アンドロイドはエンディングの夢を見るか?   作:灰色平行線

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アダム「奇行を繰り返すアンドロイド?えぇ・・・(ドン引き)」
2B「そっちも似たようなモンだと思う」
前回のYといい本文がなんちゃってシリアス続きなので前書きくらいはふざけたいと思った。


no [I] in team

「これが・・・死か・・・」

 何もかもが真っ白な街で、血のようなものを流して1人の機械生命体は事切れた。

 

 レジスタンスキャンプのアネモネからの依頼で、補給に戻ってくるアンドロイド軍の空母の護衛のために水没都市の海岸沿いにある補給用のミサイルの近くまで来ていた。

 水没都市にいる機械生命体を一通り破壊すると司令官からの通信が入り、空母が機械生命体からの攻撃を受けていることを知る。

 バンカーから送られた飛行ユニットで空母まで向かう2人。

 そこに突如現れた巨大な機械生命体。廃工場、廃墟都市で戦った大型兵器よりもさらに巨大な機械生命体に苦戦するも、他のヨルハ部隊やパスカルに助けられながら巨大な機械生命体を撃破する。

 しかし、機械生命体が最後に爆発と共に起こした衝撃波で2Bと9Sは離れ離れとなる。

 レジスタンスキャンプのアンドロイド、「デボル」と「ポポル」から特殊なスキャナーをもらい、9Sを探して進んだ2Bは真っ白な街に着いた。

 真っ白な街を進んでいくと、エイリアンシップで会った機械生命体、アダムに会った。襲い掛かってくるアダムと戦っていると、彼は捕まえた9Sを2Bに見せた。街の高い所に磔にされ体はボロボロだが、かろうじて息はある。

「貴様・・・ッ!!殺す!!」

「そうだ・・・その感情、憎悪だ!来いっ!2Bイイッ!!」

 感情を荒げる2人の戦いは、2Bの勝利で幕を閉じた。

「暗くて・・・冷た・・・」

 最後に死を理解したかれは幸せだったのか、それとも・・・。

 アダムが動かなくなると、磔にされた9Sが地面に落ちた。

「9S!!」

 2Bは叫ぶ。

 

そして、彼女は9Sに背を向けて走り出した。

 

「2・・・B・・・?」

 かろうじて出る声で9Sは2Bの名を呼ぶ。しかし、彼女の足が止まることはなかった。

 真っ白な空間に9Sとポッドと、アダムの死体だけが残される。

 動くことのできない自分と、もう動くことのない彼。何が違うというのだろうか。

 9Sはただただ考える。

 2Bの奇行は今に始まったことではない。話す相手もいない、誰も聞いていないこの空間ではツッコミを入れる気にもならなかった。

 

 ◇◇◇

 

 2Bが去った後、9Sは数十年彼女を待ち続けた。

 しかし、2Bが姿を現すことはなかった。

 

 NieR:Automata

 no [I] in team

 

 ◇◇◇

 

 果たして彼女がいなくなって何年経っただろう。

 いつかきっと帰って来る。もしかしたら壊れてしまったパーツの代わりを探してくれているのかもしれない。そんな期待に意味などないと知りながらも、彼女が自分を見捨てる訳がないと9Sは信じたかった。

 何年も野ざらしにされた体はもう機能しない部分も多い。いつかきっと2Bが来てくれると使わなかった自爆機能すらもう動かない。自殺することもできず、代わり映えのしない真っ白な街をじっと見続けるだけの存在。ポッドも上手く動かなくなってしまった。

 9Sはこれまでのことを思いだす。

 2Bが自爆したこと、2Bが自殺したこと、2Bがアジを食べたこと・・・碌な思い出がない。

 2Bにお風呂に入ろうと言ったら、アンドロイドに入浴は不要だと言われたこともあった。あの時、彼女は天然なんじゃないかと思った。少なくとも、記憶に残っている彼女の奇行から、彼女が真面目だという考えには至らなかった。

 そういえば、ロミオ達とジュリエット達の続きがまだ見れていない。結末はどうなるのだろう。

 レジスタンスキャンプはどうなったのだろうか。バンカーはどうなったのだろうか。

 思い出に浸っていると、何故だかむなしくなってきた。

 今となっては彼女の奇行すら懐かしい。

 2Bに会いたい。オペレーターさんに会いたい。司令官に会いたい。誰でもいいから会いたい。

 いい加減、もう諦めるべきなのだろうか。

「・・・ポッド・・・お願い・・・」

「・・・了解」

 最後の力で、ポッドはレーザーを撃ち出す。

 レーザーは9Sを撃ちぬき、彼のOSチップを破壊した。

 

 ◇◇◇

 

「9S!!」

 そんな声が聞こえて、気がつけば9Sは優しく抱きかかえられていた。

「2・・・B・・・?」

 口を開けばかすれた声が出てくる。

 何故見捨てたのか、本来ならばそんな疑問を彼女にぶつけてもよかったのかもしれない。例え彼女が覚えていなくても、恨み言くらいは言ってもよかったのかもしれない。

 だが、そんな気にはなれなかった。それ以上に、誰かに会えたことが嬉しかった。数十年ぶりに、2Bに会えたことが嬉しかった。嬉しくて、思わず泣きそうになった。

 だからこそ、9Sは2Bの奇行について聞けなかった。2Bがレジスタンスキャンプに9Sを運ぶまでの間、お互い何も話さなかった。

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