『美少女とイチャイチャしたい人生だった』   作:ましろうどん

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注意:有坂真白とは蒼の彼方のフォーリズムに登場するキャラです。知らない方はググって下されば概要が分かると思われます。

注意:アニメオンリーの方に補足すると、真白ちゃんの内向的な中学時代設定は原作でも登場する設定です。

注意:今回の話は非常に駆け足です。付き合うまではあくまで前座なので許して下さい。


有坂真白

ぼっちー1人ぼっちの略称であり、悲しい存在であるそれはどんな学校にも1人は存在するわけで、今俺の目の前のっちであろう女の子も沈鬱な顔をしながらお弁当を食べている。

 

場所は中学校の2学年のとある教室の隅。そして俺がこうして彼女に注目しているのはとある理由からだ、それは一重に彼女ー有坂真白に一目惚れしたからである。

 

眼鏡をかけベージュ色の髪をツインテールにした紛うことなき美少女。入学式の時に有坂さんに落としたハンカチーフを拾って貰った時から彼女に密かに熱をあげている。

 

だからと言ってナンパの如く声をかける勇気があるわけでもない俺は、隙を見つけては有坂さんの事を観察してきた。分かったことと言えば有坂さんはぼっちであるということだ。1学年の時は残念ながら同じクラスではなかった為にどうしてそうなったのかは分からないがと、兎に角彼女はぼっちなのだ。

 

2学年になって有坂さんと同じクラスになれた俺は、舞い上がる心を抑えつつどうやって彼女に声を掛けようかと思案してきた。そして今こそが実行の時である。

 

計画はこうだ、ぼっちでお弁当を食べている有坂さんにフレンドリーなタッチで声を掛ける→一緒にお弁当を食べることに漕ぎ着け→仲良くなる。アニメでも漫画でもラノベでもない現実なのだからこんな都合良く行くとは思わないが、それでもポジティブな妄想をついつい繰り広げてしまう。

 

さあ今こそ計画を始める時、いざ話しかけようぞ

 

「有坂さんだよね?俺は〇〇っていうんだ。1人なら一緒にお弁当食べない?俺も1人だし」

 

するとこっちをポカンとした顔で見て来る有坂さん。状況を理解するとあわあわと困惑しながら

 

「えっ、えっと……ごめんなさい!」

 

とだけ言い放ち、お弁当を包むとそれを持って何処かに走り去ってしまった。今度はこっちが困惑でポカンとする番だ、理解が追いつくと「あ、ああ……」と情けない声が零れてしまう。俺の有坂さんに話しかける壮大な計画は無残にも失敗に終わったのだと察する。そんなに都合良く行かないとは思っていたが、まさか逃げられるとは。

 

俺は泣く泣く席に戻るのだった。

 

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その後数日は同じ状況であった。話しかけては逃げられを繰り返す。しかしながら天はまだ俺を見捨てていなかったようで、今日もまたダメだろうと思いつつ有坂さんに話しかけると今までとは違う反応が返ってきた。いつもなら逃げ出すところを踏み止まって、眼鏡よキラット光らせると意を決したように

 

「えっと……私で良かったら一緒にお弁当食べよっか」

 

思わず「まじで!?」と叫びそうになるのを堪え、落ち着け落ち着けと自分に言い聞かせながら喜びを噛み締める。こうして俺は憧れの有坂さんと一緒にお弁当を食べるチャンスを掴んだのだ。

 

2人で1つの机の上にお弁当を置き、向かい合って座る。おもむろに有坂さんが話し出す。

 

「今まで逃げたりしててごめんね…なかなか勇気が出なくて」

「いやいや大丈夫だよ、俺だっていきなり話しかけたりしてごめん」

「そう言ってくれると…それと何で私なんかに話しかけてくれたの?」

 

やっぱりその質問をされるか……「有坂さんに一目惚れしたからです」だなんて到底言えるわけもない。何とか誤魔化そうとする

 

「えっえっと……そこはほら寂しそうにしてたからついつい」

「何か怪しい……だけどありがとう、嬉しいよ」

「有坂さんが喜んでくれたなら良かったよ」

 

誤魔化せた、のかは分からないが特に言及もされないのでセーフだろう。その後も有坂さんと他愛もない話をしながらお昼休みを過ごしていた。沈鬱な雰囲気でぼっちで居る割には話してみると楽しく話せたあたり、本来の彼女は明るい女の子なのだろう。ただ殻にこもってしまいがちなだけで。

 

こうしていつもと違った1日は幕を閉じた。

 

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俺は今「ましろうどん」といううどん屋さんに来ている。何故こうなったのか、それは数日前まどに遡る。初めて有坂さんと話すことが出来たあの時から俺はある程度の頻度で有坂さんと一緒にお弁当を食べている。そこで色々な話をしながら過ごしていたりしていたのだが、ある日有坂さんに実家がうどん屋であると告白された。その流れで有坂さんに店に来ないか誘われ、その誘いに乗った。

 

これが一連の流れである。趣のある木造建築のお店で、ここが有坂さんの家だと思うとどこかドキドキする気持ちも感じる。いざ行かんと決心をつけて店に入る俺をまず出迎えたのは、有閑マダムといった雰囲気の大人な女性の「いらっしゃいませ」という声だった。あの女性が有坂さんの母親なのだろうことが一目で分かる。

 

「いらっしゃい…あら?貴方もしかして〇〇君?」

「はい、そうですが……今日は有坂さんと会う約束になっていまして」

「あぁー真白から聞いてるわぁ 。真白なら今呼んでくるから」

 

そうい言い残して奥に消えた有坂さんの母親(だろう)の女性。待つこと数秒で戻って来ると「真白の部屋に行って貰えるかしら。行けば直ぐに分かるから」とのことなので真白の部屋に行くことに。

 

部屋に着くと何やら部屋の向こうからドタバタとした騒音が聞こえてくる。部屋の片付けだろうか、有坂さんは僕にはとても部屋を汚す人間には見えないが……。

 

「〇〇だけど、入っても良いかな?言われて来たんだけど」

「えっ!?〇〇君もう来てるの!?えーっと、あと少しだけ待って」

「わ、分かった」

 

有坂さんの鬼気迫る「待って」を聞いて思わず尻込みしながら部屋の前で待つこと数分、キィとドアが開く。どこか不安そうな顔をしながら「どうぞ」と俺を部屋に案内してくれる。と、そこで少し気になっていたことを有坂さんに聞いてみる。

 

「店番をしてた綺麗な女性って有坂さんのお母様?」

「お母様って…、そうだけど惚れたらだめだよ」

「えっ?いやいやその心配はないよ。だって……」

「だって……?」

「やっぱり何でもない」

「怪しい……〇〇君って時々怪しい言動するよね」

 

危うく有坂さんに告白してしまうところを何とか踏み止まり、適当に誤魔化す。まだ告白は早い。その代償としてまたしても有坂さんに怪しまれてしまったが、これは仕方の無いことだろう。

 

「まあいいけど。それと今日は来てくれてありがとう!何して過ごそうか、〇〇君はどうしたい?」

「前にゲーム好きだって言ってたしゲームでもしようよ」

「じゃあゲームやろっか!」

 

それから数時間が経った。俺達2人とも根っこがインドアだからだろうか。その後は外に出ることもなく部屋でモン〇ンなどに興じて過ごしていた。一通り遊ぶと今日は解散ということになった。

 

ちなみに帰り際にお母様に引き止められ「真白の友達になってくれてありがとう」と言われたが、実は下心満載なんですとも言えず儀礼的な挨拶をしてその場を後にした。

 

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その後のことは早送りでお送りしよう。それからも親交を深めた俺達は今までよりも一緒に過ごすことが多くなった。自分で言うのも憚られるが、有坂さんも俺に好意を抱いてくれているのではないかと感じている。俺は難聴系でも鈍感系でもないのだ。

 

そして俺の予想は見事に的中したようで、今俺は有坂さんに呼ばれて校舎裏に居る。目の前には赤い顔をした有坂さんが俺に向かって

 

「私〇〇君のことが好き!内向的だった私に声を掛けてくれたその優しさが好き!だから私と付き合って下さい!」

 

一息にそう言い切ると若干目を潤わせながらこちらに返答を待つ視線を向ける。その視線に思わず「もちろん」と言いそうになるが堪える。確かに有坂さんのことは大好きだし直ぐにでもオーケーしてしまいたいが、言わなくてはならないことがある。

 

「俺も有坂さんのことが好きです……ただ……」

「……ただ?」

「俺は有坂さんにずっと前から一目惚れしてたんだ。だからあの日声を掛けたのだって打算的なモノだし、俺は君が思っているほど良い人間じゃないんだよ」

 

あの日声を掛けたのだって計算してやったことだ。つまり優しい人間を装っているだけにすぎない。これ以上有坂さんを騙すのはとてもじゃないが耐えられない。そう思って言った言葉は、一転して怒った顔をした有坂さんに否定される。

 

「そんなことない!確かに計算はあったのかも知れないけど、あの日からよく一緒に話すようになって〇〇君が優しくてかっこいいことには変わりがないから!だから……」

 

続きを促そうとする前に有坂さんの唇が俺の口を塞いだ。紛うことなきキスに戸惑え。有坂さんはおもむろに俺から離れると

 

「そんなこと気にしないで、私は〇〇君のことが大好きだから」

 

目に涙を湛えながらも笑顔でそう言い放つ有坂さん。その言葉に俺は救われた。改めて有坂さんに向き合うと

 

「ありがとう。有坂さんを好きになって良かったよ。これからよろしくな真白」

「うん!△△君のことは絶対離さないから」

 

その時の真白の笑顔は普段の子供っぽい笑みとは違って大人っぽい、それでいて最高に綺麗な笑顔だった。




分かる方には伝わっていたと思うのですが、私のユーザーネームである「ましろうどん」は真白ちゃんの実家のうどん屋の名前なんです。それと乙倉ちゃんの続きはまた別途投稿したいと思います。
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