機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 暗鉛《アンエン》   作:amber world

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2017/04/16 文章の一部を加筆修正しました。


人と機体と争いと
壱 誘われし者、誘いし者


夢を見た。空を飛ぶ夢。何処までも、広くて、青い空。その中を自分が飛んでいる夢。広い空には果てが無く、何処までも行けると思っていた。何故か、落ちていく。落ちていく、落ちていく……。

目が覚めた。いつも見るのは同じ夢。(ヤマト)・マルク・サーキスはそう思いつつ目が覚めて、外を見る。外に立ち込めるのは、青くて広い空ではなく、灰色の煙と人の死の匂いだけ……。

 

ーーここは火星。火星はW.P(世界統一暦)5427年に始まったテラフォーミング計画によって、人類は緑化を始め、数年後には、住めるようになった。しかし、火星にあるハーフメタル鉱床に目をつけた地球の人々は、火星に移住した者に対して、ハーフメタルを供給するように言ってきた。しかし、火星に向かったのは、スラムなどで、ドブのように暮らしてきた生きることに必死な人や、マフィア紛いの人々などであり、彼等は勿論これを拒否した。すると、地球の人々は大量の艦隊を火星に送り込み、戦争を仕掛けた。対して火星は、対人兵器モビルアーマーを開発。それに対抗して、地球も、モビルアーマーを開発を決定。しかし、火星側の、MAを地球に送り込もうとして地球と火星の間の宇宙域で暴走。やがて、モビルアーマーは自立稼働し、火星、地球の人間の4分の1を虐殺し、宇宙空間に雲隠れした。これを止めるために、地球・火星の人々は戦争を中断し、モビルアーマーに対抗するためにモビルスーツを開発。そしてモビルスーツによる、モビルアーマー駆逐を開始。これが後に言う、《厄祭戦》である。しかし、このモビルスーツの登場によって、死の恐怖を更に間近に体感した人々は、モビルスーツ開発競争に明け暮れ、モビルアーマー駆逐の目的が徐々にモビルスーツの駆逐という目的にすり替わっていった。

 

ヤマトは用意をして、学校に向かい歩き始めた。ヤマトは、火星防衛軍養成学校パイロット科に所属するパイロット候補生だ。

 

火星防衛軍とは、ハーフメタル鉱床の発見による、地球側の侵攻を阻止するための、軍人を要請するための学校で士官科・情報官科・工学科で構成されていたが、モビルスーツの誕生により、パイロット科・モビルスーツ設計科・整備科の3のコースが置かれるようになった。最初に述べた3のコースは入る前に知識をテストされ、それによって合否が決まるが、途中から新設されたコースについては、試験が免除されるというもので、大変簡単に通る事が出来た。

 

それを知ったヤマトは、このコースに進むことにした。何故、パイロット科かと言うと、このコースは士官科とは別の意味で出世が見込めるコースだったからだ。その代わり、ここを出て、パイロットとして戦うとなると、死が付き纏うような場所に放り込まれ……そんなことを考えていたら後ろから声を掛けられた。

 

「おはよう!」

 

そう言ってきたのは、同じパイロット科の人間で、ヤマトと同じクラスのトーマス・ケーニッヒだった。

 

「おはよう、トーマス。相変わらず元気だな。」

 

「そう言う、お前こそ相変わらずの、低いテンションだな!」

 

そう言い合いながらも学校に向かう。すると、トーマスが話をこちらに振ってきた。

 

「そう言や、ヤマトは聞いたか?この間のニュース。」

 

「…いや、知らないけど。何かあったのか?」

 

「……遂に出るんだよ。新型の機体が!」

 

「…新型?ロディ・フレームか?それともヘキサ・フレームか?」

 

「確か、ロディだったと思う。長距離に特化させた機体で、新しい装備を搭載してるんだってさ。」

 

へぇーそうなのか、と返して少し足早に学校に向かう。

 

「おーい、早くしないと学校に遅れるぞ!」

 

「わかってるさ!さっさと行かな……」

 

いつも通りの道で、いつも通りに登校する。それが続くと思っていた。しかし、そんなことは無かった。トーマスが何かを言いかけようとした時だった。ヤマトは急に吹き飛ばされていた。状況が読み込めずに、後ろを振り返る。するとさっきまで歩いていた場所には、抉り取られた様な後があり、トーマスがいない。ヤマトは慌てて辺りを見回した。すると、目の前にトーマスの腕だけがあった。その少し後ろには、トーマスがいた。ヤマトは慌てて駆け寄って声を掛ける。

 

「……トーマス?おい、しっかりしろ!死ぬんじゃない!」

 

「……ヘマやらかした。これは多分無理なパターンだなぁ。へへっ」

 

そう言ってトーマスは笑っていた。

 

「何で笑ってられるんだよ!お前死ぬんだぞ!」

 

「……だからさ。せめて、笑って死にたいだ……」

 

……その先は無かった。ヤマトはクソッと悪態をつきながら、トーマスから離れて、隠れた。数分後、隠れていると、何かが近づいてきた。それは、モビルスーツだった。確かに、さっきの抉り方から考えて、何かの砲弾が着弾したとは思っていたが、まさかモビルスーツからの攻撃だったとは、思ってもいなかった。

 

『……長距離に特化させた機体で、新しい装備を搭載してるんだってさ。』

 

そう言えば、そんなことをさっき、トーマスと話していた。と言うことは、あの期待は、その新型なんだろうか?確かに、学校で習った物とは少し違う武器が装備されていた。何故新型がこんな所にいるのだろうか?ヤマトは仇を討ちたいと思った。あの機体は、見た感じ、近距離戦が出来る装備がなかった。ヤマトは辺りを見渡す。何かないか?そう思い って周囲をよく観察すると、さっきまでは無かった空洞が、地面を抉られた所に現れていた。あんな場所に空洞があるなんてことは、ヤマトは1度も聞いたことが無かった。上を見上げる。まだこちらに気付いた様子は無かった。ヤマトは隠れていた場所から出て、空洞に向けて走り出した。どちらにせよ、気づかれるのは時間の問題だった。滞空していた、機体がこちらに気付い、銃をこちらに向けて構えた。そして、銃弾が放たれる。ヤマトは銃弾の雨をかいくぐるように、穴に向かって走る。あと5m……3m……1m……

 

「間に合え……!」

 

最後はスライディングのように穴に滑り込む。入り込むと同時にさっきまでいた所に銃弾が着弾して、穴が塞がれる。間一髪で滑り込んだものの、ヤマトは落下した。入り口だと思っていた穴は実は偶然出来た穴だった。

 

「いてて……それにしても何処だよ、ここ……」

 

真っ暗で何もわからず、ヤマトは適当に周りを歩き、電気を入れるスイッチを探す。すると何かを踏んだ。途端に当たりに、微かだが、電気がつく。ヤマトは何か大きな影に自分が覆われているのに気づいて振り返る。そこにあったものを見つけるとヤマトは驚いた。

 

「…………モビル…スーツ……」

 

……ヤマトは決心を決めた。

 

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UGY-R34 《ギラ・ロディ》というのが今回鹵獲され、偶然その場所に居合わせたトーマスを殺した機体名である。長距離に重きを置いたこの機体はロディ・フレームの堅牢さと、ブースターによる長距離砲の耐久性に優れており、その耐久性を活かして、《ダインスレイヴ》と呼ばれる長距離砲を搭載している。さっきのトーマスを殺したのは、この《ダインスレイヴ》で威力の一番低い弾頭を使った物であった。一番低い弾頭ですら、半径10mを抉る穴を穿つのであるから、相当な威力である。このパイロットは元々、鹵獲した後に合流する予定だったのだが、威力を試してみたくなり、たまたまトーマスがいた所をわざと狙った。そして、威力を見て満足し、合流しようとした時だった。機体のアラートが鳴る。

 

「エイハブ・ウェーブ?……場所は?……何処からだ?…真下からだと!?」

 

そう思って下を見ると地面が少しづつ、山になっていき、その山が割れ、何かが出てくる。

 

青と白を基調としたボディ。そして、一対の翼のようなブースター。ブースターの先端には、アームのようなものが付いており、更に突起物が付いていて、左右に2個ずつ計4個付いていた。その上、腰と足の関節には武器が、左右対称に付いている。そして特徴的なのは、デュアルアイセンサーを持ち、左右対称の角のような突起物のある頭。

 

そんな、不明機体に何故かパイロットは危険を察知した。このままでは、ヤバイそう感じたパイロットは慌てて、謎の機体に向けて銃を撃つが、何故か、当たらない。そして、機体から何かの光のようなものが見えた次の瞬間だった。アラートが猛々しく鳴り、何が起きたのかを確認する。すると両腕がいつの間にか消えていた。パイロットはあの機体に恐怖を超えた何かを覚え一目散に撤退しようと反対に機体を動かそうとする。しかし、その行動は、行われなかった。不明機から再度何かを投擲され、それが地面に落ちた瞬間、ギラ・ロディは制御を失い、地面に落ちた。

 

 

落ちた機体とそれを見下ろす機体。やがて、その場所には、粉々になるまで、粉砕された、ギラ・ロディと、謎の機体、謎の艦艇から送られた3機が集った。




機体設定等は本編投稿後に本編に登場したのだけを載せたいと思います。
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