桜色の君と過ごす日常   作:大天使

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最近キャラが掴めなくなってきました。もうちょっと上手く書けるようになりたいですね。



7話 二人の本心

龍吾は果南との話を終えて彼女と別れた後、梨子の家へ向かうために海沿いの道を全力で駆け抜けていた。途中で突然の大雨が降り出したがそんなことはお構いなしだった。

 

(俺はなんてことをしてしまったんだ…梨子の彼氏でありながらあいつのことを少しもわかってなかった。そんなんで梨子の全てを知ってるように思ってたさっきまでの自分を殴りてぇ…)

 

こんな時期に風邪を引いたら確実に試合に影響がでる。そのことを龍吾はわかっていたが、彼がその足を止めることは無い。

 

「くそっ…一分一秒でも早く着きたいってのによぉ…さっきよりも雨が強くなってるじゃねぇか!」

 

少しでも早く彼女の元へ行きたい。そんな彼のことを嘲笑うかのように雨はさらに強くなっていく。冷たい雨が龍吾の体温をどんどん奪っていくのがわかる。やがて体力も尽きたのか龍吾はその場に崩れ落ちてしまった。

 

「ははは、もう限界かよ…本当に情けねぇなぁ俺は…このままじゃ風邪引くのも時間の問題だしよぉ………もう辞めるか…?」

 

諦めかけた…そんな時、龍吾の脳裏に1人の幼なじみの姿が浮かんできた。

 

『辞めない!この先何があっても私はもう絶対に諦めない!』

 

「何があっても絶対に諦めない…か………そうだ…そうだったよな!」

 

龍吾は再び立ち上がると軽く服の汚れを落としてからまた走り出した。

 

「待ってろよ梨子!すぐに行く!」

 

─────────────────────

 

「はぁ…はぁ…やっと着いた…」

 

果南の家から15分ほど走り、龍吾は梨子の家にたどり着いた。そしてすぐにインターフォンを鳴らす。するとしばらくしてからドタドタと廊下を急ぎ目に歩いてくる音が聞こえてきた。

 

「すみません!お待たせしました…って海藤くん!?こんな時間にどうしたの?それに服もびしょびしょになってるよ!?」

 

「お前に会いに来たんだ…」

 

「えっ?」

 

梨子はすごく驚いたという表情を浮かべているが龍吾は気にせずに話を続ける。

 

「梨子…お前の本当の気持ちが聞きたいんだ。遅くなったが話がしたい…」

 

「海藤くん…」

 

「わかった。それに私も海藤くんとお話がしたいって思ってたんだぁ…」

 

「そっか、よかった…」

 

「でも!その前にお風呂入ってきなさい!体冷えてるでしょうし大切な試合が近いんだから風邪でも引いたら大変でしょ?」

 

梨子は龍吾の顔を見て少し微笑んだが、すぐに頬を膨らませ少し厳しめに言った。

 

「はは…そうさせてもらうよ」

 

─────────────────────

 

「風呂貸してくれてありがとな」

 

「どういたしまして。それと…これ飲んで温まってね♪」

 

「ん、さんきゅ」

 

風呂を借りて冷えた体を暖め、梨子の部屋に行くと梨子は熱いコーヒーを手渡してくれた。

 

「はぁ…生き返ったよ。ありがとな!」

 

「うん…」

 

梨子から受け取ったコーヒーを飲んで一息つく。彼は本来の目的を忘れてなどいない。

 

「さて………俺達はこれからどうするか?」

 

「どうするかって…え?」

 

「あ、いや別れ話じゃないから!」

 

「そ、そう…よかった…」

 

「俺達は最近少し距離を置くようにしていたけど本当にそれでよかったのか話したいんだ」

 

龍吾は未だかつて無いほどに真剣な表情をしていた。

 

「梨子はさ、俺に気を使ってくれているけどそんな必要はない。自分に嘘をつかずに話してくれ」

 

「私は…やっぱり会わない方がいいと思うな。海藤くんの邪魔になっちゃうし私も忙しくなっちゃうからね」

 

梨子の意見は前に話した時と変わらなかった。

 

「それが梨子の本心か?」

 

「うん」

 

「嘘。いくら俺でもそんなに簡単な嘘には騙されないよ。さっきも言ったけどさ、俺は君の本心が聞きたいんだ。俺のことは気にしなくていいから思ってることを正直に言ってくれ」

 

「…ッ!そばにいたい…」

 

「えっ?」

 

「私は…ずっと海藤くんのそばにいたい!出来ることなら少しも離れたくない!だけどそれじゃ海藤くんの迷惑になるかもしれないって思ってぇ…!」

 

梨子は涙を流しながら俺に本音を吐き出してくる。やっと聞けた梨子の本心。今回の件はここまで彼女を我慢させてしまった自分に責任があるな。

 

「梨子…済まなかった…」

 

「ううん!私がちゃんと自分の気持ちを言わなかったからダメだったの!謝るのは私の方だよ!」

 

龍吾は梨子を抱き寄せ頭を撫でる。さっきよりも梨子は落ち着きを取り戻してきていた。

 

「梨子は自分が俺の邪魔になるって言ったよな?それは絶対に違う!邪魔になんかなるはずがない!」

 

「そうだったんだね…よかった…私の早とちりだったみたで」

 

とりあえず問題は解決した。だけど俺にはもう一つ言いたいことがあった。

 

「それともう一つ、梨子にお願いがあるんだ。聞いてくれるか?」

 

「お願い…?」

 

「もっと自分に自信を持ってくれ!それが俺からのお願いだ!梨子は出会ったばかりのことから自分のことを卑下していただろ?俺はそれが嫌だった!」

 

梨子は自分に自信が持てないでいた。出会った頃から自分のことを地味だと言い続けている。普通に見ても梨子は美人の部類に入り、性格もいい。そんな梨子が自分のことを卑下し続けていたことが少し許せなかった。

 

「うん…約束する!もう自分を卑下したりしない!自信が持てるように頑張るよ!」

 

「今日うちに泊まって行かない?お父さんとお母さんは留守だし1人じゃちょっと寂しくて…それに久しぶりに2人っきりで過ごしたい…」

 

「もう遅いしそうさせてもらおうかな?うちも今日は誰もいないし帰っても誰もいないし」

 

「それでね…今日は2人で一緒に寝たいなって…ちょっと肌寒いし…だめかな?」

 

優しい微笑みを梨子に向けながら答えた。

 

「ダメなわけないだろ。俺だって久しぶりに梨子と一緒に…」

 

その日の夜、身を寄せあって幸せそうに眠る龍吾と梨子の姿があった。

 

──────────────────────

 

その翌日。浦の星学院の体育館でいつも以上に集中力を高めてプレーをしている龍吾がいた。龍吾は相手のディフェンスを一瞬で抜き去り、空中でもブロックを狙ってきた相手を上手く交わしてシュートを決めた。

 

「よっしゃあ!」

 

「龍吾、ナイスプレーだ!」

 

「海藤さん!調子戻ったんですね!」

 

「ああ!心配かけて済まなかったな!」

 

コートで好プレーを見せる龍吾を石崎も満足そうな目で見つめていた。

 

「ふふ…どうやら吹っ切れたようですね。あのまま雑念を抱えたままでいられても困りますが…」

 

屋上で練習中の梨子もそうだ。昨日までの迷いは完全に無くなり、すっかり元の梨子に戻っていた。

 

「梨子ちゃん、もう大丈夫なの?」

 

「うん!ラブライブで最高の成績を残すまで立ち止まってなんかいられないからね!」

 

そんな梨子のことを果南が離れた場所から見守っている。

 

(龍吾と梨子ちゃんは上手く話せたみたいだね。梨子ちゃんも元通りになって龍吾の調子を取り戻したみたい。私も自分の役割をちゃーんと果たせたのかな?)

 

インターハイ出場とラブライブ予選突破。龍吾と梨子はお互いの目標へ向かって走り続ける。その先に最高の結果が待っているのだから。

 




それではまた。
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