爆豪勝己に成ってたんだが以下略   作:大仙

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取り敢えずの馴れ初め編終了。

コメント、評価ありがとうございます。


ちょっと君懐きすぎじゃないですか?

 

 

  主人公……出久君との邂逅を果たしてから数ヵ月。あの日を境として出久君は良くも悪くも(多分)友達が僕一人だけという事実が発覚した。

 

  ぇ、ぇええ何それごめんよ出久君僕と関わったばかりに…。

 

 

 

  園内での僕への認識は大方、"悪ガキ"とか"何か怖い子"だと思う。二人だけじゃなんだからと他の子を誘おうとしたら皆様そそくさと散開したからね。別にいいけどさ。…………別に、どうってことないさ(泣)

 

 

 

  ……まぁ、それはともかくとして。

 

  個性の影響かはたまた雰囲気か目付きの悪さも相俟ってか実質今現在の僕の友達は出久君しかいない。

 

  え?出久君とつるむ前はどうだったって?HAHAHA決まってるだろぼっちでしたがそれが何か。

 

  だがしかし如何せん物語の主人公。厄介事は他人事でいる内が花だ。これから主人公との親睦を深めていくにつれて、どうしても厄介事に巻き込まれる可能性は高くなるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

  熱いバトルシーン?痛いのは嫌いです。

 

 

 

  心踊る友情秘話?精神年齢的に付いていけない。

 

 

 

  敵とのバトル?死ぬ自信しかない。

 

 

 

 

 

  こんな感じで不安要素は尽きることがない。

 

  外側から見ていただけの羨望した物語(世界)は、一歩間違えれば即死の危険溢れる()()だった。血が流れれば死ぬし殴られれば当然痛い。原作の様に、いやそれ以上にと渇望した(俺TUEEEEEE)は諦めた。

 

 僕は一般人だ。平凡だ。僕の代わりは居るだろう。きっとその子が(爆豪勝己)の抜けた穴を埋めてくれる筈だ。

 

 

 

  そう考えても、どうしたってこの世界には修正力がある。それに逆らえるのか。仮にその運命(原作)に抗えたとして、そこから先はどうなるのか?悩みは尽きることなく、かといってその悩みを先延ばしにすれば原作通りに歩むことになるのは必須だった。

 

 だから、僕は僕の最高ラインを決めたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

  原作には沿う形で、しかしなるべく外野からの後方支援的なものになればいいのさ、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 緑谷side

 

 

 

 

 

 

 

  かつきくん、ううん、かっちゃんと出会ってから、僕の日常は目まぐるしく変わっていった。

 

  苛めは受けず、殴られたりバカにされることがなくなった。何でだろうと考えたけどそんなの、かっちゃんのお陰だと直ぐにわかった。僕を悪者から守ってくれたかっちゃんは、いつかのビデオで見た、憧れのオールマイトの様で、とってもかっこよくて。

 

 

 

  ――――いつか、僕もヒーロー(かっちゃん)みたいになりたい。

 

 

 

  ――――かっちゃんがヒーローになったら、きっとすごく強くて、皆の憧れで、カッコいいんだろうなぁ。

 

 

 

 

 

  毎日、そんなことを考える。

 

  家から近くの公園でかっちゃんを誘ってヒーローごっこをしたときも、かっちゃんは呆れたような顔だったけど何だかんだと遊んでくれたし、動きだって速くて、僕にできないことを次々と出来ちゃうんだ。

 

  僕が泣いたら、かっちゃんは走って戻ってきてしゃがんで、行くぞ、って僕に手を伸ばしてくれる。それにいつも僕はまたカッコいいなって思うんだ。だから、かっちゃんが困ったときは、僕が助けてあげたい。いっぱい助けてもらったんだもん。僕も、かっちゃんにそのお返しをしたかった。

 

 

 

 

 

「かっちゃん、大丈夫?」

 

 

 

  小さな小川を繋ぐ、木橋の下で、かっちゃんに向かって手を伸ばす。流れる水は足を冷やしたけれど、頭は心配でいっぱいで、目前にはずぶ濡れのかっちゃんがいた。

 

  足を滑らせて落ちる寸前だった僕を掴んで戻した反動で代わりにかっちゃんが落ちてしまったときは心臓が止まるかと思ったけど、見たところ怪我はないようだった。

 

 

 

「平気だ」

 

 

 

  一言呟くようにして吐き出された言葉とともにかっちゃんは膝と地面に手を付いて静かに起き上がった。

 

 伸ばした手は虚しく虚空をさ迷って、数瞬後、何かを埋めるようにぎゅっとシャツを握った。

 

 

 

「そ、そう?よかった~……」

 

 

 

 

 

  ―――――なんだかとっても、寂しい気持ちになったのは、どうしてだろう。

 

 

 

 

 

  濡れた黒いシャツを纏った背中を見ながら、僕は首を傾げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 爆豪母side

 

 

 

 

 

 

 

  赤ん坊の頃から、静かな子だと常々思っていた。心配で医者に見せたけれど、落ち着きのある物静かな子もいると聞いてほっとしたのを覚えている。

 

 

 

  ただ、いつもどこか上の空だという印象はあった。何か、()()()()()()()()様な雰囲気。

 

  不思議な子だったけれど、愛情を持って育てていくと、段々とこの子のことが分かってきた。

 

 

 

  勝己は頭の良い子だった。それ故に、誤解されやすいだけだった。本当は優しくて良い子だけれど、あの子の雰囲気が周囲を遠ざけてしまう、いえ、あれは、遠ざけてる、のかしら?

 

 

 

 

 

  周囲があの子を孤独にするのなら、私たちだけでも、あの子のことを信じて愛してあげなければいけない。あの子は少し頭が良いだけの、普通の子なのだから。

 

 

 

 

 

「勝己ー!そろそろ行かないと遅刻するわよ!!」

 

 

 

 

 

  子供部屋を覗くと案の定、居た。支度は終わってるようだが手元をただじっと見つめているのに気付く。なんだか焦げ臭い気がした。近付いて見て、息を呑んだ。

 

 

 

「……ごめん、母さん。壊しちゃった」

 

 

 

  そう言うあの子の顔は、今まで見たことない程に、悲しい顔をしていて。堪らなくなって、咄嗟に抱き締めると強く抱き締めすぎたのか痛いよ母さんとくぐもった声が聞こえた。

 

 

 

 

 

  抱き締めながら強く願う。どうかこの子が悲しい運命を歩まないように、と。

 

  信じてもいない神様とやらに、自分勝手に願った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




原作での幼馴染み確執シーン。

手は振り払わなかったけれど、取りもしなかったかっちゃん。緑谷ちょいショック。

爆豪母か爆豪光己とするかで迷った末の母。愛が深い。良い母ちゃん。
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