序章:温もりを忘れた青年が提督になるまで   作:影乃と月ノ神

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さあさあ2週間ペース投稿が板に付いてきてしまいましたよ毎度お待たせして申し訳ないです!今回は妙に内容厚めなので、暖かいものでも飲みがてらご覧になってください。





32:決着

 

 

 星ばかりが輝く新月の夜。さざ波と風の音しか届かないはずの海辺の学校に、今宵は無骨で粗暴な荒々しい砲の音が轟いていた。()()()警戒網を敷いているはずの近海に現れた深海棲艦が、網を掻い潜って無謀にも上陸を試みようとしている、との事だ。深海棲艦との戦闘は通常かなり激しいものとなる、それが下等の個体であれ、こちらもそれなりに強力な兵器を用いて戦うのだ、全弾命中の保証でも無い限り市街地での戦闘は出来ない。だから、是が非でも海岸にたどり着く前に寄るものは全て殲滅しなくてはならないのだが、とんだ索敵不足に不用心だ。陸に上げていないだけまだマシなのだろうが、近海はロクな戦力が配備されていない、数で押されでもしたらそのまま雪崩れ込まれる事だってあり得る。しかも、そんな万が一の事が起こるかもしれない状況なのに、近隣住民への避難勧告は出ていないときたものだ。

 

「まあ、雑魚相手に一々避難させてりゃビビってると思われても仕方ねえもんな。こんな夜更けに叩き起こされたら俺だって堪らないし、大事にせずに収めたいって気持ちもわかるけどよ。」

 

 雑魚相手に遅れをとるような戦力を配備してはいまいが、不慮の出来事に備えようともしないその姿勢は、我が主家の組織とは言え呆れたものだ。今の元帥に期待を寄せはしているが、周りが頭の錆びた老骨ばかりでは、代替わりしたところで大した意味もなかろう。

 

「ま、どうせミスったところで幾らでも誤魔化せるし、第一他に代わりはいない。バッシング食らったって痛くもねんだろな。」

 

 臣下のせがれにしては随分と不敬な物言いの柘榴は、そんな事を呟きながら、海上で閃く砲火を眺めていた。演舞じみた艦娘同士の公開演習とやらは、小さい頃から何度か目にしていたが、実際の戦闘を目の当たりにしたのは初めてだった。目の当たり、とは言っても探照灯の灯りがチョロチョロ動き回っている中で、時折紅い火線が黒い海の上を通り過ぎるのを眺めているのみだったのだが、不思議と彼女らの息遣いが聞こえてくるようだった。

 

 どれだけそうしていただろうか、一向に沈められる気配のない敵を相手にただちょこまかと動いているだけの様子を見ているのに我慢ならず、その場から立ち去ろうとしたその時。突如として紅い彗星が海から飛んできたかと思うと、盛大な破砕音を響かせて近くの建物を破壊した。

 

「な、なんだなんだなんだってんだよ…俺に気付いたか?チッ、仕方ない大人しく引き上げるか。」

 

 けど、その時柘榴は周辺の空気が異様な臭気に侵されているのに気付いた。塩の香りと呼ばれる臭いの、不快な部分だけを濃縮したような、大量の魚を一度に掻っ捌いたような、そんな若干鉄の混じったような生臭い臭いが充満していた。

 

「うっ、くさ…なんだこの臭い。」

 

 鼻を押さえてすぐその場から逃げようと、海に背を向けて駆け出そうとしたその時、いつの間にか来た道の真ん中に大きな壁が形成されていた。軽く事故を起こしたクルマのようにボコボコしているかと思えば、嫌に星明かりに照らされてテカテカとしている。生臭い臭いの元は、コレだろう。どこから持って来たかはわからないが、海藻がへばりついている。

 

「マジかよ…流石にこの距離で()()を見たのは初めてだぞ…」

 

 大きくて全貌がすぐにわからなかったが、あれは壁などではなかった。何せ、焼いた魚のような球体が二つ、蛍火のような淡い光を放ちながら、こちらを睨みつけていたのだから。

 

 怪物が動くのと、柘榴が後ろに引くのはほぼ同時だった。忍ばせておいた煙玉を投げ、無鉄砲に突っ込んでくる怪物との間に煙幕を張り、こちらを見失うように仕向ける。頭でっかちな割に、見た目以下の知性しかないらしい怪物は、それだけで進むべき方向を失って立ち往生した。その隙に怪物の死角に潜り込むのだが、生憎今夜は海風が強い。すぐに煙の壁が掻き消えてしまったことで、怪物の視野から逃れきれなかった。逃げようとするこちらの姿を捉えた怪物は、すぐに何が詰まっているかわからないトンカチ頭を振り回し攻撃してくる。象とどっこいどっこいの巨躯を持つくせに想像よりはるかに機敏で、咄嗟に伏せていなければ危うく全身の骨を砕かれるところだった。

 

「なるほど、人間じゃ仕留められないわけだ…ならどうせ、俺が何しても無駄なんだろ…!」

 

 怪物が体制を立て直そうとする間に、サッカーボール程ありそうな巨大な眼球(弱点)にクナイを投げつける。どれもが正確に的をとらえたはずなのだが、しかし眼球に当たったクナイは全て澄んだ金属音を鳴らして弾かれるばかりで、表面に傷一つ付けることさえかなわなかった。魚類のなり損ないのような見た目をしているくせに、目が柔らかいというわけではないらしい。まきびしを撒いても、全てぺしゃんこに潰されるだけで、痛くも痒くもないようだ。

 

 抗う術を持たないと理解した柘榴に、怪物は

 雄叫びを上げながら猛攻を繰り返す。コンクリだろうが鉄板だろうが、人間が作った構造物は怪物を全く阻むことを許されずに破れ、隙を突いて隠れようにも、手当たり次第に周囲を破壊して炙り出されてしまう。逃げたところで、速度はあちらの方が優れている上に、こんなのを街の中心地に引っ張っていくことなどできるはずがない。柘榴にできるのは、ただ耐えて艦娘の到着を待つのみである。

 

 しかしそれも長くは続かなかった、でたらめに頭突きを繰り返されたアスファルトが砕け始めて足場がどんどん削られ、その場凌ぎの煙玉ももう手持ちが無くなった。弱点を探して斬りつけてみたが、口蓋周りの皮でさえ刃を通さない堅牢さときている。信号弾でもあれば良かったが、生憎そんな物に頼るような日常は送っていない。

 

 応援が来ないことに焦燥を覚え始めると、だんだんと判断力が狂ってきてしまった。怪物の動きを見切って動いたはずが、足場の悪さを考慮せずに失敗、ついに巨大な鉄塊が左半身を捉え吹っ飛ばされてしまう。

 

「ったぁ…まずいな、これ……」

 

 幸い足は折れていないようだったが、起き上がろうとすると左肩に鋭い痛みが走り、腰に違和感を感じた。もうこれ以上逃げられないとすぐにわかった。次また突進されたら、為すすべもなくアスファルトに染みを作るだろう。

 

 一方怪物は、こちらがこれ以上抵抗できないのを理解したらしい。動けないのを嘲笑うかのように、猛進せずゆっくりと歩み寄ってきた。表情なんて作れないだろうに、歯式のめちゃくちゃな口が、なんだか笑っているように見えた。何に対する喜びかなんて知らないし、知りたくもないが、勝ち誇られるのは腹が立つ。すぐに殺されないと知った柘榴は、最後っ屁として懐から取り出した筒に手早く火をつけて怪物の口の中に放り込んだ。万が一の時に、せめて相手を道連れにするためのダイナマイトだ。それも絶対に対象を仕留めることを第一に考え威力は折り紙付きだ。怪物の口が塞がっていても、この至近距離だ。五体満足どころか、棺に納める体が残るかも怪しい。この程度では怪物を殺せないと知っている以上、全然対価が釣り合っていないのがなんとも泣けてくるが、まあ仕方ない。所詮人間一人ではこんな雑魚一匹狩れないのだ。

 

 口に入れられたのがダイナマイトとも知らない怪物は、戦意を失った柘榴に巨大な鉄塊を叩き落とさんと、首を持ち上げる。爆風に巻き込まれて死ぬのが先か、骨の髄まで粉砕されて死ぬのが先か、死ぬとわかると嫌に冷静になった。走馬灯と言うのだろう、今まで作ってきたこの世に対する未練が、一斉に頭の中に思い浮かぶ。その中でも、あの憎たらしい能面が絶望で歪むのを拝めないのが今一番の心残りだった。

 

「……死にたくねえよ。」

 

 醜くも人間として当然の願望を口に出して、最後の最後の悪あがきをする。爆心からより遠く、少しでも壊される部分を減らそうと役に立たなくなった部位も総動員して逃がれようとした。今まで、こんなにも現実を嘘だと思い込みたかった時はないだろう、敵わぬ理不尽を目の前にして、誰の手も差し伸べられないまま、不完全燃焼も甚だしい莫大な野心を灯したまま、雑兵と変わらぬ最後を迎えることが、嫌で嫌でたまらなかった。助かるのなら、どんな形だって構わないと本気で思った。祈ったことの無い神に対し救済を本気で願った。

 

 そんなみっともない汚れきった願望が聞き届けられてしまったのだろう、空から真紅の光が槍のごとく怪物を貫いたのを見た瞬間は、我ながら憎まれっ子は世に憚るものなのだと思った。

 

 禍々しい紅の稲妻に撃たれた深海棲艦は、まるで元から二つに分かれていたかのように、ゴロリとその頭を落とし、泥のような真っ黒い血をぶち撒けて呆気なく絶命した。そして、裂け目の中から先程放り込んだ筒が勢いよく中から飛び出したかと思うと、火輪に巻き込まれずに済むギリギリの距離で爆ぜた。爆風で木の葉のように飛ばされたが、それでも痣が増える程度だった。神の悪戯か何かか、こんな輝くことを産まれた瞬間に否定された人間を助けようなんて酔狂な奴がどんなのかを見ようとして、火光に焼かれて霞む目を開く。

 

 いたのは、悪魔だった。怪物の重油臭い血を全身に浴びて闇夜に溶け込むほど真っ黒になりながらも、輝きを失うことの無い血赤色の片目で己が存在を知らしめるそれは、人の形をしていながらも、既に人間を捨てた何かであることが容易にわかった。その悪魔は、邪気に侵された眼光でこちらを一瞥すると、嫌という程聞き覚えのある声で、こちらの安否を問うてきた。

 

「既に大事塗れなようなのでこう問います。生きてますか?」

「お前、紫か……」

「まだ死にはしないようですね、なら立てますか?ここは危険です、早く逃げてください。もう既に何隻か侵入してきている。」

 

 そこで爆音を近くで聞いたばかりにキーンとしていた耳の痛みが薄れ、付近から度々砲の音が聞こえるようになった。侵入したのは、先程悪魔に仕留められた個体だけでは無かったらしい。痛む全身に鞭打って起きると、地面が微かに揺れた。なるほど、油を売る余裕もなさそうだ。

 

「時間ねえけど…聞かせろ……なんで助けた」

「聞こえの良い虚言で固められた平等主義は嫌いですか?」

「聞いた俺が馬鹿だった…」

「そういう事です。逃げるなら、途中寮に寄って逃げ遅れた生徒がいないか確かめてきてください。」

「怪我人使いが荒いな…」

「足が動いて、口がきけるならまだまだ利用できる余力があるというもの。早く行ってください、ここは僕が片付けます。」

 

 そう宣言した紫は、人間業とは思えない跳躍を見せて、その場からすぐに消えた。言われた通りに寮に向かう途中、何度も何度も金切り声のような断末魔が聞こえてきたが、その中に、風に混じって誰かの泣き声が聞こえてのは、きっと気のせいだろう。悪魔は泣かないのだから。

 

 

 

 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 

 夜が明け、士官学校はいつもの平穏を取り戻した。いや、無理に平穏を貫いたと言う方が正しいか。それでも、その強引さをほとんどの者があっさりと受け入れた程度には、昨夜の事件は大した問題では無かった。話によれば、空になっていた倉庫数棟が損傷を受けただけで、大袈裟に取り沙汰する程の被害は出なかったとのことだ。面倒なことと言えば、討たれた深海棲艦の骸と、その体液の処分くらい。かなりの地形破壊が行われたものだとばかり思っていた柘榴は、狐につままれたような気がした。

 

 砲火が止むまで延々避難を促し続けた柘榴は、その後すぐ病院に運ばれたのだが、負傷した箇所が余計に悪化しており、少しの間寝たきりの状態が続くと診断された。リハビリもある程度必要になるらしい。理不尽と相見えた結果とは言え、もとは考えなしの行動が蒔いた種、穴があったら蓋まで用意して閉じこもりたいところだ。

 

 気晴らしに点けたテレビは、丁度昨晩の事件のことで元帥自ら会見を行い頭を下げるシーンが流れていた。どうも、今回の騒動を警備に穴があったとしてそれを原因とするつもりらしいが、実際にあの場にいた柘榴は、そんな単純なことでは無いと薄々感づいていた。穴があったとして、大本営のお膝元がそう簡単に深海棲艦の上陸を許すはずがないからだ。許したからにはそれなりの理由があるのだろうが、ベッドの上ではそれを知ることもできない。身内でも情報を掴めていないあたり、本当に穴があってそこをたまたま突破されただけなのか、それとも縁家当主にでさえ秘匿されるような事情あったのか…何はともあれ、ニュースではそれ以上深掘りされずに新しい話題に変わった。元帥が頭を下げるというかなり衝撃的な内容だったにも関わらずそれが追及されないのは、被害の小ささ故だろう。負傷者1名という数字に形容し難い苛立ちがこみ上げてくるのだったが、蒔いた種なのでそのまま口を噤んでいる他はなかった。本当はもう一人柘榴以上の傷を負った奴が戦場で発見されていたのだが、午後にはピンピンしていたということでカウントされなかったのだろう。

 

 それから少しして、柘榴が松葉杖をつきながらも学校に復帰した頃、急に元帥がやって来て柘榴と紫の両名の表彰が行われた。軍の失態を認めることも恐れない妙な式は、柘榴の心をざわめかせた。キラキラとした場に立つのに慣れていないというのもあるが、何だか最初からこの場に立たされる運命にあったような、自分で言ってなんだが、意図せず誰かに担ぎ上げられたような気分だったのだ。まあ、その誰かは能面の目を見ればすぐわかった。

 

 

 

 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 

 松葉杖から解放されて、皆があの出来事を忘れた日の放課後、柘榴は紫の背中を見つけた。黒条ともう一人のコバンザメを伴わず一人寮に向かう彼を、柘榴は呼び止めた。

 

「待てよ。」

 

 けれど、呼びかけに答えようとせず、彼は黙々と歩みを進めていた。反応を望んだにも関わらず無視されるのは幼い頃より大の嫌いだったため、それにカッとして嫌でも聞こえるように名を呼びながら歩を早めて接近する。そして、手を伸ばせばすぐに届く距離になって、ようやく紫はこちらを振り返った。しかし振り向くや否や、いつの間にか手にしていた弓に鏃の無い矢をつがえて、こちらに狙いを定める。

 

「何だよ、脅しのつもりか?お前、弓なんて使えたんだな。」

「……」

 

 若干眼光が鋭くなったのを感じて、一歩下がると、彼はそれで良いと言わんばかりに、こちらの足元目掛けて矢を放ち、地を穿った。

 

「今夜、その場所で待ちます。」

 

 それだけ言い残して、再び紫は歩き始めた。わけがわからないまま足元の矢を見ると、文が結びつけてあった。自分のよく用いるものとは結び目が逆になっているそれを外し、中を見る。

 

「……全部知ってる風じゃねえか、気持ち悪い。」

 

 文をグシャリと握り潰して丸めてポケットに突っ込み(風に流して捨てたかったが拾われていいものでも無かった)、仕込みの為にその場所へ向かった。

 

 

 

 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 

 月明かりの下、他に起きて活動する者がほとんどいない真夜中の林の中、二人の人影が対峙していた。一方は主張の激しくない私服を着てそれに似合わない無骨で長い刀を帯び、そしてもう一方はそれこそ影法師が立って歩いているかのような、闇と同化するための黒い布に身を包んでいた。

 

「薄々気づいてはいましたが、まさかこの世にまだ『忍者』がいるとは思いませんでしたよ。」

「果たし状を受け取ったんだ、それなりの礼儀は尽くすもんだろ。」

「なら私服で来たことを詫びましょう。しかし、妙な趣味を持っていますね。」

「趣味?なわけないだろ、代々こういう家系なんだよ。」

「人と戦う必要のない今の世に、そんなものは不要だと思いますが。」

「それ本気で言ってんのか?まあいい、なら聞かせてやるよ。」

 

 口元を覆う布を緩めた柘榴は、不敵にもその場に座って話を始めた。一方の紫も、それにならって臨戦態勢を解く。

 

(えにし)家は、海鎮家が今の海軍の前身を創った際に、その補佐をするために作られた家。今でこそ、その役割は終わったけど、ポッと出の名もない男が日本をまとめ上げるには、当然裏で()()をする人間が必要だった。」

「成る程、嫌にすんなりと現海軍が受け入れられたわけです。」

「ああそうだ、邪魔な奴はとことん闇に葬られた。けど、そうなれば当然軋轢を抱えたまま進むことになる、外聞も悪いしな。だからその後処理も任されたらしいぜ、徹底的に自然に見せかけられるように、黒い噂が立ちようもないくらいきな臭くなく。そして、いずれ存在がバレないように俺達は敢えて地位を与えられた。無いはずの家の存在が噂されるより、そっちの方が誤魔化しやすいからな。それでもって、俺達の正体は初代の元帥以外誰も知らない。今の元帥だってそうさ。俺達の生い立ちさえ知らずに、いずれ黒条にその椅子が譲られる。」

「そんな絶対の秘密を、何故僕に?」

「俺は家に興味は無い、地位に縋りつくために血生臭いことやってる家なんて、正直必要ないだろ。なんなら親父が死んだ後で代々受け継がれたありがたぁい暗殺帳でも見せてやるよ。まあ、今日死ななかったらな。」

 

 そう締めくくった柘榴は立ち上がって軽い準備運動を始めた。大人しく話を聞いていた紫も、微かに高まった殺気を感じて立ち上がる。

 

「で?俺のことは話した、今度はお前のことを聞かせろよ。なんでまたこんな回りくどいことをするんだ。」

「別に、君の嫌がらせが鬱陶しかったのでやめさせるためですよ。どうせ命を救われたぐらいじゃやめないでしょう?」

「まさかお前、あの事件を…」

「そうです、僕が元帥に頼み込んで引き起こしました。成果を上げ、それを元帥自ら認めさせることで皆が僕を悪く言い辛く、かつ君が手を出しにくい状況を作る。無論、君があの時寮内で寝てても、襲わせて僕が助けるシナリオだって考えてありましたよ。」

「お前、なんも考えてなさそうな顔してやることがエゲツないな。」

「その言葉、そっくりそのまま返しますよ。僕を友達と言って慕ってくれる何の罪も無い人間を、無用に巻き込んで危険に晒した罪は大きい。」

 

 珍しく目元に怒りを宿した紫は、柄に手をかけて臨戦態勢を整える。瞬き以外で外されることのない視線は、痛みを錯覚してしまう程強烈だ。それに気圧されることなく緩めた頭巾を締め直し、こちらも戦闘の準備を終える。

 

「最後に一つ聞いておくぞ。俺の正体に気づいておきながら、なんでこの場所、この時間を選んだ。」

「君こそ、罠が張られているかもしれない場所によくのこのこと来られたものです。」

「化け物を一太刀で殺すような悪魔が、そんな小細工必要無いだろ。」

「悪魔か……予想よりできるようですね、けど安心してください。ご明察の通り小細工はありませんが…力づくでねじ伏せます。」

 

 そう宣言した紫は、血よりも澱んだ禍々しい紅の焔を宿す刀を引き抜いて構えた。刀の出現に呼応するかのように、光る片目を持った悪魔もその姿を現す。対峙してみてハッキリとわかった、あれは深海棲艦より厄介だと。

 

(斬り合いじゃ分が悪い、けど…)

 

 開幕早々に煙幕を展開し、素早く木陰に身を潜めることで、当面の有利は確保できるだろう。しかし、相手がたとえ煙幕の中でも光届かぬ暗闇の中でも、こちらを探知できると知っている以上、そんな悠長なことをしている暇は無い。

 

(一か八か…)

 

 刀を構え応戦の姿勢をとる。それをフェイクと見たか、強がりと見たのかはわからないが、警戒する様子は見受けららない。どう足掻いても、あちらからすればやる事は決まっているのだろう。

 

「……こちらからいくぞ」

「どからでもどうぞ」

 

 最後にそれだけ言葉を交わして、柘榴は紫に強襲した。澄んだ音が、木々に反射し辺りに木霊する。だがその音に耳を傾け余韻に浸っている暇は無い。刀よ砕けと次々と斬撃を繰り出す。

 

「成る程、剣の腕は黒条君と同等か、それ以上と言ったところでしょうか。少し前なら危なかった。」

 

 手数で押しても、喋るのみならずこちらの技量を測る余裕を見せた紫に、腹立たしさを覚えた反面、絶望的な力量の差を知った柘榴は、それでも構わず剣を振るう。一撃一撃に集中し、何度も何度もヒットアンドアウェイを繰り返しながらも寸分たがわず急所を狙い続けた。

 

 どれだけ打ち合っただろうか、自慢の懐刀が折れ、その隙をついた紫の刀をすんでのところで避けて一度距離をとる。少しでも刀の耐久を減らそうと振るったのだが、折れるどころか刃こぼれ一つない様子の相手の刀に、異常を感じた。どうも持ち主のみならず、刀までもが正攻法が通じないらしい。

 

「けど、それでも俺は勝つ…」

 

 上がった息を整えて、飛び道具の用意をする。前に一度防がれてはいたが、それならそれで別のやり方がある。

 

 手裏剣やクナイに混ぜて目潰しを投擲する。正体を知らない紫は案の定それらを全て斬り落とし、目潰しを炸裂させてしまう。

 

「うっ、これは…目潰し?参った、何も見えませんね。おまけに鼻もきかないとは…」

 

 まんまと目潰しを受けた紫に対し、容赦の無い投擲が始まる。音だけに頼る羽目になった紫は急所を優先して守るも、防ぎ損ねた暗器が次々と四肢を斬りつける。流石にこのまま的にされるのは危険だと思ったのだろう、手探りで木の後ろに隠れて暗器が飛んでくるのを防いだ。しかしそれこそ思う壺であり、ここぞとばかりに仕掛けを発動する。すると、今まで静寂に包まれていた林に、突如として数多の鈴の音が鳴り響き、風が奏でる葉擦れの音すら掻き消してしまう程の輪唱を始めた。これで、多少移動してもこちらの場所はわからないだろう。視覚、聴覚、嗅覚を奪い、更には地の利がこちらにある状況。けれど慢心をしないように自分に言い聞かせ、更に勝利に近づくために詰めを始める。枝に次々と飛び移り、混乱する紫に対して多角的な攻撃を仕掛け、罠を張っておいた場所に誘導する。防戦一方の紫は面白いように想定通りの回避を行った。

 

(ここらで仕上げか)

 

 足に幾つもの傷ができた紫に今度は『蜘蛛の糸』を真上から仕掛ける。本物よりもタチが悪い鋼鉄製の細く硬い網は音もなく紫の頭上に忍び寄ると、四肢に絡まり脱出を試みる彼の体を縛り上げた。

 

「敵に理を与えておきながら、事前に小細工が無いか調べておかないなんて、随分舐められたもんだな。」

「いや何、忍者の戦いを見てみたかっただけですよ…ここまで、嵌められるとは思いませんでしたが…」

「悪いが、助けられたからって容赦はしない。曲がりなりにも縁家の人間なんでな、悪く思うな。」

「君ごときに殺せるものなら、今までのこのこ生き長らえたりしません…」

「そうかよ、なら今楽にしてやる…」

 

 腕を封じられ、ロクに足も動かせない紫を蜘蛛の糸で制し斬りかかる。それでもしぶとく避け続けた紫だったが、その悪足掻きもついに終わりを迎えようとしていた。

 

「俺言ったよな……事前に小細工が無いか調べておくものだって。」

「しまった…っ!」

「もう遅い。」

 

 後退りを繰り返す紫の足が、足元に張られていたワイヤーに引っかかると、茂みの中から一本の槍が飛び出した。全身の動きが制限された状態で、前からは振りかざされたクナイが、後ろからは槍が襲いかかってくる、どう考えても避けられるはずがない。目論見通り、槍は紫の背に深く突き刺さった。

 

「ぐっ、あっ…これが君の戦い方か……」

「まさか此の期に及んで卑怯とでも言うか?」

「いえ…ただ、夜の戦いで君に勝てる人間は、そういないだろうなと…」

「そうかよ…せめてもの情けだ、小細工抜きで勝つ宣言しておいてみっともない、なんて言葉は言わないでおいてやる。」

「ふっ…既に言ってるじゃないですか…」

「言葉の綾ってやつじゃねえのか、俺は知らないけどな……それじゃあ今生の別れだ、安らかに眠れ。」

 

 息絶え絶えになった紫の首元にクナイの狙いを定め、確実に息の根を止めるために勢いよく振り下ろす。何度も繰り返したその動きに迷いはなく、刃先が肉を貫けば間違いなく紫は絶命する……はずだった。

 

「ぐあっ…!」

 

 突然苦悶の声を上げたのは、紫では無く、今まさに紫の命を刈りとらんとしていた柘榴の方だった。クナイを振り下ろした瞬間、不意に腕に激痛が走ったのだ。何が起きたかもわからずに慌てて痛みを感じた部位を抑えると、何故かその場所から先の感覚が消え失せていた。麻痺でも起こしたかと思って見てみると、不思議とつい先ほどまであったはずの手が消えている。混乱と恐怖に駆られた動悸の音がガンガン頭の中で響く中、驚くほど冷静な脳は何者かに斬られたのだとすぐに状況を確認した。だが、犯人を探そうにも、見つかったのは落とされた腕の先だけで、今ここに他の人間は存在しない。

 

「なんだなんだなんだってんだよ…誰だ、誰なんだよ!」

 

 鈴の音ばかりがやかましく響く林に、その怒号は僅かな時間しか残らなかった。気配を探ろうにも、仕掛けた鈴のせいでそれすらままならない。

 

(くそ、取り敢えず息の根だけでも…)

 

 そう思って蜘蛛の糸を片手で手繰り寄せようとしたが、何故だか手応えが無い。見ればいつの間にか切り裂かれており、そこには当然紫の姿はない。

 

「まだ動けたのか、けど一体どこに…」

「ふ、ふふっ…目の前に、いるじゃないか…」

 

 木陰の中から思わず身の毛がよだつ微笑が聞こえてきたかと思うと、暗がりの中で黄色い光が瞬いた。およそ自然界では発生しないであろう機械的な黄色、即座に紫のものだとわかった。

 

「俺の目潰しは一度くらえばしばらく目を開けられないはずだけどな。」

「うん、随分効いたよ…まだまだ十分痛いし、涙が出るけど。」

「お前、その口調…」

「そんな些細なことを気にする暇があるなら逃げなよ、でないと…」

 

 言い終わらないうちに、二筋の黄色い軌跡が虚空に描かれたかと思うと、紫は目の前から姿を消した。いや、消えたのではない、何故なら…

 

「五体バラバラになっても知らないよ。」

 

 とても人間の目では追いきれない速度で、後ろに立たれたのだから。

 

 尋常でないほどに跳ね上がった邪気を感じ、再び煙幕を展開して離脱を図るが、まるで未来が見えているような挙動で紫は行く手に立ち塞がる。慌ててクナイを取り出そうにも、腕を失ったことを失念しており、それによって生じた致命的な隙を紫につかれてしまう。鳩尾の辺りに容易ならざる激痛が襲ったかと思うと、今度は背中から後頭部にかけて鈍い痛みが降りかかった。意識が飛びかけ、目がチカチカする。一度でも瞬きをしようものなら、そのまま天に召されるのではと、そう思った。

 

「ふふっ、言っただろ?捩じ伏せるって。今度は僕の番、奥の手があるなら君も逃げてみせなよ。」

 

 危険を示すように黄色い焔を纏った刀が迫ってくる。だが体が言うことを聞かなくなっていて、その警告も意味をなさない。もう間も無く、首を落とされるのだろう、残った四肢も切り落とされ胴体は輪切りか短冊切りか、悪魔のやる事だ、想像もつかないほど常軌を逸した切り方をされるかもしれない。恐怖で気が狂いそうだった。けど、屈することだけは許されないと言う自分が、紫から目を離すことをさせない。

 

 しかし、刀が空を切る音が聞こえてから感じたのは痛みではなく、ドスッと深く突き刺さされた幹の音だった。真横で鈍色の刀が、月明かりを受けて光っていた。それにはもう、禍々しい赤や黄色の焔は宿っていない。

 

「どういうつもりだよ…殺されかけた相手に情けか?」

「いや、今の一撃で君は死んだ。仮に生きていたとして、君は僕に敗北した…違いますか?」

 

 殺気が抜け、口調も平生のそれに戻った紫からは、もう戦闘の意思が無いようだった。それを温いと思う反面、殺されずに済んだことに安堵する。しかし、わけのわからない言葉を口にする紫を目の前にして、緊張の紐は解けなかった。

 

「痛っ…何が言いたいんだよ。」

「君をここで殺すのは勿体無い。このまま生かすのを条件に、僕のために尽くしてはくれませんか?」

「誰が腕を奪った相手に従うかよ…」

「君かて命は惜しいはず。それに、僕に従う以上かならずメリットを君に与えましょう。」

「お前に従って、何の得があるって?」

 

 その問いかけにすぐ答えようとしない紫は、幹に刺さった刀を抜いてそれを鞘に収めると、沈みかけた月を眺め始めた。夜明けにはまだ遠い、けど確実に時は流れていたらしかった。

 

「君を使ってあげます、その力が存分に振るえる環境を整えて。」

「何だよ、そりゃ…」

「いずれわかりますよ。損はさせないと約束しましょう。今は奇貨だと思っていてください。」

「わからないな、自分より弱いのを使うお前の考え方……まあいい、これ以上聞いてやれそうにないから、OK出しておいてやるよ…」

 

 無表情のくせに、よく言えましたと書いてあるように見える紫の顔を見上げた途端、不意に瞼が重くなった。思えば腕を斬り落とされ、その上背と後頭部を強打したのだった。とどめを刺されずとも、結局死ぬのかと酷くがっかりした気分の中、暗く冷たい暗闇に意識は溶けていった。

 

 

 

 ※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 

 よく晴れた日の屋上、昼時になって座学から一時解放された紫達は、いつかのように昼食を食べに来ていた。北風が吹くこともなく、初夏の予兆を感じるそよ風が心地よく肌を撫でる。少々日差しが強くなってきたが、もう少しの間はまだこうして屋外で昼食を摂れるだろう。

 

「まっさかこんなあっさり治るとは思わなかったっすよ。」

「まあ本気で潰しにこられなかったのが幸いしました。」

「その割に、かなり派手にやらかしたけどな。」

 

 若干恨みがましくそう言う黒条は、疲れの色がいつもより濃い。なんでも、元帥である彼の父親に連日こき使われているらしい。曰く、今回の件で増えた分の仕事を全部押し付けられたのだとか。時期元帥も、楽じゃないらしい。

 

「それだけじゃないぞ、反海鎮家の勢力が議会内で力を強めたらしくてな。よくある事だが、よくあっても難しいことに変わりはない、どうにか抑えつけようと躍起になってるところだ。まったく、いい迷惑をかけてくれたな……なあ?柘榴」

 

 紫のすぐ隣でそっぽを向きながら手作りらしい弁当をつついている柘榴を、黒条は横目で睨みつける。いつにも増して剣呑なのは、ただ疲れて人相が悪くなっているだけではないだろう。何せ今回の件の大元の原因は彼であり、自分と黒条を加えた三人のみならず、学校全体を巻き込んでまで騒ぎを起こしたのだ、言いたいことは山程あるだろう。けど、敢えて口にしないのは、一番の被害者である紫が「仲直りしたから許してやれ」と言ったのが大きい。冷たいように見えて、なんだかんだ友達の顔をたてるあたり、やはり良くできた人だなと感じる。

 

「それにしても、紫君が柘榴君を誘ったのはなんかビックリすね。いくら仲直りって言ったって、普通そこまで打ち解けるものっすか?」

「昨日の敵は今日の友、剣を交えれば自ずと分かり合えるものです。」

「嘘つけ、俺のことまるっきり理解しようとしないくせに何言ってんだよ。」

 

 相変わらずマイペースな紫に苦笑しつつ、黒条の顔を見やると、何やら言いたげながらも、仕方ないなという顔をしていた。まあそれは、急に馴れ合えと言われても難しいが、そのうち慣れていくのだと思う。

 

 一人新しい顔が増えたというのに、不思議といつもと対して変わらない昼餐会で、またいつものように幹事役をしながら、売店の菓子パンを頬張る。あの時味わえなかった味は、疲れた頭を甘く優しい香りで癒してくれるのだった。

 

 





32話でした、まさかの忍者ですよ忍者。現代を生きる忍び、浪漫を感じます。
あ、挨拶が遅れました。2週間ぶりですね、どうも影乃です。最近地元はぐっと冷え込みましてね、夜は湯たんぽが欠かせません。皆さまは風邪などひかれていませんか?この時期は喉にきますから、薬用でなくとものど飴を日頃から舐めるのが個人的にオススメです。ノーベル製菓さんの「はちみつきんかんのど飴」が美味しいので是非おためしあれ。

ここ最近真面目にまとまった時間がとれなくて、筆も一向に進みません。しばらくは2週間おきの投稿が続くことを予め断っておくのと、お待たせして本当に申し訳なく思っています。3月を過ぎれば、またいつものように投稿できるのでしょうが、まあ長過ぎますよね(汗)

さて、そろそろ待ちに待ったあのコーナーといきましょう、赤なのに黒、そして普段は全然忍んでない彼ですどうぞ

『縁 柘榴』
読み方:えにし ざくろ

このシリーズあるあるの、漢字自体は知ってるのに読みづらい読み方を採用しているせいでルビがあまり欠かせない、の一人。まあそれだけ気合い入ってることだからご愛嬌ということで

ござるとかニンニンとか言わないけど忍びの家系に生まれた、オツムも優秀な天才肌。ただ嫌いな数字は3以下全てという地味に超プライド高い系男子なので友達は少ない。それに関して言及すると「忍びは友達なんかつくらねえ」とかガラにもない事言い出す可哀想な子なので、そっとしておいてあげるのが吉

(名前については、某○ガトイズで発売されていた球体状の玩具を描く漫画に登場したボスキャラが好きだったから採用、けどもはや誰一人として語る者のいなくなった玩具なので、別に知らなくても良い事)

柘「なんだなんだなんだってんだよ、この適当な紹介…」
紫「たまに聞きますけど、その妙な口癖何なんですか?」
柘「何だっていいだろ、んなしょうもないこと。……で、このちんちくりん誰だよ」
メ「ああ、このコーナーがやらなくなって、その上本編でも長いこと触れられなかった私、なんて不幸なのでしょう。もう悲劇のヒロイン認定です、訴訟です、この物語は私とマスターとの凸凹コンビがいないと成り立たないのにあんまりです。」
紫「今はそっとしておいてやってください。」
メ「あらマスター、お客様ですか?今紅茶を淹れて参りますね。」
柘「あ、ども、お気遣いなく…お前メイドなんて雇ってたのか?」
紫「まさか、AIを搭載したプログラムですよ。」
柘榴「あーつまり機械ってわけか?へぇ、今のカラクリ人形も大したもんだな。運ぶだけじゃなくて茶まで淹れられるようになったのか。」
紫「はい?いやだからこれはコンピュータープログラ…」
メ「お待たせしました、お熱いのでお気をつけてお召し上がりください。」
紫 「!?」
柘榴「あ、じゃあ頂きます…美味いなこれ、母さんが淹れるのより美味い。」
メ「お褒めいただき光栄です。あら、マスターはどうかしましたか?いつも飲まれているものを淹れたのですが…」
紫「嘘だ、メイドさんにZ軸なんてあり得ない…嘘だ嘘、こんなの嘘だああああ!」







紫「はっ、夢か。」
柘「俺の紹介で堂々と茶番やってんじゃねえ!!」

はい、お約束でした。それではまた次回

柘「納得できるかああああ!!」
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