生命の唄~Beast Roar~ 作:一本歯下駄
『グッ……ゴブッ……』
『うわっ……血反吐吐きながらもがいてるし、何であれで死んでないんだ? 一級冒険者って化け物ばっかだよ』
『……そこ、誰か居るさネ?』
『やぁ、死にかけの狼人さん。よくそれで生きてるね……助けは必要かい?』
『アチキの敵じゃないなら……逃げた方が良いさネ』
『うん? ……あぁ、そうみたいだね。あちゃー……引き際を誤っちゃったか。ナイアルが怒るかなぁ。君動ける?』
『ゴボッ……動けたら……苦労し……さネ……』
ギリギリで朝食を食べ終え、防具の土埃を落として遅れ気味にエントランスに到着したカエデはエントランスの異常な光景に足を止めた。
轡を噛まされ、縄で縛られたアレックスを背負ったラウルがにこやかな笑みを浮かべていたのだ。
アリソン、グレース、ヴェネディクトスはその前に整列して呆れ顔でアレックスを見ている。
「あ、カエデちゃん来たッスか」
「はい……あの……アレックスさんは……」
「あぁ、これッスか? 今日一日こんな感じッスから気にしなくていいッスよ」
グレースが軽蔑の目でアレックスを見てから肩を竦めた。
「救えないわね」
「本当にね」
同意するヴェネディクトスは溜息を一つ零してからラウルを見据える。
「昨日は一応ダンジョンでそれぞれのメンバーの実力を確かめるというモノだったけど、今日は何をするので?」
ヴェネディクトスの質問に対し、ラウルは一つ頷くと口を開いた。
「今日は買い物に行くッス」
「……買い物?」「は?」「えっと……何を買いに?」
首を傾げるカエデ、何を言っているんだと半眼でラウルを睨むグレース、小首を傾げつつも質問を投げかけたアリソン。ヴェネディクトスだけは納得した様な表情を浮かべて頷いている。
「ヴェネディクトス、説明出来るッスか?」
「わかった」
ラウルの言葉に同意したヴェネディクトスは大きく息を吸ってからカエデ達の方に向き直った。
「今回、ラウルさんの言う
「物資?」
冒険者は
だが、冒険者の場合は一週間程度であれば飲まず食わずでも活動が可能である。とは言えコンディションは最悪であり、集中力を乱す結果にも繋がるので基本的にはしっかり飲食は行うべきであると言われているし、当然の如く迷宮内に遠征に向かう際には兵糧が重要になってくる。
物資と一言でまとめると解り辛い。例えば治療用の包帯、
いくら冒険者の身体能力が高かろうと、必要のない物資を持ち運ぶ余裕は微塵もない。
ラウルの言う
例えば現在のラウル班に於いて
他にはヴェネディクトス用の
他の班には魔法が使える者が居ない場合もあるのでその班の場合は
それ以外にも予備武装の関係もそうだ。グレースの様に軽量な武装であれば特に悩む必要は無いのだが、カエデが扱う大剣、アリソンの扱う長柄武器辺りは予備を持っていくとなれば相応の重しとなる。
大規模遠征の難易度が非常に高くなる理由は輸送隊が編成される事であろう。輸送隊はその性質上どうしても足が遅くなりがちであり、主力はその輸送隊を護衛しつつ深層を目指す事になる。
今回の『遠征合宿』に於いて重要な点は『物資類も全て班で用意する事』である。指定された物資を指定されただけ持っていくのではなく、パーティの中で話し合ってどれを持っていくのか、どれを持っていかないのかの取捨選択が必要なのだ。
全部持っていくという選択をするパーティも中には居るだろうが、そもそも妨害組の邪魔が入る事を考えれば身軽な方が良いに決まっている。しかし持っていく物資を絞り過ぎれば物資不足に苦しめられるだろう。
個々の判断能力を試すのが今回の
「つまり、何を持っていくのか決めるって事ですか?」
「そうッスね。基本的に
今回向かうのは十八階層、中層と下層を隔てる
難易度を上げる為と言うよりはその先を見据えた設定をしていると言えるだろう。もし本当に『大規模遠征』に編成される事になれば今以上に物資を運ばなくてはならない。しかも自分たちが一番身重になるという危険な状態で。
「という訳でダンジョン内で必要だと思う物資を買いに行くッスよ……といっても道中で何が必要なのか考えて貰うッスけどね」
最低限持っていく物として野営用の『テント』、寝袋を4つ、
注意点としてこの際の携行食糧は必要な栄養をギュッと固めて作った固形の
あくまでも
ただ、味が味なのでそれを決行した場合は食事が地獄になる。クソ不味いビスケットの様な何かなのだから致し方なしではあるのだが、食事は冒険者を癒す要因であり、人によっては食事で英気を養う者も居るのだ。なのに唯一の楽しみと言っていい食事として糞不味いビスケットなんで食わされた日には士気はダダ下がりだろう。
実際、他のファミリアで似た様な事件を引き起こしているし、ラウルが参加組だった際に『食事は全部携帯食糧で済ませて
他にも物資関連の失敗は多々あるが、今回の遠征に於いて必須な品々として名前が挙がる道具類もあるのだ。
破裂すると高音を放ち平衡感覚を一時的に狂わせる
モンスター相手に目晦ましや隠蔽、逃走に使う道具類。この辺りの道具がかなり重要になってくる。
と言うのも妨害組にはそれぞれ個別に『この道具を使われたらこうしろ』という命令がされている。たとえば
まぁとある一人が
まあ、今までの傾向からしてほぼ不可能であろう。クリア組数ゼロと言う話もある。
「という訳で、店まで案内するッスから。皆ついてきながらしっかり考えてくださいッス」
「もがもがーっ!!」
「アレックス、ちょっと静かにしててくれッス」
背中でじたばた暴れようとするアレックスに溜息を零してラウルは四人を眺める。
「それじゃ行くッスよ」
よく分らないけどとりあえず頷くカエデ、面倒臭そうにアレックスを睨むグレース、既に何が必要かをしっかり考えている経験者のヴェネディクトス。縛られたアレックスを心配そうに見るアリソン。
そしてラウルの背で縛られているアレックス。
このパーティ、クリアできるのだろうか。内心呟きつつカエデは零れそうになった溜息を飲み込んだ。
北西のメインストリート、通称『冒険者通り』と呼ばれる其処は、冒険者が利用する各種施設がずらりと並んだ冒険者なら一度は必ず利用した事のある通りである。
そんな冒険者通りの一角。レンガ造りの建造物が多い中、一風変わった木材をふんだんに使用した極東風の建造物が威風堂々と建っていた。軒先の暖簾には『帆船と宝物』のエンブレムが刻まれている。
多数の冒険者が利用する冒険者の道具類専門店である『リーテイル』と人気を二分しつつも客層が微妙に違う店舗である。
その建造物、恵比寿ファミリアのいくつもある分店の一つである『恵比寿商店』と呼ばれるその見慣れぬ形状をした店舗。その入口でラウルが吐息を零してからアレックスを地面に投げ落とす。
「むぐっ!」
「今解くっすからちょーっと待つッスよ」
アレックスの縄に手をかけた姿にグレースが目を細めてラウルを睨む。
「え? 何? そいつ連れて来たのに捨ててくの?」
「違う違う、何度も言うッスけどアレックスも一応メンバーッスから……協力しなかったらわかるッスよね?」
小声でベートさんの前に突き出すぞと脅しをかけるラウルに対して、アレックスは腕が解放された瞬間に腰から剥ぎ取り用のナイフを取り出して手早く縄と轡を外すとラウルを睨む。
「てめぇ、ぶっ殺されてぇのかよ」
その言葉にカエデが眉を顰め、グレースが舌打ちし、アリソンがグレースの肩を掴んで止める。
ヴェネディクトスが前に出て口を開いた。
「アレックス、頼むから協力してくれないか?」
頼み込むヴェネディクトスにアレックスは鼻を鳴らして舌打ちをした。
「チッ、テメェらみてぇな雑魚とは――
「アンタさ、カエデは雑魚じゃないでしょ? つか、昨日普通に負けたの覚えてない訳? 頭大丈夫? つかカエデ、アンタコイツに命令しなさいよ。アタシに従えって」
アレックスの言葉を遮ったグレースがカエデの首根っこを掴んで前に引き摺り出す。戸惑った表情のカエデをアレックスの前に突き出した。突き出されたカエデが困った表情を浮かべつつも戸惑いがちに命令を口にした。
「えっと……今回の命令にしたがってくださ――
「いや、それお願いだから、従えって言えば良いのよ。強いなら胸張って言いなよ。なよなよしててムカつくんだけど」
「あっ、ごめんなさ……えっと……アレックスさん……アレックス、従え……ください」
グレースにド突かれて何とか命令っぽく言おうと努力したカエデに対し、アレックスは表情を歪めて口を開いた。
「糞っ……後でぶっ飛ばしてやるからな」
「え? あぁ……はい」
アレックスに睨まれた為、慌ててグレースの手から抜け出して近くに居たラウルの後ろに隠れたカエデにアレックスとグレースが同時に口を開いた。
「「なんで
台詞が被った二人が額を付き合せて睨み合いを初め、アリソンが困った様に耳を垂らし、ヴェネディクトスが溜息を零した。
ラウルが二人とも適当に殴り倒そうかなと物騒な事を考え始めた所で恵比寿商店から声が聞こえて来たので全員の視線が恵比寿商店の方に向いた。
「ねぇそこの君ら。申し訳ないんだけど店舗前で騒がしくしないでくんないかな?」
灰毛に、右目が蒼、左目が金というオッドアイの小柄な猫人が冬小袖に黒紬紋を身に纏った姿を暖簾を片手でかき分けて迷惑そうに店先で騒ぐアレックスとグレースの二人を見ていた。
「あ、モールさん」
「うん?」
その姿に見覚えのあったカエデが思わず声をかけるとその
「あぁ、妹の知り合いか。すまないが僕は兄の方だよ。目を見ればわかるけど……妹は右目が金で左目が蒼だよ。僕と逆なんだ」
肩を竦めつつも店先に出て来た人物。カエデがオラリオに来る以前に旅糧の購入の為に声をかけた商隊の中に居た
「ごめんなさい、良く似ていたので……」
「謝る必要は無いよ。皆も良く間違えるからね」
肩を竦めて苦笑を浮かべたその
「やぁ、今日は何の用だい……っていうのは冗談だよ。『遠征合宿』に向けた注文かい?」
まるで今回の訪問目的を既に知っていたかのように振る舞うカッツェの様子に、アリソンとグレースが驚いてカエデが感心した様な吐息を零した。
「なんでわかったんですか?」
「あぁ、さっきまで【魔弓の射手】とかの【ロキ・ファミリア】の
そろそろそんな時期だなって予測しただけさ。そんな風にケラケラと笑うとカッツェは後ろの方のアレックスを見て眉を顰めてから、ラウルの方を向いた。
「【
「うぇっ!? 何やったんッスか!?」
「ああ、前に酒場で派手に暴れてね。【
不思議そうに首を傾げたカッツェの様子に、ラウルが額に手を当ててから溜息を零した。
「じゃあ店先で待たせるッスから買い物の許可が欲しいんすけど……」
「それは構わないよ、其処の
鼻で嗤って手を払って追い払う仕草をしたカッツェ。その様子を見たアレックスの額に青筋が浮かんだ。
「テメェ……」
「ちょっ! ダメですアレックスさんっ! ストップっ! ここで大人しく待っててくださいっ!」
カエデが慌てて命令の様なお願いをすると、アレックスは苦々しげな表情を浮かべて舌打ちをして店先から少し外れた所で魔石灯に凭れて腕組みして目を瞑った。
「ここで待ってる。早くしろよ」
このままでは【恵比寿・ファミリア】に真正面から喧嘩を吹っ掛ける事に成る。そうなればファミリア自体にも多大な迷惑がかかる。挑発したのがカッツェだったとしても、元の原因がアレックスにある以上、擁護出来ない。
「なんでアレはあんなに偉そうなんだい? まぁ良いか」
そんな風に不快そうに眉を顰めたカッツェは、一度俯いて表情を隠してから顔を上げた。
其処にはにっこりとした笑顔が浮かんでおりカッツェは暖簾をかき分けてカエデ達を振り返って口を開いた。
「ようこそお客様、恵比寿商店へ。お探しは何を? 剣? 薬? 鎧? 当店では世界各地より取り寄せた珍品、名品、なんでもそろっておりますよ? もし探し物が無くとも相談して頂ければ世界の何処にでも探しに行きましょう。さぁさぁ中へ、お話をお伺いしましょう」
商売人の笑顔を浮かべたカッツェの流れる様な台詞にラウルが半笑を浮かべて口を開いた。
「それ、毎回言ってるっすよね。聞き飽きたんスけど」
「まぁ、これが客を出迎えるお手本だからね。ほら、早く入るといいよ」
棚に置かれた大小さまざまな小瓶。血の様に赤い液体の入った小瓶を眺めて首を傾げるカエデを余所に、アリソンとヴェネディクトスの二人が注文書に必要な物を書きこんでいる。
グレースは商品棚を眺めているカエデの首根っこを掴んで「うろちょろすんじゃないわよ」と呟きつつも注文書の筆記に参加するでもなく二人の後ろ姿を眺めている。
ラウルはカッツェと談笑しており、時折苦笑を浮かべたりしている。
「やっぱそっちの主神も大変ッスか? 見るだけで吐き気がするぐらい胡散臭いって聞いたッス」
「あぁ、君の所のロキも大変だろう? 噂は聞いてるよ……突拍子もない事をするんだって?」
もっぱら自らのファミリアの主神の愚痴を零す二人。その様子をちらりと見てからカエデは首根っこを掴んでいるグレースの方を見上げた。
「離してください」
「アンタうろちょろすんでしょ。大人しくしてるなら別に良いけど」
肩を竦めたグレースはパッとカエデを手放してから注文書にアレコレ記入している二人を見て溜息を零した。
「注文し過ぎじゃない? サポーターの重量制限考えてるのよね」
「え? あぁ……えっと、じゃあこっちの調理用品は外しますか?」
「最悪鍋一つでなんとかなるだろう……携行食糧は必須品だったはずだから外せないよ」
チェックリストから調理器具各種の項目から、鍋以外の全てを外していく。ついでに携行食糧のチェックを外そうとしているアリソンの様子を見てグレースが待ったをかけた。
「テントってどうします? 男女で分けます? かなり嵩張りますけど」
「……僕は分けた方が良いと思う。けれどダンジョン内でそんな贅沢は言えないね。というよりどちらかと言えば気にするのは女性である君たちの方だと思うけれど?」
「ん? アタシは気にしないわ。何? 寝込み襲うつもり?」
冗談なのか本気なのかわからないグレースの言葉にヴェネディクトスが胸に手を当てて宣言する。
「いや、エルフである事に誓ってそんな事はしないさ」
「あっそ、じゃあカエデ、あんたは? まぁガキんちょのアンタは気にしないわよね」
「……? 男女で分けるんですか? 何でですか?」
テントが嵩張るなら二つもいらないのでは? そんな風に首を傾げるカエデにグレースが微妙そうな表情をした後、カエデの耳を摘まんで引き寄せる。
「痛いですっ! 耳を掴まないでくださいっ!」
「良いからアンタちょっと来なさい。この調子だとアンタ水浴びも一緒にやればいいとか言いだしそうだし」
寝所だけでなく水浴びも別にやる必要があるのか? 人数的に警戒する為に二人を見張りで残りで水浴びする。というのが効率的だと思っていたカエデが、首を傾げているのをグレースが信じられないと見てから溜息を零した。
「何コイツ、羞恥心とか無い訳? アリソン、アンタも流石に恥ずかしいわよね?」
「え? そうですか?」
お前もか、そんな表情を浮かべたグレースの様子にヴェネディクトスが困った様な笑みを零して口を開く。
「本来なら女性である君達が拒むべき所なんだけどね……」
男女が同じテントに……同ファミリアとは言えもし間違いを起こせばロキが怒るだろう。というよりダンジョン内で睦言を交わすなんて事するとは思えなくとも、やはり男女は別のテントでというのが基本だ。
幼すぎてそこら辺意識していないカエデと、あんまりよく考えていないアリソンの二人に頭を痛めたグレースがヴェネディクトスを睨んで呟く。
「襲ってきたら返り討ちにするわ」
「いや、テント別にしないのかい?」
「荷物の無駄でしょ……それよりも対処道具類はどうすんのよ」
その三つなら二、三個程度ならベルトの専用ポーチに入れられるが、種類が嵩めばその分持ち運べる数が減る。
『
元々
現実的な所持品は『
『
『
予備としてどれだけ持っていくか? もし持っていくなら他の道具類や予備の武具との兼ね合いはどうなるのか?
考えながら必死に注文書を書いているヴェネディクトスとアリソンを眺めてカエデとグレースが手持無沙汰になってグレースがカエデの耳を摘まんでぴこぴこ引っ張り始め、カエデが必死にグレースの手から逃れようとし始めた。
それを見つつもカッツェは店内で暴れちゃダメだぞーと呑気に笑い。ラウルが首を傾げた。
「そう言えば神恵比寿はどうしたんスか?」
「うん? 恵比寿なら今オラリオの外を飛んでるんじゃない?」
進撃の巨人2をプレイしながら思った事。双剣かっこいいなぁ。
でもカエデちゃんは大剣使いで通す積りだし、双剣使いを……と思ったけど。ダンラプのベートさんが双剣も使えた様な?
まぁ、立体起動装置ありきのあの挙動はかっこいいとは思うけど
『
灰色の塗装のなされた握りこぶし大の大きさの球体。非常に高い高音を発し、音に頼って活動する一部モンスターを気絶させたりできる。
安全装置である紐を引っこ抜いてから投擲する事で効果が発動する。
他にもモンスターの陽動にも使われる事がある。
敵だけでなく味方にも効果が及ぶ上、獣人等の五感の優れた者は暫く平衡感覚を奪われたりする危険性もある。
『
黄色い塗装のされた握りこぶしより少し大きい球体。目が眩むほどの激しい閃光を放ち、目に頼った活動をしているモンスターを気絶させたりできる。
安全装置である紐を引っこ抜いてから衝撃を加えると効果が発動する。
ほぼすべてのモンスターに効果があり、重宝される。しかし同時に冒険者の目も潰す危険性があるので取扱注意。
『
灰色の円筒形の投擲物。無味無臭の白煙を大量に発生させ視界を奪う。
白煙には消臭効果が存在し霧の内部では臭いが一切感じられなくなる。
鼻と目を潰す事が出来、殆どのモンスターに効果がある。
しかし耳を潰せるわけでは無いので基本は『
比較的取り扱いを間違えても安全な道具である。
『
モンスターの角を使用して作られた笛。【ミューズ・ファミリア】が作成したモンスターの敵意を集める音を放つ楽器。
意図的にモンスターの敵意を集めるのに使われる。
本来はただの楽器だったが、ダンジョン内で使用したらモンスターの殺意を一挙に引きつけると言う効果がある事が発覚した為、商品化された。
囮として陽動に使われるものだが、割と嵩張るので持ち運びが面倒。