この転生者たちに祝福を!   作:サクサクフェイはや幻想入り

23 / 30
特に書くことがないので

ア エ ク「本編どうぞ!」

エ「あんまりじゃないですか!?」


第二十三話

「それで見合いって?」

 

ダクネスの見合い発言から数十分、クリスたちをなだめたり、全員分入れるついでにアクアに紅茶をいれたり、なぜ俺がこんなことをしないといけないのか、とも思ったが仕方ないのでやったわけだが、そうして席につき話を促す

 

「実は......」

 

どうも前々から、見合いは勧められていたらしいが、オヤジさんを張り倒して断っていたらしい。 まぁ見合いを進められていてもおかしくないな、一応結構すごい貴族みたいらしいし、世継ぎなどの問題もあるんだろう、それに冒険者だしな。 そう思い紅茶を飲む。 だが周りはそうではなく、騒がしい

 

「領主と言いましたよねダクネス、領主の息子は評判はいいですが、やはり領主が......」

 

そうなのだ、お見合いの相手は領主の息子、本人自体の評判はいいらしいが、その親である領主が黒いうわさが絶えない。 まぁ、そんなところに仲間が嫁ぐのは嫌だよなぁ。 ダクネスは逆に乗り気なのだが。 だが気になる点もある、どうもダクネスが小さいころから、領主本人が求婚をしていたようで、クリスはその話を聞いて激怒していた。 今は俺が押さえ込んでいるが

 

「ちょっと離してリュウヤ! ロリコンは死すべきだよ!!」

 

「待て待て、確かにロリコンは死すべきだが、今のダクネスはロリに入らないだろ?」

 

「それは......そうだね」

 

「おいちょっと待て、なんでロリで俺の方を向いたんだ」

 

ロリと言われる理由なら、わかっていそうなものだが、いや、たぶんわかってるからこそ異議を申したいんだろうが、めぐみんと良い雰囲気になってきてる時点でねぇ?

 

「? 何か今失礼極まりないことを考えられたような」

 

こいつら無駄に勘が鋭いな、早いところ別の話にしないと

 

「へー、噂通り、結構なイケメンじゃない」

 

いつの間にやら、アクアがお見合い相手の似顔絵を受け取っていたらしく、俺たちもそれを見る

 

「おー、確かに」

 

「性根の汚い領主からこんなイケメンが?」

 

「クリス、言いすぎじゃないか?」

 

確かに結構なイケメンだ、目元や口元なんかも整っているし、だがクリスは納得いかないらしい。 まぁ誰でも、領主自身は見たことないが、結構醜いらしいし。 うむ、どうやったらこんなのが生まれたのか

 

「・・・・・・」

 

カズマがアクアから渡された似顔絵を見ていたのだが、何故か破っていた

 

「あぁー!!?」

 

「か、カズマ! 何をしているのですか!?」

 

「あ、手が勝手に」

 

カズマぇ、イケメンに恨みでもあるのか? 手が勝手に破ったとか、かなりやばくね、それにしても、なんでこんなに焦っているのだろうか

 

「なぁクリス」

 

「何リュウヤ?」

 

「なんであいつらあんなに焦ってんだ?」

 

「あー、断るのに必要みたいだよ?」

 

クリスもよくわからないのか、首を傾げながらそう言っていた。 何やら、破った似顔絵を持って、アクアの方に行くダクネス、どうやら直してもらうようで、アクアがご飯粒で直そうとしている

 

「え? ご飯粒で直るの?」

 

「んーと? あー、でもアクアさん手先器用だし」

 

「そう言えばデストロイヤー討伐の作戦会議の時、水でアートやってたな......でも、あれって魔法だから、手先の器用さって関係なくないか?」

 

「ダクネスー、出来たわよー」

 

俺が答えの出ない疑問を考えていると、修復が終わったのか、アクアがダクネスを呼んでいた。 手に持っている似顔絵を振っているのだが、見事修復されていた。 破れたところなんて跡形もなく、遠目では本当にわからない。 ダクネスはアクアに、何度も頭を下げて感謝をしていた。 そして、俺の方を見るアクア、何故かどや顔で親指を立てていた

 

「殴りたいあのどや顔!」

 

「流石にそれはどうなのさ?」

 

アクアに気を取られていたため、俺はカズマの強行を止めることはできなかった。 そう、カズマが再び似顔絵を破くののな! ダクネスの悲鳴、めぐみんの詠唱が聞こえたので急いでそちらを向くと、似顔絵を破きながら悪い笑顔のカズマ。 どうやらまたくだらないことを考えたようだ、その前に屋敷と命の危機なのだが

 

「カズマ、めぐみん止めろ!」

 

「おっと! 破ったのは悪かったが、詠唱するんじゃない!」

 

「悪いで済むか! この馬鹿!」

 

「君はなんでそう余計なことを!!」

 

隣りにいたクリスは、一応ダクネスを止めるために、そちらの方に駆けよる。 俺はさっきから一言も発さないアクアが気になり、近くに行くのだが

 

「・・・・・・」

 

「うわー......」

 

静かに怒っていた。 いや、確かに時間はそこまでかかっていなかったが、結構精密な作業だったのだろう、それがすぐに破られたのが頭に来たのもわかる、だが、なんでそんなに怒っているんだ。 いつものように喚くわけでもなく、静かに拳を握っていた

 

「おーい、クリス、離れろ」

 

「どうし......うん、わかった」

 

俺がなぜそう言ったのかわかったのだろう、顔を引きつらせながらダクネスと共に離れるクリス。 ダクネスは文句が言い足りなかったようだが、クリスがアクアの方を指さした瞬間、同じように顔を引きつらせていた

 

「・・・・・・」

 

無言でこちらを向くアクア、笑顔で威圧感を放っていた。 そして、目が笑っていない、なんで俺の方を向くのかわからない、背中の冷や汗がやばい

 

「ねぇ、リュウヤ」

 

「な、なんだ」

 

「あいつぶっ飛ばしていい?」

 

「どうぞ」

 

即答した。 別にカズマを売るわけじゃないが、俺としてもこんな目でずっと見られているのは、正直言って嫌なのだ。 なので即答した。 静かにカズマに近づいて行くアクア、それに気が付いていないのか、カズマは相変わらずめぐみんを押さえていて、先に気が付いたのはめぐみんで、別の意味で暴れ始めたのだが、それにカズマが気が付くはずもなく、さらに抑え込もうとするのだが

 

「カズマさん、めぐみんを離しなさい」

 

「はぁ? 何をい......」

 

アクアが声をかけて、ようやくカズマはこちらを向いたのだが、時すでに遅く、 アクアのパンチの射程圏内だった。 カズマはようやく自分の失態に気が付いたのか、顔を青くしていた

 

「あのアクア様? どうしてそんなに怒っていらっしゃるのでしょうか?」

 

「あらカズマさん、私は別に怒ってないんていませんよ?」

 

嘘だ! ここにいる全員がそう思っただろう、俺は顔が見えないが、クリスたちが震えているということは、多分今すごくいい笑顔なんだろうけどな、目は笑っていないだろうが

 

「わたくし、何か悪いことしましたか?」

 

「・・・・・・」

 

無言でアクアは、床に無残に落ちている、さっき直した似顔絵を指さす。 それを見たカズマは、顔を真っ青にする。 その隙にめぐみんは、カズマの拘束を振り切り、クリスたちのもとに逃げた

 

「さぁカズマ、お前の罪を数えろ」

 

「ここで言うセリフか!?」

 

「ゴッドブロー!!」

 

「ぷげらっ!?」

 

カズマはギャグマンガのように吹き飛ぶ、いつもより威力が上がったのか、結構な飛距離を出したが、気にする者はいなかった、自業自得だし。いや、めぐんみんだけは、カズマのそばに寄って行った。 なんかつついてるぞ?

 

「大丈夫です、死んではいないみたいです」

 

「お前も大概酷いよな」

 

「気にする必要はないわ!ちゃんと手加減してるもの!」

 

「どや顔で言うことじゃないからな?」

 

胸を張って、どや顔で言うアクアに即ツッコミを入れる。 入れるのだが、俺の言葉を聞こえないふりをしているらしく、自分の席にてすっかり冷めてしまった紅茶を飲んでいた。 なんでいい仕事した、みたいな感じで飲んでるんだよ、腹立つわー 




感想評価お待ちしてます

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。