僕の特技   作:虎鉄@新参

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第1話

 

4月になり数日が経つ頃、世間は入学式シーズンで賑わっていた。

僕の在籍する中学校もそれにもれず今日は入学式だ。

そして、入学式では定番の生徒会長からの挨拶がある。その為僕の気分は朝から曇っていた。

 

何故かって?それは僕が生徒会長だからさ。

 

正直僕は人前に立って話すのは苦手だ。人の視線があつまるのが少し苦手だし、何よりこういった時に話すことを考えるのがあまり得意ではない。

頭の良さそうな話し方や、回りくどい言い方は僕の性格に合っていない。

 

副会長のこの方がこういったことは得意そうだ。あの子は常日頃から難しい物言いをするしね。

まぁ、厨二病拗らせてると言っても過言ではないかもしれないけど。

 

「次に生徒会長からの挨拶。生徒会長筒城灰斗(ツツギハイト)さんお願いします。」

 

司会の子に呼ばれ、小さく返事をして僕は壇上に上がった。

 

そこから、一礼をし新入生の顔を見ると皆が期待と不安をごちゃ混ぜにしたような顔をしていた。

僕も入学式の時はこんな顔をしていたのかなと、昔の自分を思い出していたが余りにも長い間黙っていると、それはそれで恥ずかしいので僕は話し出した。

 

「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。先ほど紹介のあったとおり、私が梅郷中生徒会長の筒城灰斗です。皆さんはこれからの中学校生活に期待を膨らませていると思います。小学校からの友達、中学校からの新しい友達は、これから3年間苦楽を共に過ごす仲間です。

その3年間が実に有意義な時間になるよう、皆さん1日1日を大事に過ごしてください。

二度目になりますが、本当にご入学おめでとうございます。これを私からの挨拶とし、終わりたいと思います。」

 

何とか、噛まずに終わることが出来たと内心ホッとしながら壇上を降り、そのまま入学式も何事もなく終わることが出来た。

 

 

 

 

その後は、自分たちの教室でホームルームをし、解散となった。

まぁ、生徒会の集まりがある為僕はまだ帰れないんだけどね。生徒会長の僕が遅れてしまっては、威厳やら何やらが落ちてしまうのですぐに向かうことにした。

既にあってない様な物なのだが、そこは僕のちょっとした意地?みたいなものだ。

 

しかし、生徒会室に付き扉を開けるとそこには

 

「おや、遅かったな。生徒会長なのだから生徒会がある時は一番先に生徒会室に居るべきではないかね?筒城生徒会長」

 

ニヤニヤした顔、具体的にはこんな感じ→( •´∀•` )

で、僕を出迎えてくれたのは黒雪姫副会長だ。

この子の本名は決して黒雪姫ではないのだが、彼女を知る人は大抵この呼び方をするので僕もそう呼んでいる。

 

「ハイハイ。すみませんでした。次からはもっと早く来れるようにしますよ。」

 

僕は苦笑いでそう彼女に返し、会長席に座った。

今日の出席者は2人だけだ。話す内容が内容だから他の人を呼ぶわけにもいかなくて2人なのだが。

僕にとっても、彼女にとっても命に関わる話なのだから。

 

「早速本題に入るが、今日入ってきた入学生達の中には居たのか?バーストリンカーが」

 

《バーストリンカー》

 

それは僕達がしているゲーム。そのゲームを行っている人達を指す言葉だ。

彼女はある理由でこのゲームをしている人達から追われている立場だ。

今この学校にいる人間では、僕と彼女しかバーストリンカーは居なかったのだが今日入学式で入ってきた子達にバーストリンカーがいた場合、僕がその子と対戦をしお話もとい、O☆HA☆NA☆SHIをしなければならなかったのだが

 

「入学生たちの中にバーストリンカーは居なかったよ。幸いにもね。いやぁ、良かった良かった。もしハイレベルのリンカーが居たらどうしようって内心ビクビクだったよ。」

 

「よくそんな事が言えるなキミは。なんせキミは未だに負け無しだろう?灰色の独裁者、《グレー・ディクテイター》君」

 

 

そう言われ僕はまた苦笑いをして、彼女にこう言った。

 

「まぁそうだけど、それでもハイレベルの人との戦闘は疲れるからね。やらなくていいに越したことはないよ。

んじゃ、僕はエネミー狩りしに行くからまた明日ね。」

 

と、告げて僕は生徒会室から出た。去り際に聞こえた私も連れてけという言葉を聞きながら。

 

つか、君行きたくても行けないだろうにと思いながら僕は昇降口で靴を履き替え、家に向かった。

 

 

 

 

少し時間が経って、今はもう夕方。エネミー狩りを終えた僕は、夜ご飯を作っていた。

 

僕にはちょっとした事情があって、両親がいない。よって一人暮らしの僕は自分のご飯は自分で作るしか無く、嫌でも料理スキルの上がった僕の今日の夜ご飯は、

 

卵かけご飯だ!

 

料理スキルが上がったからって毎回手の込んだご飯は面倒だし、何より今日はこれからの事を考えると憂鬱で仕方が無かった為やる気が起きなかった。

 

何せこれから起こること全てを僕は知っているから。

 

そして、自分がイレギュラーな存在だってことも。

 

 

 

 

 

何故なら、僕は転生者なんだからさ。

 




相変わらず文字数の少なさが目立つ虎鉄です。

前回もアクセルワールドの小説を書いていたのですが、余りにも見るに堪えない駄文だと言われてしまったので書き直しました。

次の投稿は来週日曜です!

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