織斑一夏になったがオリ兄がいたので丸投げしたい   作:XYZ+

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そのさん

「織斑一夏です。隣の席の織斑一秋とは兄弟になります。

体格の大きい方が一秋兄さんで、貧弱な方が僕だと思っておいて貰えれば間違いありません。」

 

などと言う自己紹介から始まるIS学園初日の話である。

一応………と言うか間違いなく戸籍上も遺伝子上も僕と一秋兄さんは双子なのだが、

体格差は歴然としている。

スポーツ万能で中学時代も剣道だ何だと身体を動かしてた歩くスポーツの祭典・織斑一秋と

のんべんだらりと適当に人生を無駄遣いもといエンジョイしている織斑一夏では

当然の結果と言うか。

 

原作一夏よりもガッチリした体育会系のマッシブ染みた兄と、太陽の光なんて浴びた事が

ないんじゃないかと言うもやし(ディケイドではない)のようなインドア系の弟と言う

構図である。

 

篠ノ之箒さんが(僕をガン無視して)一秋兄さんを連れて屋上に出てる間に僕は一人教科書を

引っ張り出して勉強である。

いっそ原作通り「電話帳と間違えて捨てました」あるいは意表をついて「電話帳を持って来た」

と言う定番外しもありかと思ったのだが、別に無理して無能な馬鹿を装う必要もないと

思ったのだ。

 

どっちにしても何が何だか分かんないのよ、教科書の内容。

 

IS学園って(原作読んでる限りそうは見えないが)エリートの集まりなのだ。

それこそ下手すれば小学校に入る前からISの英才教育受けてきて、中学卒業の時点で高校の

理数系クラスがやるような内容の事柄を頭に叩きこめるような知性の高さと言うか教養の

持ち主なわけだ。

そして、一秋兄さんも「IQ600」「小学校ではクラスで5ばん」(当社比)とも言える

知性の持ち主であり、追いつこうと思えばそれこそ鼻歌まじりで超楽勝と言った所であるが。

 

僕には無理。

元々持ってる学力とIS学園で必要とされる学力に圧倒的な差があり過ぎるのだ。

勉強した所でどうあっても追いつくどころか背中が見えねぇ。

 

そういや、勉強中にちょろインの代名詞ことセシリア・オルコットさんが話しかけてきたが、

「はぁ。」「そうですか。」で応対してたら小馬鹿にしたような態度で去って行った。

あ、「代表候補って何ですか?」とは聞いておいた。

これだけは言わないといけない気がしたから。

 

どちらかと言うと、これが決め手になった気がする。

 

一秋兄さんの時はあえて席を外していたのでよく知らないが、僕と違って少なくともちゃんと

応対したんじゃないかなぁと思ったわけで。

 

で。

クラス代表決定の話。

案の定、(物珍しさとかその辺から)推薦される僕と一秋兄さん。

そしてブチ切れるオルコットさん。

少なくとも僕は「イギリスだってメシマズの国だろ」と言えるような人間じゃないし、

キャラクター的に一秋兄さんがそんな事を言いだすとも思えなかったので、

どっちも黙ってたのだが。

 

「何か仰ったらどうですか?」

 

などと一しきり喋った後にご丁寧にこっちを煽ってくるオルコットさん。

別にいいのに。

 

「てっきりこのクラス全員にアピールしてるんだと思ってたよ、『私は日本人は黄色い猿で日本は

野蛮な後進国だと思ってます』って。」

「事実では………」

 

一秋兄さんの言葉にその通りじゃないか、と言いかけたオルコットさんだが。

ドンっ、と机に拳を叩きつけた一秋兄さんの前に口を閉ざす。

 

「なぁ、落ち着いて周りを見ようぜ?黄色い猿は教室にどんだけいるんだ?あぁ?」

「………ぁ。」

 

ややキレ気味(演技だろうけど)の一秋兄さんの台詞を理解したのか頭に血が上ってた

オルコットさんから見る見るうちに血の気が引いていく。

無駄に日本人率高いんだよね、ここ。

担任副担任から日本人だし。

うわ、千冬姉さん黙って目を瞑ってるけどあれめっちゃ腹に据えかねてる。

 

「で、何か言う事があるだろう?」

「………」

 

顔を俯かせてふるふると震えているオルコットさん。

今なら謝ったらまだ間に合うぞ、と一秋兄さんは言いたいんだろうけど。

 

「た、確かに少し言い過ぎましたわ………ですが、男と言うだけでクラス代表に選ばれると

言う事だけは納得いきません!!」

 

少しなのか、散々日本と日本人をボロカスに言っておいて少しなのか。

そこでようやく目を開けた千冬姉さんが口を開く。

 

「よし。それならばISで勝負をつけろ。それで勝てばクラス代表だ。」

 

望む所だとやる気満々の一秋兄さんにオルコットさん。

むしろ、一秋兄さんのたちまちの内に溢れて来る自信はどこから来るんだろう?

これが転生者の余裕と言う物か。

 

「よし、ならば勝負は一週間後の月曜日の放課後、場所は第三アリーナ。

オルコットと織斑兄と織斑弟の総当たりで行う。」

「………は?」

 

思わず声が出た。

と言うかハニワのような間抜け面を見せてる自信がある。

そのまま千冬姉さんの方を見る。

 

「何だその顔は?」

「僕も………ですか?」

 

いや、話の流れ的にここは一秋兄さんとオルコットさんがドンパチして勝っても負けても

オルコットさんが惚れるってパターンであって僕関係ないじゃん。

そう思ったのだが。

 

「お前も推薦されている以上は戦ってもらう。」

「………はい。」

 

いいな?と言われて頷く僕。

ここで逆らえる度胸はないと言うか、反対を唱えて通るとも思えないわけで。

 

オルコットさん辺りは「何でしたらハンデの一つでも付けて差し上げましょうか?」などと

言っていたが丁重に辞退した。

正直、ハンデ貰って勝てる相手だとも思えないわけで。

 

そんなわけで、不本意ながらクラス代表決定戦に巻き込まれてしまったのである。

 

 

そして時は流れて「あっ」と言う間もなく一週間、気が付けばクラス代表決定戦である。

思い返せば一秋兄さんはさておいて、僕の方は別に何か凄いイベントがあった訳では無い。

 

部屋割りの都合と言うか不手際と言うか、咄嗟の話だったのかあるいは<世界の修正力>か。

僕の部屋は一人部屋で一秋兄さんは篠ノ之箒さんと同部屋になったとか、何の気紛れか急に

一秋兄さんが「剣の練習をするぞ!」と言いだして無理矢理剣道場まで連れて行かれたとか、

専用機が僕たち兄弟に支給される事になったとか、それくらいだろうか?

 

僕が<白式>だとすると一秋兄さん何に乗る気でいるんだ?

転生者のお約束を考えるとGN粒子をまき散らしつつT-LINKフルコンタクトしながら

サイコフレームでデストロイモードしつつゼロシステムとゲイム・システムを両立させてて

ラムダ・ドライバとSeedを発動させつつトランザムしそうなメイオウっぷりを

見せつけてくれるオーバーライドしそうな機体だったりするんだけど(偏見)。

 

あるいはライダーシステム的な何か。

「その命、神に返しなさい。」とか「さぁ、お前の罪を数えろ!」とか言いつつ何故か

ご丁寧にIS側が地上戦を挑んでひどい目に合ったりする感じの。

当然フォームチェンジしたりオートバジンがどこからともなくやって来そうなノリで。

 

もしくは徐に「ゾフィーさん!ベリアルさん!」とか言いだしたら指差して笑う自信がある。

オルコットさん相手にいきなり始まる予算溢れる残虐ファイトに会場がドン引きしそうだけどさ。

宇宙警備隊隊長の闇は深い。

 

一秋兄さんが<白式>で僕が違う何かと言う可能性もあるけど。

「あいえす」って書かれた段ボール渡されなければ何だっていいや。

 

そんな感じで4つあるうちの一つのピットで待機していたのである。

一人で。

一秋兄さんと篠ノ之さんは別のピットで仲良くやってるんではなかろうか?

剣道場の手合せでも篠ノ之さんに圧勝してたしね、一秋兄さん。

僕?無理よ無理。

そもそも、自分で言っててなんだけどやる気ないと言うか丸投げしてるし。

 

どの道、僕がどれだけ結果を出しても何も変わりはしない。

出来て当然、出来なければ罵られ嘲られ後ろ指を指されるのだ。

他者の評価などと言うかも知れないが、生きていく上で重要視されるのは他者の評価である。

どれだけ頑張って結果を出そうが、誰もそれを評価しないのならば結果を出す意味はない。

所詮はタダの自己満足と切り捨てられるのがオチなのだ。

 

どこかのお屋敷で退魔の家系の当主をやってるナイチチブラコンツンデレお嬢様も言っていた。

「努力は必要ありません、結果を見せて下さい」と(うろ覚え)。

 

「織斑君、ISがやっと届きましたよ!」

 

そう言ってると豊満な胸を揺らせながらピットに駆け込んでくる山田先生。

運ばれてきたのは………白いIS。

つまり<白式>となる。

そうなると本当に一秋兄さんは何に乗って戦うんだろう?

 

そんな事を考えながらISを身に纏い、一次移行の準備を進めていると千冬姉さんがやってきた。

 

「織斑兄のISは到着がもう少し遅れるそうだ。先にオルコットと試合をしろ。

ここのアリーナもずっと使えるわけでは無いからな。」

 

その連絡だけならばISの装着を手伝って貰っていた山田先生を介して伝えれば済むだろうから、

本当の所は応援と言うか激励に来たんだろうか?尋ねるつもりもないけれど。

ただ、一次移行も終わっていない機体で戦えって時点でスパルタだよね普通は。

調律できていない楽器でコンサートをやれと言ってるような物だ。

何か違う気がする。

 

とは言え、逆らう訳にも行かずカタパルトにまで移動する。

 

「一夏、勝てとは言わん………だが、無様な事だけはするな。」

「分かってるよ、千冬姉さん。」

 

一瞬だけの姉弟としてのやり取り。

でも、僕と千冬姉さんには凄まじい隔たりがあると思う。

内心で多少の申し訳なさを覚えながら、僕はやや危なっかしい挙動でピット・ゲートから

外へ飛び出した。




Q:ちょっと前世アニメ特撮見過ぎじゃないですかねぇ?
A:本当に済まないと思っている。
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