この転生者たちに祝福を!   作:サクサクフェイはや幻想入り

21 / 30
今回はアクアにスポットを当てた回になります

ア「ふふん! ついに私の時代が来たわね」

気まぐれです

ク「私の出番は?」

チラッと出てくるだけでありません

エ「それでは本編どうぞ! 私の出番は?」



第二十一話 

「ねー、疲れたー」

 

「我慢しろよ、というかお前が、計画性ないまま飛び出して、行ったからだろ」

 

アクセルから少し離れた道を、俺とアクアは歩いていた。 ダクネスが帰ってこない、ということでアクアが何の計画もなく、家を飛び出していったので追いかけてきたのだが、結局ダクネスの家を知らないということで、来た道を戻ってきているのだ。 ちなみにカズマだが、今日は別行動で、先日のキールのダンジョンの方の依頼で、クリスとめぐみんを連れてそちらの方に行っている。 めぐみんは話し合いのほうでも難色を示していたのだが、俺のクエストについて行くと、どうなるかを説いた結果、カズマの方について行くと言ったのでそうなった。 クリスは盗賊職、ということもあり、仕方ないかという感じでついて行ったようだ

 

「それはそうだけど......それにしても、早く冬終わらないかしら、寒い」

 

「そりゃあいつもの格好ならな、お前コート持ってたろ? なんで着てないんだよ」

 

「うっ......わ、忘れたのよ! 急いでたから! うー、こうなったらウィズの店に行くわよ! そうすればあったかい飲み物も出るし」

 

「ウィズの店は喫茶店かなんか」

 

呆れてものも言えない。 前からアンデットとか悪魔全般、浄化するべきっていう割には行ってるなー、なんて思ってたらそう言うわけか。 すでに街に入ってはいるが、先を歩くアクアの足は屋敷には向いておらず、この道だとウィズの店一直線だ。 まぁギルドの方に確認して、緊急度の高いクエストはないらしいので、いいのだが。 そんなことを考えていると、ウィズの店についていた

 

「たのもー!」

 

「店に入る言葉じゃないだろ......」

 

「あ、いらっしゃいませー」

 

アクアに続いて店に入ると、店主であるウィズが迎えてくれる。 迎えてくれたのだが、俺達、というよりもアクアの姿を見た瞬間、客と言っても俺たちともう一人だけなのだが、そっちのけで店の奥に引っ込んでしまった。 接客はいいのかなんて俺が思っていると、アクアはそんなことを気にせず、前来た時はなかったはずなのだが、いつの間にか窓側に置かれていたイスとテーブルがあるところに行き、座っていた。 座ったと同時にウィズも店の奥から姿を現し、何故かお盆の上に紅茶を乗せ、アクアの方に向かって歩いている、そうして紅茶をアクアの目の前に置き、それをアクアが飲む

 

「うん、今日もおいしいわね」

 

「それはよかったです。 あ、カミキさんもどうですか?」

 

「あぁ、うん、俺は遠慮しとく」

 

ウィズよ、今の自分の姿に、何の疑問も持たないのか? 思わず突っ込みたくなったが、本人も何も言わないし、いいのだろうと思い直し、とりあえずお礼を言っておく

 

「いつも、紅茶を?」

 

「はい」

 

「あ、そうですか、ありがとうございます」

 

「いえいえ、ではアクア様、何かあったらカウンターにいますので、お呼びくださいね」

 

「ええ、ありがとうウィズ」

 

そう言ってカウンターに戻るウィズ、アクアは優雅にお茶を飲んでいるが

 

「おいアクア」

 

「なに?」

 

「お前何ウィズに毎回こんなことさせてるんだ」

 

対面に座りながら、思わずため息をつく。 店主が客に無料で紅茶を出す店なんて、初めて見たぞ俺は

 

「え? 何かおかしい?」

 

「ツッコミどころ満載だ、常識はどうした常識は」

 

人間だったころのだが

 

「問題ないでしょ」

 

シレッと言って紅茶を飲むあたり、反省の色が全くないようだ。 今度からウィズの店に来るときは、菓子でも持ってこよう、お詫びに、そう心に誓う俺だった。 紅茶を飲むアクアをずっと見てるわけにもいかず、適当に店内を見てぶらぶらしているのだが、やはりというかなんというか、この店は産廃しか売っていないようだ。 実際役に立つものもあるが、初心者が買って元が取れるか、と言われれば取れるわけがないものばかりだし。 王都なんかで売り出せば少しは売れるのに、なんて評価ももっともだった。 店内にもう一人いるお客さんも常連なのだろうか、ウィズと話している。 しかも少し中がよさそうだ、あまりじろじろ見るのも失礼なので、すぐに視線を外したのだが

 

「カミキさん」

 

「はい?」

 

ウィズさんに呼ばれ、そちらを見ていると手招きしている。 その横で赤い瞳の少女がワタワタして、紅い瞳の少女、つまりは紅魔族か、なら用があるのも頷ける

 

「なんでしょうか?」

 

「こちらのゆんゆんさんがですね、用があるみたいで」

 

「はぁ?」

 

「・・・・・・」

 

俺がそちらを一瞥すると、少女はビクッとして、ウィズさんの後ろに隠れてしまう。 え? なにその反応、少し傷つくんだけど。 というか、紅魔族にしては珍しくないこの反応。 ウィズを見ると、ウィズも苦笑していた

 

「えっと、こちらの方なんですが、めぐみんさんのお知り合いの方だそうで」

 

「めぐみんの知り合い?まぁ同じ紅魔族だし、知り合いぐらいにもなるか。 俺はめぐみんのパーティーメンバーのカミキリュウヤだ、君は?」

 

「わ、我が名は、我が名は......」

 

めぐみんみたいな名乗りをあげようとして、止まってしまった。 紅魔族って、あんなのばっかりかと思ったら、ちゃんと常識を持った子がいたようだ、少し見直した

 

「あー、別にいいよ、無理しなくて? あんな中二臭い名乗り恥ずかしいでしょ?」

 

「っーー! ありがとうございます、ありがとうございます!!」

 

「お、おう」

 

何故か普通に自己紹介していいって言っただけなのに、かなりの勢いで頭を下げられた。 流石にこれは引いた、長い期間周りの奴らが異常なのだらけだと、こうなってしまうのだろうか? 少しだけ彼女に同情してしまう。

 

「私、ゆ、ゆんゆんて言います!」

 

「ゆんゆんね、それでめぐみんに何か用? 用があるなら伝えておくけど、いや、それとも屋敷に来て直接めぐみんに会う? 今クエストでいないから、待つことになると思うけど」

 

「おおお、お家に!?」

 

なぜそこまで驚く必要があるのか、なんか若干の温度差を感じながら、話し続ける

 

「あ、あぁ...... 積もる話とかもあるだろうし、無理にとは言わないけど」

 

「で、でも、いきなりお家に行ったら迷惑じゃないですか? それにお菓子とか用意してないし......」

 

「そ、そこまで気を使わなくても大丈夫だぞ? とりあえず行こうか」

 

「え、あ、はい!」

 

何故かこれ以上話していられなくなってきた俺は、アクアに声をかけ屋敷に帰ることにした

 

「アクア、帰るぞ」

 

「わかったわ。 ウィズ、紅茶ありがとうね」

 

「いえ、またのお越しをお待ちしてますね、カミキさん、ゆんゆんさん、アクア様」

 

------------------------------

 

「ほれアクア、紅茶だ」

 

「珍しいわね、リュウヤが紅茶入れてくれるなんて」

 

「客が来たついでだついで、ゆんゆんも紅茶」

 

「きょ、恐縮です......」

 

さらに縮こまってしまうゆんゆん、屋敷の大きさに緊張したのだろうか? 

 

「えっと、もっとリラックスしていいよ? 友達の家に来てるだけなんだしさ?」

 

「そ、それはそうなんですけど、あまり友達の家に遊びに行ったことがなくて」

 

「「・・・・・・」」

 

その言葉にティーカップを取ろうとして固まる、えっと、どういうことなのだろうか? アクアを見ると、紅茶を飲もうとして固まっていた。 どうしようこれ、やばいこと聞いちゃった? 後悔しても遅いが、ちょうどよくカズマ達が帰ってきたようだ

 

「おうお前ら、帰ってきてたの.......どちら様?」

 

「あー、この子は「カズマどいてください、入口で立ち止まらないでくださいよ、ん?」

 

「め、めぐみん! こんなところで奇遇ね! さあ勝負よ!!」

 

「・・・・・・奇遇も何も、ここは私たちパーティーの屋敷なんですが?

 




割とこの頃このすばが難産すぎて困る、ちゃんと言った手前二期のアニメの内容までは何としても書きますが

感想評価お待ちしてます

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。