この転生者たちに祝福を!   作:サクサクフェイはや幻想入り

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特に書くことなし!

ア エ ク「本編どうぞ!」


第二十八話

チキンレース。 それは猛スピードで障害物へと突撃し、直前でかわし度胸を試す、スピードゲーム。 その障害に、ウチのパーティーメンバーであるダクネスが選ばれていた。 何言ってんだ、みたいに思われるかもしれないが、本当のことなのだ。 実際ダクネスは、目の前でよけるハシリタカトビにご満悦である。 おもにお預けプレイとして。 カズマなんか黙れて言ってるし

 

「あれ助ける意味ないよなー、本人喜んでるし」

 

「いや、そうなんだけどさ、助けてあげようよ」

 

クリスが苦い顔をしている。 まぁ、助けたいのは山々なんだろうが、クリス自体、多数対一なんかできないだろうし。 でも、俺も助けられないんだよね

 

「こっちに接近してるのは倒せるが、ダクネスの周りの奴は巻きこむから倒せないなー」

 

「なら、ブレッシング!」

 

「いや、幸運上げても命中するときは命中するから」

 

まぁ、仕方ない、こっちに近づいてくるのだけは倒しとくか

 

「同時詠唱、サンダーランス、射出」

 

いつもの通り魔力無限に、サンダーランスでハシリタカトビを殲滅していく。 していくのは良いんだが、やはりうち漏らしは出ていく

 

「カズマー、いい案ないか?」

 

「とりあえず、お前らは馬車の中に戻ってくれ、俺に考えがある!」

 

考えるのが面倒なのでカズマに聞いたところ、どうやらいい考えがあるようだ。 言われた通り馬車に戻ると、何故かカズマが馬車からロープを伸ばし、ダクネスをそこに括り付けていた

 

「カズマ......」

 

「うわぁ......」

 

「クリス、どうどう......」

 

皆カズマの行動に引いていたり、怒っていたりしていた。 そうこうしているうちに、俺たちが乗った馬車は他の馬車と離れ、どこかに向かっていた

 

「それで、どこに向かっているんだ?」

 

「この近くに雨宿り用の洞窟があるらしい、そこに誘い込んで一網打尽に」

 

そこまで聞いて思ったのだが

 

「なぁカズマ、俺のルシフェリオンブレイカー直射砲だぞ? それぶち込めば終わると思うんだが」

 

「あ」

 

「あっていいましたよこの男!ゆんゆん、ダクネスを回収しますよ!」

 

「わかった!」

 

「私も手伝う!」

 

女子陣からの冷たい目線を受け、カズマは膝を抱えて静かに泣いていた。 まぁ、一言相談してもらえれば言えたんだが、仕方ないよね。 俺はダクネスを回収し終えた後、馬車の後方に立ち、詠唱を始める

 

「集え、明星。全てを焼き消す炎となれ、ルシフェリオンブレイカー!!」

 

炎の砲撃はハシリタカトビの群れに直撃し、群れを跡形もなく消し去った

 

「寝るか」

 

どうも頭がすっきりしないので、寝ることにした

 

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「いやー!流石ですね!」

 

どうもこの馬車の行商の責任者が、カズマに話しかけていた。 あー、カズマ気まずそうだなぁ、ドンマイ

 

「でも思ったんだけど」

 

「なにさ?」

 

「ダクネスがいなくても来る可能性あったんじゃないかしら?」

 

「ハシリタカトビ?」

 

「えぇ」

 

アクアの言い分ももっともなのだが、そんなこと言ったら、ダクネスがいなかったら追いかけられることもないのでは? ということなのだが、まぁいい

 

「でも、ダクネスに大した怪我がなくてよかったー」

 

「鎧もカズマが鍛冶スキルで直してるみたいだしな」

 

カズマの方に視線を向けると、めぐみんやダクネス、ゆんゆんが見ている中で、ダクネスの鎧を直していた。 直しずらそうだな、あれ

 

「まぁ、カズマはドンマイってことで」

 

それからみんなんが寝静まったころ、何かの気配がして起きた。 目を凝らすと、遠くの方で何かが揺れていた

 

「カズマ、なんか遠くで揺れてね?」

 

「んぁ? 何かー、揺れてんな......っ!? アンデット!?」

 

「アクア、起こしてくる」

 

とりあえず、アクアとクリスを起こしておく

 

「なによー、眠いんですけどー」

 

「なにさ、リュウヤ......」

 

「寝ぼけてるとこ悪いが、アンデットだ」

 

「「ウィズ?」」

 

「違うわ!周りを見渡せ!」

 

なんかいつの間にか囲まれてる、と言うよりもなんか、アクアの方に集まってる?

 

「なぁアクア、なんかお前見てね?」

 

「ん? あー、多分私の神気にあてられてるんじゃないかしら? 一応これでも抑えてるんだけど、多少は漏れ出てるみたいだし」

 

「・・・・・・カズマにはだまっとこ、たぶん落ち込むし」

 

「だねぇ」

 

クリスとこそこそと話している間に、アクアは浄化魔法を唱え次々とアンデットを浄化していった

 

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「あー、ホント眠い」

 

何が悲しくて二日連続で寝不足なのだろうか。 外の景色も変わらないから、退屈で仕方ない。 クリスなんか俺に寄りかかって寝てるし、俺も寝ようかなぁ

 

「見てみて!ついたみたいよ!」

 

「テンション高いなー、アイツ」

 

「だな」

 

クリスをゆすって起こし、俺は外を見る。 青を基調とした街並み、確かに綺麗なのだが、なんだろうか空気がおかしいい。 なんかピリピリしているというか、気のせいなら良いんだけど

 

「ありがとなおっちゃん!」

 

「そっちもよい旅をー」

 

乗っていた馬車のおっちゃんに手を振るカズマ、俺は伸びをしながらげんなりする。 あー、眠い

 

「眠そうだけど大丈夫?」

 

「とりあえず旅館行って寝たい」

 

「何言ってるのよまずは観光よ観光!」

 

元気なアクアだが、俺はついて行けない、なのでクリスを差し出すことにした

 

「クリス、ガンバ!」

 

「ちょ!」

 

「行くわよ!」

 

いうのが早いか、クリスはアクアに引っ張られ、もう消えてしまった

 

「アイツ」

 

「気にしてもしゃーない、とりあえず、アクアとクリスの荷物は俺が持つわ」

 

「私も手伝おう」

 

「先に旅館に行きましょう」

 

「めぐみん、先に歩くのは良いけど場所わかるの?」

 

なんて締まらないが、カズマを先頭に旅館まで歩き始めた。 街並みはいいのだが、やはりなんか雰囲気がピリピリしていた

 

「なぁ、なんかピリピリしてないかこの街?」

 

「そうかぁ? 俺はアクシズ教徒の総本山、て聞いただけでもう帰りたいんだが......」

 

「待て待てカズマ、アクシズ教徒にも常識人はいるぞ?」

 

「あれが御神体なのにー?」

 

カズマが疑っているようだが、一応アクセルにもアクシズ教の教会があったりするのだが、カズマは知らないようだ

 

「アクシズ教の半数は、親エリス派ですよ? まぁ半分は凶暴なアクシズ教ですけど」

 

「なるほど、そう言われると納得だ」

 

まぁ普段のアクア見てたらねー、でも強引な勧誘事態してないし、自分の子とマイナーゴットって言ってるくらいだから、現状で満足してると思うんだが?

 

「お、ここが旅館だな」

 

話をしているうちに旅館に着いたようで、チェックインを済ましようやく荷物を下ろせた

 

「あー、ようやく寝れる......」

 

「まぁゆっくり休んでてくれ、俺はダクネスたちと観光行ってくる」

 

「その前にウィズ回復してやれよ?」

 

「そりゃあもちろん」

 

ウィズの回復とは、昨日のアクアの浄化魔法なのだが、運が悪いことにウィズも入っていたようで、敵のアンデットを浄化して、ウィズを範囲外にはしたのだが、その時のダメージが残っているらしく、昨日の夜からダウンしていたのだ。 まぁ不幸な事故だ。 寝ることにしよう、おやすみなさい。 後で聞いた話なのだが、ダクネスもカズマも過激派の方で観光していたらしく、かなりひどい目にあったらしい。 ダクネスは嬉々としていたが、カズマはお疲れさんでした

 




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