練習 作:田中@フィッシュマン
「この感じ久しぶりだなぁ」
そうつぶやき、私は距離を詰めた。
「なッ・・・」
刀を右手に持ち替え、突く。これはいなされるが、今回の目的はこれではない。刀をそのままはなし、足を払った。
バランスを崩し、転倒するわけだけれど、この人は一味違い倒れながら的確にこちらに右拳を放つ。
とっさに体を左にひねり転がってその一撃を回避する。あの右手凶器すぎ。右手も痛いし。
「身体能力は上がったようだが、この双角の拳を攻略するほどではないようだな」
「まあ、正直なところその通りだけどね。最後まで足掻かせてもらうよ」
手を心臓のあたりに置く。そして二つの短剣を引き抜いた。
「さて、虫退治だ」私はその二本の短剣を構える。
「舐めた口聞けるのもここまでだぜッ!」
向かってくる彼に、右手の短剣を投げる。
「無駄だ」
そう言って弾かれてしまった。が本当の理由は違う。
「だろうね」
短剣を投げた理由はそっちに気をそらさせる為。ただのブラフだ。後右手をあまり使いたくないというのも少しある。
その一瞬の隙が命取り―――
左手の短剣を首筋につける。
「形勢逆転。だね」
「とりあえず話を聞いてほしいんだけど―――」
「お前の話なんて聞きたくないな」
首筋に冷たく鋭利なものが触れる。右手の角がある。というか首を軽く挟まれている。
「これで五分五分だろ?」
七三位で負けていそうなこの状況。
ここに沈黙が生まれた。右手は使いたくないけどしょうがないか。右手に短剣を生成する。
私は霊体化して、その二本の角から逃げると実体に戻った。
そして、二本の短剣を右手に思いっきり振り下ろす。するとなんとか片方の角を破壊することに成功した。
まあ下手したら実体に戻れなくなる可能性がある霊体化まで使ったんだから、そのくらいの収穫がないとやっていられないケド。
「なッ、双角の拳が壊されただと・・・」
「私の勝ちってことで終わりにはならないのかい?」
「まだだ、まだっ」
「心のどこかで負けを認めてしまった時点で君に勝ちはないよ」
もう一つの角も叩き斬る。
「素直に負けを認めなさい。今ならまだ許してあげるから」
「いいや、お前に負けるわけにはいかないんだ。何をしても」
おもむろに取り出した、カプセルを一つ口に入れたのだった。
「ぐあああっ、ぎっ」
いきなり苦しみ始めた彼は、のたうちまわった。そして少し経つと起き上がる。
「さあ最終ラウンドと行こうか」
「君はもう武器を失った。戦っても結果は見えているだろう?」
「どうかな?」
「生命進化 双角の拳(ライフエヴォリューション ツインナックル)」
そう言うと両手に三つの角を持った拳が装備された。
「モードコーカサス 三つの角の拳(トライデントナックル)」
これは、ヤバそうだ。こっちも本気を出さないと。
二つの短剣を重ね、一つの大剣に変化させる。
「ソウルエッジ、まさかこれまで使うことになるなんてね」
そんな独り言を言いながら、左手に構える。右手にはさっき放した闇桜を持つ。
「いくぞ!」
消え・・・いや速いッ!?視界にギリギリ入るか入らない所に現れた彼は左手をくりだした。
「くッ・・・」
左手に構えた大剣でその攻撃を防ぐ。が、そのままラッシュに持ち込まれてしまった。
「オラオラァ!」
腕がしびれる。これじゃもたないな。そう思い一度大剣を手放し、距離を取る。
「ふう、かなり強くなったみたいだね」
「お前を、殺すッ!」
「悪いけど、それは無理な話だねッ!」
闇桜を構え、一気に連撃を放つ。結論から言えばすべて防がれてしまったわけだけれど。
「その程度か?」
「まさか」
ソウルエッジを生成し、そのまま横に薙いだ。防ぎはしたようだけれど、不意を突いたので数メートル吹っ飛んだ。が、
「おいおい、ここまでなのか・・・」
何事もなかったかのようにそこに立っていた。
「もう終わりか?次はこっちの番だな」
「いいや、まだだよ」
ソウルエッジを弓に形状変化させ、そして構える。闇桜を引き、穿つ。
「その程度の攻撃ッ!」
両手で彼は受け止めに行った。
「なんだ・・・この威力は?」
「悪いけど、私の残ってる力全部込めさせてもらったから、君が全力で受け止めにいっても、さすがに無理だよ」
「ぐ・・あ・・・」
彼の腹には深々と闇桜が刺さっている。そして地面に崩れ落ちた。
「君の敗因は、慢心だよ」
そう言うと私も膝をついた。
「あー、あんみつ食べたい。」
戦闘描写の練習と言いながら、終わらせ方が雑っぽくなってしまった気がします。
ソウルエッジは、自分の体から生成したものの為、雑に使ってもすぐに復元できる仕様となっております。