地球の戦士 クリリン   作:蒲鉾侍

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第33話

「おめぇら!でぇーじょうぶか!!?」

 

悟空の驚きがこもった声が荒野に響く。

それも可笑しくはない、地球で修行していた中では二強のピッコロとラディッツの二人が倒れているのだから。

 

「あぁ、そいつらか…随分と脆かったぞ。ナメック星人は殺してはドラゴンボールの位置も分からんし、ラディッツは今あそこにぶっ倒れてやがるナッパより見込みがあるからな 俺が再教育してやるつもりだ」

 

幸い、ピッコロとラディッツは死んではいない。

べジータの目的の為に生かされているのだ。

 

「他の奴等もそこら辺に埋まっているだろう 何人かは死んでいるだろうがな」

 

「悟空…!生きてたのは悟飯と餃子だけだ…天津飯とヤムチャさんはもう……」

 

「なにっ!?……キッ、キサマァ!」

 

クリリンが盛り上がっている土をどかし、埋まっていた4人を見つける。

しかし、その内 息をしているのは 悟飯と餃子のみ。

それを聴いて、悟空は怒りと殺意をべジータに向ける。

 

「おっと、勘違いするな。そいつらを殺したのはオレじゃあない、そこにいるナッパだ」

 

ヤムチャ、天津飯、悟飯と餃子に各個撃破され追い詰められたナッパはべジータの手を借り 大猿へとなったのだ。

そして、ヤムチャと天津飯はナッパの尻尾とべジータの作った人工月を破壊し そのまま息を引き取った。

 

「さて、お前達を始末して俺は不老不死になることにしよう」

 

「すまねぇ、クリリン。おめぇもあいつを倒してやりてぇのはわかるけどよ、あいつはおらにやらせてくれねぇか」

 

「…わかった。俺はみんなに仙豆を食べさせてくるよ」

 

悟空はべジータの前に立ち、気を最大まで開放する。

 

「スカウターが無くてもわかるぞ、貴様の戦闘力はラディッツよりも少し上でナメック星人には敵わん程度……9000が良いところだな 念のために教えといてやろう オレの戦闘力は18000だ」

 

べジータは自分に向かってくる 気の圧力を感じとり悟空の戦闘力を計算する。

 

「それぐれぇーなら、界王拳でどうにかできる」

 

今の悟空ならば、界王拳2倍を使えばべジータと互角に戦うことが出来る。

そして、一瞬だけなら3倍までは負担を少なくてすませることができる。

 

「随分と余裕だな」

 

「あぁ、余裕さ」

 

悟空は再びべジータに狙いを定め、戦いを始める様子を伺う。

 

 

 

「悟飯、餃子 仙豆だ」

 

クリリンはその間に悟飯と餃子に仙豆を与え、命をつなぐ。

体力は全快したが、二人の心は晴れなかった。

 

「僕が弱いから…!天さん達を…!」

 

「僕のせいで二人が…」

 

自分達が弱いから天津飯とヤムチャは死んでしまったと心の底から自分をせめる。

二人をフォローさるために仙豆を片付けようとすると、一粒落としてしまう。

 

「あ、仙豆」

 

コロコロと転がっていく仙豆を追いかける。

すると、それがゴツゴツとした大きな手に包まれる。

 

 

 

「これが仙豆だろォ?」

 

「「なっ!?」」

 

倒したはずのナッパが意図も簡単に起き上がり、仙豆を口に運んだ。

 

「これで、べジータより少し強いぐらいか…さて、貴様らに反撃だぜェ?」

 

計画通りと言わんばかりに口角を上げ、悟飯と貴様に襲いかかる。

 

「させるかァ!界王拳2倍!」

 

「おっ!?……てめぇ、やるじゃねぇか、オレの遊び相手になれよォ」

 

クリリンが界王拳を発動し、ナッパを蹴るがそれでも少し後退させるのがやっとだ。

 

「今のオレの戦闘力は22000程度だろうな 」

 

今では、フリーザの側近 ドドリアにも迫るナッパの戦闘力は脅威でしかない。

 

「(界王拳を3倍にすれば、なんとな倒せるかも知れないけど…こいつは今まで戦った中では一番タフだ界王拳4倍の攻撃でも耐えられてしまうかもしれない)」

 

戦闘力の低いナッパは自分が生き残り、べジータを出し抜く為に倒れたふりをしてチャンスを伺っていたのだ。

 

 

 

~~~

ナッパと天津飯達の戦いは時間を1時間ほど遡る。

 

「新・気功砲!!」

 

「グヌォッ!?」

 

命を奪い去らないよう的確に威力を弱めた新・気功砲がナッパの体力を奪い取る。

 

「(チクショウ!このままじゃあ、負けちまう!他のオレ達も負けそうじゃねぇか!)」

 

 

「真・狼牙風風拳!」

 

「ぬォ!?」

 

つむじ風の様に過ぎ去っていく風は肉を裂き抉りとる。

着実に体力と精神力を削り取り、ナッパの体を傷だらけにした。

 

 

「魔閃光!!」

 

「どどん波!!」

 

「チィッ!」

 

悟飯の全力の一撃はナッパに確実にダメージを与え、餃子のどどん波はナッパに致命傷を与えていく。

 

三人に別れていたナッパはまだそのまま戦えていたが、このままでは自分も危ないと判断し 元の一人に戻る。

 

「どうした?一人に戻るのか?」

 

「あぁ!!てめぇーらをぶっ倒すためにな!べジータ!」

 

「いいだろう!弾けてっ混ざれ!」

 

ナッパはべジータに人工月を作ってもらい、それを見ることによってサイヤ人本来の力を開放する。

 

「グオォッー!……へへ、覚悟しやがれ!」

 

サイヤ人は一定のブルーツ波を浴びることによって、戦闘力が10倍にもなる大猿へと進化できる。

 

「す、すごい気だ…!」

 

「…!天津飯、餃子、悟飯 尻尾だ!尻尾を斬るんだ!そうすればやつは元に戻る!」

 

悟飯や天津飯達は大猿を見たことがなく、慌てているがヤムチャは過去に悟空が大猿になったとき尻尾を切断している。

その事を思いだし、3人に尻尾を狙うよう声をかける。

 

「気功波を応用して尻尾を切断するんだ」

 

「はいっ!」

 

ヤムチャが気で刀を作り出し、それを悟飯に見せる。

悟飯も見よう見まねで気の刀を作り出す。

 

「餃子!一瞬でいい!お前は超能力でアイツの動きを止めるんだ!」

 

「はいっ!天さん」

 

「そうはいかねぇーぞ オラァ!」

 

天津飯と餃子が話している中にナッパが口から強大な気功波を放つ。

大猿になる前の彼の攻撃ならそこまでダメージを受けることはないだろうが、今の彼の一撃をくらえば致命傷となる。

 

「天さんっ!」

 

その一撃が餃子を庇った天津飯に直撃する。

 

「くっ………気功砲オォーーッ!!」

 

全身の骨が何本か折られてしまったが、そんなことを気にして要られるほど相手は甘くない。

決して手加減することなく、殺してしまうことに躊躇せず全力の気功砲をナッパに向け撃ち放つ。

 

 

「効くかよ…!」

 

いくら、破壊力の高い気功砲の全力の一撃と言え、天津飯は骨が折れ そしてナッパは大猿へとなって戦闘力と同時に防御力も上昇している。

 

「じゃあな!三つ目野郎!」

 

「くっ!」

 

「「させるかぁ!」」

 

ナッパがもう一度、天津飯に一撃を与えようと気を集中させた時 ヤムチャと悟飯の叫び声と共に尻尾を切断するための鋭く尖った気功波が飛んでくる。

 

「おっと…!当たるかよ そんなもの!」

 

「「いまだ!」」

 

ヤムチャと天津飯の声が重なる。

 

「気功砲ッ!!」

 

「かめはめ波ーーっ!!」

 

気功波を避けるために隙の多い飛び上がった瞬間を狙い全力の気功砲とかめはめ波を放つ。

 

「そんなもんで…!俺は殺せねェぞォ!」

 

ナッパの言葉通りだ。

いくら、天津飯とヤムチャの全力の一撃が合わさったところでナッパを倒すことは出来ない。

 

……しかし、それでも良いのだ。

狙っているのはナッパではない。

 

「……!月かッ!」

 

そう、ヤムチャと天津飯が狙ったのはべジータの作り出した人工月だ。

尻尾を切断しなくても月を破壊すれば大猿から元の姿に戻すことができる。

 

「チィッ!くそっ!このままじゃ俺は負けちまう!」

 

徐々にナッパの体が小さくなっていく。

月が破壊された証拠だ。

 

「やった!」

 

「このまま、奴を倒すぞ!」

 

月を破壊したヤムチャと天津飯はナッパの方に振り返る。

 

「……お前達も道ずれだ!」

 

「なにっ!?」

 

「ぐあぁっ!?」

 

しかし、月が破壊されたからと言っても瞬時に戦闘力が下がるわけではない。

徐々に下がっていくのだ。

そして、まだ元に戻りきっていない 攻撃力の高い状態ならば油断したヤムチャと天津飯を始末することなど容易い。

 

「お前たちもだっ!はあぁ!!」

 

「魔閃光!」

 

「どどん波!」

 

ナッパが悟飯達も始末するために気功波を放つがその時にはもう戦闘力は殆ど下がっている。

そして、悟飯と餃子の反撃もあり 爆風で泥を巻き上げ 両者体を動かせない状態となった。

 

 

「ふん、ナッパの野郎は死ななかったか」

 

「……悟飯達はカカロットとクリリンが持ってきてくれる仙豆で何とかなるが……ヤムチャと天津飯は…」

 

「今はそんなことを考えるなっ!目の前の敵から意識を反らすな!」

ラディッツが思わず、悟飯達の心配をして駆け出しそうになったがそれをピッコロが止める。

 

「仙豆と言うのは優秀な回復力を持つ物らしいな…おっと、ここに5000の気が2つ……そろそろ貴様らを始末せんと俺もヤバイかもしれんからな…終わりにするとしよう 」

 

べジータはそう言い、等々二人に本気を見せる。




少しでも早く進めるためにこういった書き方をさせていただきました。


・悟空とクリリンは界王拳を使ったことにより 原作よりも早く登場。
しかし、天津飯とヤムチャが犠牲になっていた。

天津飯 ヤムチャ 死亡。
悟飯 餃子 重傷➡仙豆で回復。
ピッコロ ラディッツ 気絶。

次回はべジータとピッコロとラディッツの戦いを書いて、クリリンvsナッパ 悟空vsべジータを書こうかな。

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