会話文多いです。
ちょっとジュリウスがキャラ崩壊し(かけ)てます。
アリサに連れられて、ブラッドは第三サテライト拠点に足を踏み入れた。
シアンの表情は暗い。心なしか足取りも重かった。
『…ホントに会わなきゃダメ…?』
「ダメです、心配かけたんですから」
『はぁ…』
正直、シアンは会うのがものすごく気まずかった。
ただでさえフェンリルを嫌ってるのに、極東支部からより本部に近いフライアに転属したことなんて伝えられなかったからだ。
「ねぇシアン、なんでそんなにイヤがってるの?昔からの友達なんでしょ?」
『……色々あるんだよ』
ゲート付近で神機を預けて、居住区に近づく。
4ヶ月ほど前まで毎日見ていた広場は、相変わらず子供達の声であふれていた。
その中に、フェンリルに入隊以来4ヶ月間会わなかった人物の姿を見つけた。
向こうもこちらに気づくと、はっ、とした顔をして駆け寄ってきた。
「シ…シアンかい!?」
『エイダ…』
エイダはシアンをギュッと抱きしめた。
「この大バカ!急に連絡取れなくなったから、心配したんだよ!?」
『…ごめん。色々、あってさ』
エイダはシアンを抱きしめていた腕を放すと、後ろにいたジュリウス達を見た。
「…この人たちは?」
『私が所属してる部隊の、メンバーだよ。こちらが、隊長のジュリウス。隊長、彼女は私の昔からの友人のエイダです』
ジュリウスは敬礼すると、改めて名乗った。
「フェンリル極致化技術開発局、ブラッド隊長のジュリウス・ヴィスコンティです。…副隊長には、日頃からお世話になっております」
「副隊長?シアンが!?」
『あー…うん。実は、そうなんだ』
「すごいじゃないか。出世したねえ」
『あ、ありがとう…ははは』
「でも、アンタが配属されたのは極東支部じゃなかった?そのナントカ局ってのは何なんだい?」
『…えーと…』
シアンが言い淀む。
代わりにシエルが説明した。
「フェンリル極致化技術開発局…通称フライアは、移動要塞を拠点にした本部の直轄支部です。フライアでは、極致化計画といって様々な研究が行われていて…我々ブラッド隊も、その研究の一つとして創設された特殊部隊なんです」
「本部だって!?」
『!』
「極東支部に行ってたんじゃなかったのかよ!?」
シアンが帰ってきたと聞いてやってきたハルトが、聞こえたシエルの話に困惑の表情をあらわにした。
『ハルト…これには事情が』
「大体お前なぁ、連絡ひとつも寄越さねえで何してんだよ!急に連絡が途絶えたから心配したんだぞ!?」
『ハルト、落ち着いて』
「アリサの言ってた事はウソだったのか?俺はアンタらクレイドルがいる極東支部だから任せたんだぜ!?」
アリサが弁解する。
「違うんですハルトさん、極東支部へ入隊した後しばらくはオペレーターとして極東にいたんですが、シアンさんに適合する偏食因子が見つからなくて…。
そんな中、本部から彼女をフライアへ転属させるよう命令があって、拒否する事が出来ず仕方なく…」
「だったらなんで連絡を寄越さねえんだシアン。お前、本部の連中に何か言われたのか?」
『違うの、極東から本部に転属したなんて言ったらハルトが怒ると思って黙ってたんだ…。支部長も交渉してくれたらしいけど、"前線だからある程度の権限が与えられているとはいえ所詮支部だから、こちらが折れるしかなかった"、って』
そこまで聞いて、ようやくハルトは落ち着いた。
「そうか…お前なぁ、そういう勝手なことするんじゃねえよ。怒るかどうかは俺が決めることだ。ちゃんと近況伝えてくれなきゃ心配になるだろ?
俺は、お前が何してるか分からねえと、不安なんだよ…」
『!ハルト…ありがと』
ようやくシアンの表情が和らぎ、笑みが浮かんだ。
ハルトは照れくささを隠すようにこう言った。
「お、俺が許すのは、連絡寄越さなかった事だけだからな。本部に異動した事はまた別だ。…おい、ウチのシアンを辛い目に遭わせたりしてないだろうな?」
ハルトがジュリウスを睨みつける。
ジュリウスはそれに臆する事なく、相変わらずの冷静な表情で言った。
「いや、そんな事はない…むしろ、彼女に助けられるくらいだ。つい先ほどの戦闘でもそうだった」
ジュリウスの言葉にハルトはシアンへ顔を向ける。
「…そうなのか?」
『あー…まぁ…うん…』
「さっきは凄かったよね〜」
「ぶっ倒れた時は流石のオレも焦ったけど」
『わ〜!ちょっと、ナナ、ロミオ…!』
「…倒れたぁ?」
慌てるシアンに、ハルトとエイダが眉間にしわを寄せる。
「…また何か無茶をやらかしたんじゃないだろうね」
『いや、そんな事は』
「お前なんで治らねえんだよ、そういうの」
『いや、だからね?私の意志とは関係なかったっていうか、その間の記憶が無いというか…』
そこまで言って、『あっ』とシアンは手で口を押さえた。
『やばっ…』
「記憶が無い!?」
「あんたって子は本当にもう!!記憶が無くなるような暴れ方したのかい!?」
『うわぁごめん!ごめんてばっ!状況的にメチャクチャやばかったんだよ、仕方ないじゃん!?』
「仕方ないじゃないだろ!いい加減その突っ走るクセどうにかしろよバカ!」
『ば…言わせておけば…!こっちの苦労も知らないで!バカって言った方がバカなんだからね!』
「バカはバカだ、そんなガキみたいな理屈、通用しねえんだよ」
『フン、あんたこそ私がアナグラに行ってからまた何度か喧嘩騒動を起こしたらしいけど?いい加減にその短気な性格どうにかしてよね』
「うげ、誰から聞いたんだよ!?」
『エイダ』
「黙ってろって言ったじゃねえか!」
「あんたにはシアンからのお叱りが一番効くだろ。…まったく、久々に会えたのにケンカなんておよし」
『「だってシアン/ハルトが」』
「黙りなさい」
『「………」』
「それにほら、ブラッドの皆さんが呆気にとられてるじゃないか」
シアンがブラッドの方を見ると、皆驚いた表情をしていた。
『……えへ?』
エイダが無言でシアンの頭をはたいた。
『……すみません、お見苦しいところを…』
「…ふっ…はははっ」
何がおかしかったのか、ジュリウスが肩を震わせて笑い出した。
『あの…隊長…?』
「ははははっ…あぁ、すまない…初めてお前のそんな顔を見たので何だかおかしくてな…ふふ」
「ジュリウス、笑いすぎじゃない?…いや、確かにちょっと違和感あるけど…ぐふ」
「そんなこと言ってロミオ先輩も笑ってるじゃん〜!…やば…ふふ…移ったかも…ぐふふふ」
「やめてやれよ、3人とも…くくっ」
『あ!ギルさんまで!酷い!!私の味方はシエルだけだよ〜!』
「えっ?あの…えっと…?」
シアンは唯一笑っていないシエルに抱きついた。
抱きつかれた本人は困惑している。
「これは…私も笑う流れ、でしょうか…?」
『笑わなくていいから!そんな空気読まないで!?』
それをそばで見ているハルトとエイダ。
アリサも安心した表情を浮かべた。
「大丈夫そうじゃないか。…あのジュリウスって人を信じてみよう」
「……うん…そうだな…」
「よかった、仲よくやってそうで…。もしかしてうまくいってないんじゃないかと心配しましたけど、杞憂だったみたいですね」
ジュリウス達がひとしきり笑ったのち、ブラッドはエイダ達に案内されてサテライト拠点内を見て回った。
その間にシアンの仲間たちがシアンを見かける度に寄ってきた。
シアンはその度に『心配かけてごめん』と頭を下げた。
幼い子供達は、すっかり見慣れたクレイドルの人達がつけている、赤い腕輪と違う黒い腕輪に、興味津々の様子だった。
ナナやロミオは自分たちと同じ孤児ということで、子供達の相手をしてあげた結果、フライアへ帰投する頃にはすっかり懐かれていた。
「もうかえっちゃうの?」
「まだ遊ぼうよ〜」
「ごめんね〜、お仕事だから」
「きっとまた来るからさ、そん時また遊ぼう!約束!」
「うん、やくそく!」
『…あんなにすぐ懐くとは……私より人気とか…』
付き合いの長さは私の方が上なのに…と嘆くシアンの肩に手を添えるエイダ。
「仕方ないさ、子供ってのは新しい方に興味を持つもんだからね」
『…まぁよかったよ、警戒してるわけじゃなくてさ。これからサテライト拠点で生きてくには、サテライト拠点とフェンリルとの良好な関係が必要だし。…じゃあ、行くね』
「うん、行ってらっしゃい」
「今度はちゃんと連絡寄越せよな」
『もう、わかったって。フライアに着いたらハルトに一番に連絡するよ。それでいいでしょ?』
「っ!…お、おう……」
エイダ達に別れを告げ、フライアへ帰還する。
シアンは早速メールを送りたかったが、例の戦闘で倒れるほどのスタミナ消費と、バーストしてもあり得ないほどのオラクルの活性化が認められたという事でメディカルチェックを受けさせられた。
検査を終え、ジュリウスと共にラケル博士に何か判ったか聞いてみた。
「…結論から言うと、神機に"暴走"が起こっていたようですね」
「暴走…!?」
「ええ。神機の暴走が、シアン自身にも影響を与え…一時的ではありますが飛躍的に能力が向上した、とみています」
『スタミナ消費もそのせい…?』
「…単純に、その能力の向上に身体が上手くついていけなかったようですね」
「神機が暴走したということは、最悪…」
そこで言葉を切ったジュリウスに、ラケル博士は静かに頷く。
「暴走が止まらなければ、死んでいたかもしれません。…アラガミ化もあり得たでしょう」
『…でも何故あんな事が出来たんでしょうか』
「データを見ましたが、神機の暴走中に血の力の発現を確認しました…。恐らく、血の力があなたの強い意志に呼応して神機に影響を及ぼしたのかもしれません」
ラケル博士はそこまで言うと、シアンの手をとった。
「…ですが、危険なのは事実です。あなたはもう少し、落ち着きを持った方がいいですね。あなたを失いたくはありません…」
『…肝に命じておきます』
「しばらくの間、ブラッドアーツの使用は禁止します。血の力も万能ではありません。血の力に頼らない、自身の戦い方を洗練する事に注力しなさい」
『…了解です…』
「ジュリウス、頼みますね」
「了解」
ラケル博士の研究室を出る。
不意にジュリウスがシアンの頭を撫でた。
「落ち込む必要はない、今後気をつければいいことだ。…あれに救われたのは事実なんだ、もう少し胸を張れ」
『…はい。でも、最悪死んでたって聞いたら、私何やってんだろうって、何だか自分が情けなくて…何かを守るには自分が死んじゃいけないのに…』
「そういえばたまに呟いているな。"死ぬな、死にそうになったら逃げろ"、とか…」
シアンは目を丸くした。
『あれ。私声に出てました?』
「何だ、気づいていなかったのか」
『…あれは、私を助けてくれた恩人の受け売りです。クレイドルの、ベテランの神機使いの方なんですけど、新人に必ず教えるんですって。"とにかく死ぬな"って』
「ほう…戦い方ではなく、死ぬな、か。きっとその人は様々な死線をくぐり抜けてきた人なのだろうな」
『ちょっと抜けてるとこもありますけど、凄い人です、あの人は』
珍しく嬉しそうに話すシアンに、ジュリウスはその相手が誰なのか気になった。
「…名前はなんと言うんだ?」
『雨宮リンドウさんですよ。隊長、聞いたことありません?極東支部ではすっごい有名人で…』
「…ああ、噂なら聞いたことがある。そうか…いずれ会った時には礼を言わなきゃいけないな」
『礼?』
「お前を助けてくれた礼だ」
『い、いやいや、私が保護された時の話ですし、隊長がそこまでする必要は…』
「なんだ、迷惑だと言いたいのか?」
『そういうことじゃなくて』
「だったらいいだろう?」
『う…はい…』
ジュリウスは楽しそうに微笑んだ。
「俺はお前に会えてよかったと思ってるんだ。そのくらいさせてくれ」
『…わかりましたよ…。その代わりに、この事は皆には黙っててくれませんか?余計な心配かけたくないので…』
「いいだろう。さて、みんなの所へ戻るか」
ジュリウスのキャラ崩壊が止まらない。
というか初期のブラッドの雰囲気じゃない気がする。
これED迎えてますよね?←
さてさて。
まぁお察しの方もいるでしょうが、2RBっていったらもうアレしかないですよねー。
なんか急に出て来るのも変かと思って片鱗というかこのデータをリッカさんが見て思いついたんだよ的な伏線が欲しかった。(伏線なのに伏せられてない件)
アレめっちゃ楽しい。ダメージ数5、6桁を平気で上回るとか。
あーいうちょっとした無敵モードがなぜ他のゲームにはないんだ。
シエルの血の力は未だに待機中。