりになれるんだぜ?」

 

龍吾は梨子の耳元で静かに囁く。

 

「ひゃっ!もう…海藤くんったら…」

 

「悪かったって。そろそろ家着くぞ」

 

太陽も沈んで辺りが暗くなった頃。俺達は二人以外誰もいない家に帰ってきた。

 

「お邪魔しまーす…」

 

「俺達以外誰もいないんだから遠慮なんかしなくてもいいぞ。荷物は空いてる部屋に置いといていいからね」

 

「わかりました!」

 

「俺は料理の準備でもしてくるよ。落ち着いたら手伝ってくれよ」

 

「大丈夫。今すぐにでも始められるよ!」

 

「おお、それは頼もしいな」

 

俺の隣に梨子が立って二人仲良くキッチンで調理を始める。そんな俺達の様子はなんだか…

 

「夫婦みたいだな」

 

「えっ!?」

 

「ほら、こうやって二人で並んで料理してるなんて夫婦みたいで素敵じゃないか?俺達もいつか仲のいい夫婦になれるといいな!」

 

「うん。そうだね…///」

 

龍吾は何事もなかったかのように調理を再開するが、梨子の胸中は穏やかではなかった。

 

(な、なんでこの人はこんなに恥ずかしいことを堂々と言えるの~?それとも私が控えめすぎるだけ?)

 

「ん?手止まってるよ。どうかしたのか?」

 

「な、何でもないよ!」

 

「そっか。ならいい」

 

梨子は彼を見ていて気がついた。それは高校生離れした安定感的なものだった。それは彼のように酸いも甘いも噛み分けてきた人だからこそ持てる心の落ち着きなのかもしれない。

 

(このまま控えめにやってたらいつまでも海藤くんに弄ばれちゃう感じがする…私もこれからもっと頑張らなくっちゃ!)

 

梨子は心の中で密かに決心を固めるのであった。

 

──────────────────────

 

夕食とあと片付けを終わらせた俺達は二人っきりの時間をゆっくりと過ごしていた。

 

「もうクリスマスってことは今年もそろそろ終わっちまうのか…」

 

「ほんとに早かったね。そして色々なことがあったよ」

 

今年もあと一週間で終わりを迎える。今年は楽しい時間はすぐに過ぎ去ってしまうということを改めて実感した一年だった。

 

「そうだったな。二年生になってから千歌達が急にスクールアイドルを始めるとか言い出したり…」

 

「私は音ノ木坂から内浦に転校してきて千歌ちゃんにそのスクールアイドルをやらないかって何度も誘われたりしたしもう一度ピアノを弾くことも出来た」

 

今年一年はとても充実して、あっという間に過ぎていってしまった。本当に色んなことがあったけど一番はやっぱり…

 

「そして梨子。何よりも大切な君に出会えた」

 

「こんなに大好きな海藤くんと一緒になることが出来た…」

 

「こんなどうしようもない俺だけどいつも見守ってくれて本当に感謝しているよ」

 

「私も…いつも海藤くんには支えてもらってばかりで…もう私には海藤くんがいないとダメだってことは日々実感しています…」

 

付き合ってから少しずつ二人の関係を深めていくうちに俺達はいつの間にかお互いになくてはならない存在になっていた。

 

「梨子、少し早いけど今年一年本当にありがとう!こんな俺だけど来年も再来年も一緒にいてくれたら嬉しいよ…」

 

「来年や再来年だけじゃない。私はこれからもずっと海藤くんと一緒に歩んでいきたいと思ってるよ」

 

自然と縮まった二人の距離は互いの吐息が聞こえるほど近くなっていた。

 

「梨子…愛してるよ…」

 

「私も海藤くんが大好き!」

 

そのまま二人は唇を重ねる。お互いが抱いている愛の全てを直接送り込むように。

 

「んっ………ふっ…」

 

「んんっ………ちゅっ…」

 

しばらくの間お互いの唇の感触をゆっくりと堪能し、そして静かに口を離した。

 

「はぁ…」

 

「そうだ!梨子へのプレゼントを渡すのを忘れてたよ。受け取ってくれるかな…?」

 

龍吾が梨子に渡した物は梨子の誕生石であるサファイアが埋め込まれたネックレスだった。

 

「すっごく綺麗…ありがとう!」

 

「喜んでもらえて嬉しいよ!」

 

「私からはこれだよ」

 

梨子が鞄から取り出して俺に渡してきた物は真っ赤なマフラーだった。

 

「手作りするの初めてだったからあんまり上手に出来なかったけど…どうかな?」

 

「ありがとう!早速つけてみるよ…」

 

俺は梨子から受け取ったマフラーを首に巻いてみる。しかし…

 

「あれ?なんか長くないか?」

 

「そのマフラーは…こうやって使うの///」

 

梨子はマフラーの余った部分に自分の首を突っ込んできた。これは…世間一般でいう恋人マフラーっていうやつかな…?

 

「あったかいね♪」

 

「…うん///」

 

正直暑いぐらいだ。それでも彼女と一緒に使っているからかな?なんだか心地いい気分がする。

 

「はぁ…今日はたくさん歩いたから疲れちゃったよ。早くお風呂入って寝よっか♪」

 

「まだ寝ちゃだめだよ…」

 

「へ?ええっ!」

 

龍吾は梨子をソファに押し倒し、さっきのように耳元で囁いた。

 

「二人の時間は…まだまだ終わらせないからな…」

 

「ふぇ!?は…はい…」

 

 

結局この日は夜が明けるまでお互いを求め合った。そしてこの日を境に二人は千歌達が呆れるほどのバカップルになっていくのであった。

 

 

To be contenuid…

 




私は来年こそ非リア脱却を目指そうと思います。読者の中の恋人がいる方はこの聖なる夜を楽しみやがれください。

それではまた。
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