拙い文章ですが読んでくれたら嬉しいです
『やっと落ち着いてくださいましたか?』
「まぁな」
冷静を取り戻し洞窟の壁にへたりこんだ零に向かって謎の声が三たび話しかけた。実際、零が冷静になるまではかなりの時間が要されており、結局、こんな洞窟の中では明るいといっても薄暗い空間に一人でいるより意味不明な存在と話してた方が、心細くないと無理矢理思い込みをしたから冷静になれたのだ
『では現状説明を致しますね。』
「!?……お前この状況が分かるのか?」
零はこの言葉に驚愕した。もしかしてこいつが拉致してきた犯人なのかもしれない。何をされるか分からない不安に零のこめかみから冷や汗がたらりとたれた。
『分かりますとも。それでは……改めて御購入ありがとうございます。』
警戒していた零は今の言葉が理解不能だった。しかしこれでも零は頭の回転は早いのだ。すぐに思い当たる節探して答えを導きだす。
「おい、まさかとは思うがこれはゲームの中なのか?」
つい先程買った、正体不明のゲーム。それが原因だとしたら、と思うとでゾッとする。普段、読んでいるラノベだとこういう展開もあるが実際自分が見舞われると怖いものだ。
『おっと。思い出して頂けましたか?そうですこれは、いえ、この世界は人間を含め全て生物が一種のプレイヤーとして捉えられたゲームです。』
謎の声は、この世界を強調して言った。
「生物?これはゲームなんだろ、なんでそんなのがいるんだ?」
『貴方の発言のせいで話が飛躍しましたね。最初から説明しましょう。質問は受け付けますよ。』
疑問を持ちつつも長くなりそうだなと感じた零は、一度立ち上がり体中に付いた砂埃を払い落とすと近くの岩に腰をおろす。
それを見計らったのか謎の声は零が腰をおろしてからワンテンポ置いて話し始めた。
『まずはこの世界の生い立ちですね。この世界は一柱の神が、地球のゲームや漫画を参考にして創りました。何故だか分りますか?』
「さぁな、それより俺は神がいるってことに驚きだよ」
『嫉妬ですよ。』
嫉妬?とつい零は聞き返してしまう。それに対して謎の声は、はいと短く答えると話の続きを始めた。
『神は人間の作家やゲームの製作者に嫉妬したんです。確かに神は世界を創ることが出来ます。しかし未来を読み取ることが出来なかったのです。いえ、正確には木の枝のように1つの分岐点で多数にわたる未来が展開されているため、どの未来に繋がるか分からないという訳です。自分で細かいところまで設定し順序よく物語を進め、決まった結末へ導くそれがゲームの作者や作家ができて神に出来なかったことでした。そこで神は自分も物語を作ってみようと考えました。人間に決して真似出来ないような壮大なスケールの物語。そしてこの世界が生まれました。』
「成る程ね~。というか嫉妬で世界創っちゃう神様ってある意味すごいな」
『まあ、それは置いておいて次はバグの話をしましょう』
「貘?」
『それは、中国から古くに伝わった夢を食べるやつです。私が言いたいのはゲームのほう』
「あーそっちね」
『そっちです。で、そのバグの話ですけど、この世界では多数発生するのです。やはり神といえど、プログラムではなく、きちんとした意思をもったものを制御するのは難しく自らが考えたendにうまく導けないのです。そこでついつい自分が手を出し物語の強制を行ってしまうのです。これがバグの正体です』
「うーん、いまいちよくわかないんだが例えばどんなことが起きたんだ?」
『そうですね、被害者視点でいうと、記憶のかいざんをされないまま、ずっと一緒だった家族や友達が突然、消えてしまったり、恋人がいきなり疎遠になるとかありますけど、いままでで一番のバグはある出来事がうまくいかなかったせいで大陸が爆誕したことですかね。』
「そいつはやべぇな実際そんなことが起きたら俺は正気じゃいられねぇわ。」
『まぁそうですよね。で、ここまでしてやっと神は気付きました。物語を作るのは作者だが、進行させるのは主人公であり、王道でいえば、神の使いであったり、世界を一つに束ねる者であります。』
「勇者とか?」
『その通り、当時勇者と吟われた人物はバグにより英雄のいなくなった国を建て直し、新しい技術を教え、恋人のいない人を励まし、悪を滅していきました。』
「さすが勇者、完璧じゃん」
『そう完璧にやりました。神から指示された小さいことから、大きいことまで、やがて、勇者に頼りきった人々の醜い争いが起こりました。内容は明白で勇者の存在をどの国に置くかでした。そして人口は激減。元々、神が目指していたendとは大きく違った未来が訪れました。さらに勇者も生物ですいつかは寿命で死亡し、おんぶにだっこだった民は戸惑い生活は苦しくなっていきました。その結果、国が衰退。神は勘違いしていたのです。物語と現実は違いすぎたのです。』
「重いな」
『はい。その後、神は結局この世界の観察者の方へまわりました。そして数百年経ち現在、ゲームの機能を持ち存在する世界の一つである。この世界は再び同じ危機になる可能性があります。』
「勇者がもう一度現れるのか?」
『はい正確には、地球から召喚されます』
「地球?じゃあ俺ってことか」
今までの話を聞く限り、先に昔の出来事を伝えそれを警戒し未然に防ぐことを目的にしたような、そんな話し方だった。だから零は納得したような発言をした、のだが
『いえ、違いますよ』
「は?」
予想外の返答に口を開けた。