無色の世界   作:Hiramii

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今回話が全く進みません、そしてタイトルが安直過ぎる問題

/(^o^)\ナンテコッタ\(^o^)/パンナコッタ

普段あんまり絡みのないメンバーともお話させてみました
相変わらずシエルとナナの登場割合少ない!w
増やしたい!でもお話思いつかない

/(^o^)\ナンテコッタ\(^o^)/パンナコッタ

顔文字嫌いな方いましたら申し訳ありません。
最近iPhoneキーボードにSimejiを導入致しまして、顔文字入力がすごく楽になったので楽しくて仕方ありません(´∀`*)エヘヘ


第十七話 副隊長の出所

シアンが懲罰房を出ることが出来たのは、神機兵の試験運用から1週間後後だった。

その頃には既に極東支部がかなり近づいており、赤い雨の遭遇率も比例して増えていた。

 

シアンは久々にブラッド区画に足を踏み入れた。

ブラッドの面々は任務中なのか、共有リビングには誰もいなかった。

 

「せっかく帰ってきたのに、一切出迎えなしかぁ…懲罰房出る時ジュリウスもいなかったし…流石にちょっと寂しいんですけど」

 

しかし実際、自分で起こした問題で懲罰房に入っていたのだ、出迎えがなくても仕方ないかとシアンは気を取り直して自室のドアを開けた。

そこでシアンは驚く。

 

「部屋が綺麗だ…1週間も手付かずじゃ埃くらい溜まるはずなのに…。誰か掃除してくれたのかな?」

 

そういえば副隊長としては暫く隊を離れることになるから、とシエルに部屋の合鍵を渡していたのを思い出した。

フライアにあるブラッドの個人部屋の扉はオートロックで、鍵を開くにはそれぞれの腕輪の認証が必要になる。

だが任務中の死亡などで部屋の主がいなくなっても大丈夫なように、一応その他に鍵は用意されているのだ。

マスターキーもそうだが、普段は神機使い本人のDNAデータが記録された特殊なメモリを用いる。

不正な侵入を防ぐために複製や盗難なども容易に出来ないようになっている、結構優秀な鍵だ。

 

多分シエルはシアンの持つ資料か何かを取りに来た時に掃除をしてくれたのだろう。

感謝しなくては。

 

「…今はとりあえずシャワー浴びたい…」

 

懲罰房にシャワー室などない。

1週間もの間着替えもシャワーも出来なかったシアンは身体中の不快感に苛まれていた。

クローゼットから着替えを取り出し、部屋に備え付けのシャワールームに入って、1週間分の汚れを落とした。

そういう意味では出迎えがなくてよかったかもしれない、シアンはそう思った。

 

思う存分シャワーを楽しみ、身も心もスッキリしたシアンは手早く着替えてシャワールームを出た。

 

「…あ」

「げ」

 

そそくさと部屋を出ていこうとする彼を後ろ襟を掴んで引き戻した。

 

「なんで君がいるわけ?ロミオ」

「いや、あの、えっと、お前に渡す書類をシエルが作ったから、副隊長代理で忙しいシエルの代わりに俺が届けに来たんだよ…!

お前がもう戻ってきてるなんて思わなかったんだ、タイミング悪かったよな、ごめん!」

 

ふと仕事用として使っているデスクの上を見ると、確かにさっきは無かった書類が置かれていた。

どうやら話は本当らしいと踏んだシアンはロミオの襟を放した。

 

「まったく…ついに女部屋に忍び込むようになったのかと」

「そ、そんな事する訳ねーだろ!?ほら、ちゃんとお前の部屋の鍵もシエルから受け取ってるんだ」

 

と、ロミオは手のひらの上のメモリを見せた。

シアンはそれをひったくる様に奪い返す。

 

「あっそ、書類どーも。で、皆今何してんの?さっき私が帰ってきた時誰もいなかったけど…」

「え?そんな事ないはずだよ、シエルが残ってたんだから。他のみんなは任務にいってたけど。もしかしてあいつ、部屋にいて気付かなかったのかな」

 

ロミオは嘘を言っていなさそうだ。

 

「まぁ、いいや…てか、任務行ってたってことは帰ってきてるの?」

「ん?ああそうだよ。早く他のみんなにも顔見せろよな」

 

と、部屋を出ようとして「あ、そうだ!」とロミオは何かを思い出したようにシアンの方を向いた。

 

「なに?」

「お前が早く出られるようにって、シエルとジュリウスが色々やってたの伝えとかなきゃと思ってたの忘れるとこだった。シエルは嘆願書を書いてたし、ジュリウスもずっと報酬を返上してるからさ…」

「シエルの事は隊長から聞いてたけど…隊長まで…」

「ホントはジュリウスから言うなって言われてたんだけど、俺がお前の立場だったら知らないままでいるのはイヤだって思って。だからちゃんと感謝しろよ?

それと、ギルも結構お前の事心配してたから、ちゃんと謝っとけよな。自分の身も顧みないやつを心配してやるほど俺は優しくない、なんて言ってたけど、何だかんだ一番気にしてたみたいだから」

「あ、うん…」

「じゃあ、そんだけ」

 

ロミオは今度こそ部屋を出ていった。

扉越しによく耳をすませば、リビングから何人かの声がした。

その内バタバタバタと足音が近づいてきたので、嫌な予感がして扉を開放しておいたらーーー

 

「シアン、おっかえりーー!!」

 

とナナが入ってきた。

扉を開けていなかったら破壊しそうな勢いで。

次の瞬間にはナナに抱きつかれていた。

 

「うわっ、ナナ、ちょ」

「すっごく心配したんだよ?もうこんな事したらダメだからね?あ、シアンの部屋をシエルちゃんと一緒に綺麗にしといたんだ、気付いた?」

「うん気付いた気付いた、ありがとうナナ…とりあえず放して…苦しい」

 

ナナが力いっぱい抱きつくものだから、シアンは息苦しくなっていた。

ナナは「あ、ごめんねぇ〜」と言いながら腕を放した。

 

「ホント、おかえり〜」

「うん、ただいま。心配かけてごめんね」

「ホントだよ〜、ギルもすごい心配してたしさ〜」

「ロミオからも聞いた…もしかしてギルさん、怒ってる…?」

「シアンが出てきたら説教だ、って言ってたよ」

「うわぁぁ…」

 

ギルバートの怒った顔が容易に想像ついたシアンは冷や汗を流した。

 

「というわけで、レッツゴー!」

「え、何が"というわけで"なの!?まさかナナ!?待って押さないで!?」

 

ナナに強引に押されたシアンはリビングに出た。

 

「あれ?ギルはー?」

 

ナナがリビングを見渡すが、ギルバートの姿はない。

 

「ロミオ先輩、ギルどこ行ったの?」

「さぁ…さっき無言でブラッド区画出てったぜ」

「もう、待っててって言ったのに〜…」

 

シアンはふぅ、と胸をなでおろした。

 

「ナナが余計な事するからだよ。もう、私だってまだ髪乾かしてないのに…」

 

シアンは文句を言いながら部屋に戻り、髪を乾かすと改めてリビングに出た。

すると、どこかに行っていたらしいシエルが区画に戻ってきた所だった。

 

「あ、シエル」

「シアン…!本当に戻ってきたんですね、よかった…」

「ありがとね、シエル。嘆願書、書いてくれたんでしょ?」

「あ、はい…あの、よかったです、本当に…。君の、役に立てて…」

「ごめんね。代理の仕事、大変だったでしょ」

「そんな、気にしないでください。君が私を助けてくれたことに比べたら、このくらい…。

あ、そうでした。ラケル博士がシアンを探していました。研究室に来るように、との事です」

「ラケル博士が?分かった」

 

シエルに言われた通り、ラケル博士の研究室に向かう。

扉を開けて入ると、そこにラケル博士とジュリウス隊長がいた。

 

「来ましたね…お帰りなさい、シアン」

「…ご迷惑をおかけしました」

「ふふ…いいのよ、気にしないで。でも、流石に神機兵に無断で乗り込むのは感心しませんね…あれは本来、事前検査に合格しなければ乗り込めません。それに、身体に何らかの影響がないとも言えませんから…」

「何はともあれ、お帰り。シアン」

「はい、隊長」

 

さて…とラケル博士がモニターに向き直った。

 

「あなたを呼び出したのは他でもありません…あなたの血の力がどんなものであるか、ようやく判明したのです」

「本当ですか?」

「ええ。貴方が懲罰房にいる間に、シエルが血の力に目覚めました。そのきっかけを探っていたのですが、どうやらあなたの血の力に呼応する形で目覚めたらしい、という事が分かったのです」

 

ラケル博士はシアンの持つ血の力を「喚起」と呼んだ。

 

「暫定的な呼び方ではありますが…恐らく貴方の血の力には、皆に眠っている真の力を呼び起こす力があるのです。ですが、これはまだ仮説にすぎません。今から検査をしますから、検査室に行ってくれますか」

「分かりました」

 

数十分間の検査を経て、研究室に戻る。

 

「やはり、私の仮説は間違ってはいなかったようです。それに興味深いことも分かりました。

あなたの血の力は、心を通わせた者の真の力を呼び覚ますだけでなく、他者の意志の力を増幅し、更には自らの限界を大きく超えることも可能にする力なのです」

「自分の…限界を超える…」

 

ジュリウスがはっ、として言った。

 

「ラケル先生、もしかして例の暴走は…」

「…ええ、血の力によるものと考えられます。きっと、サテライト拠点を守りたいというシアン自身の強い意志が、神機の暴走を引き起こしたのでしょう。ですが危険なことには変わりありませんから、制御することが出来ない内は使わないのが賢明です。ブラッドアーツを使う分には問題ありませんが…」

「そうですか…そういえば、さっきシエルが血の力に目覚めたって言ってましたけど…本当ですか?」

「ええ。彼女の血の力は"直覚"。知覚した敵の状況を伝達し、感応現象を通じて味方に共有する力です。今後、彼女の血の力が任務遂行の要となるでしょう。…シアン」

「はい」

「貴方のその力で、これからも皆が無事に血の力に目覚めることが出来るようサポートをお願いしますね」

「了解です」

 

ラケル博士の研究室を出たシアンとジュリウス。

 

「ようやくだな、シアン」

「はい、今日から通常通り任務に戻ります」

「"隊長"はナシだと言ったはずだ。それと敬語も」

「あ、あ〜…」

 

シアンは半ば強制的に約束させられたことを思い出した。

 

「さっきの様な時は特に構わないが、普段は、な」

「はい、あ…うん」

 

また無視されるのも面倒なので、敬語ナシは辛いが従っておく。

その内慣れるだろう。

 

「他のみんなにはもう会ったのか?」

「うん、先にブラッド区画に戻ったから。…あ、でもギルさんには会えなかったな…」

「何かあったのか?」

「ううん、別に気にするほどの事じゃないんだけどさ。ナナとロミオがちょっかい掛けて機嫌損ねちゃって、会う前にどっか行っちゃったみたいで」

「…お前がいない間はロミオもギルも随分大人しかったが、お前が戻ってきた途端にそれか…案外あいつら、お前に甘えているのかもしれないな」

「ええ?それは困るんだけど…」

 

苦笑いするシアン。

 

「俺もお前に甘えてしまっている部分があるから、人のことはあまり言えないが…」

「私は私にやれることをやってるだけだから、気にしないで」

「…そういう所も、お前の魅力のひとつだな」

「み、魅力?そんな大したもの私には…」

「あるさ」

 

ジュリウスは徐にシアンの手をとった。

 

「あの、ジュリウス…?」

「お前といると、すごく落ち着くんだ。いくら一緒にいても飽きない」

 

ジュリウスはそのままシアンの手に顔を近づけ、何のつもりかわかったシアンの頬が薄らと赤くなる。

 

「ちょ、ジュリウスーー」

「隊長、来客だ」

 

しかしそれは彼の声により叶わなかった。

声がした方を見ると、側のエレベーターの前にギルバートが立っている。

ジュリウスはギルバートを見て少し不機嫌そうな顔をした。

 

「…邪魔はしないんじゃなかったか?」

「生憎急ぎなんでな。神機兵の試験運用の件と、ブラッドについて話を聞きに記者が来てる」

「…もうそんな時間か」

 

腕時計を確認したジュリウスはシアンに「すまないな」と言うと、足早にエレベーターの中へ消えた。

ギルバートとすれ違う瞬間のジュリウスの目が一瞬鋭くなり、ギルバートを睨みつけていた。

ギルバートはそれにため息をついていた。

 

「…八つ当たりは勘弁してくれ」

「八つ当たりって?」

「気にするな。それより、なんでお前がここに?」

「ラケル博士に呼ばれて研究室にいたんです」

「…そうか。とりあえず戻るか」

「あ、はい」

 

ギルバートがさっきから目を合わせてくれない。

理由は、やはりシエルを助けるために危険を承知で動いたことに怒っているから…だろうか。

2人でエレベーターに乗り込み、ブラッド区画のある階まで降下する。

その間、なんとなく気まずい空気が2人の間に流れていた。

他の誰かが乗り込んでくるわけでもなくスムーズにブラッド区画の階にたどり着き、共有リビングに入った。

リビングにはナナもロミオも、シエルもいなかったが、各々の所在を示す壁掛けのボードには"訓練室"を示すマグネットが貼り付けられている。

ギルバートはふと足を止めた。

 

「なぁシアン」

「…何ですか?」

「シエルを助けに行った件…なんであんな無茶した?」

 

やっぱりその話か…とシアンは視線を落とした。

あの時のギルバートの表情はよく覚えている。命令とはいえ、納得いかないまま命令に従ったギルバートの心中は穏やかでは無かったはずだ。

 

「あんまり独断で無茶はするな…万が一があった場合、遺された奴は一生、お前の命を背負い続けるんだ」

「………」

「例のお前の神機の暴走…アレも実は相当ヤバかったんじゃないのか?明らかにお前にも負担がかかってた」

 

シアンは黙ったままだ。

それを肯定と受け取ったギルバートは険しい顔をする。

 

「何でそんな大事なことを黙ってるんだ。後からそんな話を聞かされるこっちの身にもなれよ」

「だって、もう過ぎたことだし、これから気をつければいいし、余計な心配かけることないと思って…」

「心配をかけさせまいとしてる気持ちは理解できる。お前の前向きなところも嫌いじゃない…だが、自分だけは大丈夫とは思わない方がいい」

「そんなこと思ってなんか」

「無茶はしてるだろ。自覚がないとは言わせねぇ」

「…それは」

「こんなふざけた世界で、こんなご時世で、今まで生き延びてるだけでも奇跡なんだ。…もっと自分を大事にしてくれ。お前がいなくなっちまったら俺は…」

 

不意にギルバートは言葉を切る。自分が放った言葉に驚いているようだった。

その内に首を横に振って続けた。

 

「…お前はブラッドに必要なんだ。もっと自覚持てよ、副隊長だろ。…説教くさくなって悪い、俺が言いたいのはあんな無茶な真似は2度とするなって事だ」

「…ごめん」

 

ギルバートは悲しそうな顔をするシアンの頬にそっと触れた。

 

「分かってくれればそれでいい…少し、キツく言いすぎたな」

 

困ったように微笑むギルバートを見て、シアンはふふ、と笑った。

 

「…何がおかしいんだよ」

「なんか、兄さんに怒られてるみたいです」

 

ギルバートは先日ジュリウスから聞かされた話を思い出した。

あの時はふざけるなと心底思ったが、実際に言われると案外悪くない。

 

「お前、兄貴がいるのか」

「…サテライト拠点に移る前に、亡くなりましたけどね」

 

アラガミに襲われて…と、シアンは表情を少し暗くした。

だから神機使いになったんです、と。

ギルバートはシアンが他者の命を守ることに執着する理由の一端を見た。

 

「ちなみに生きてたらギルさんと同い年ですよ」

「…そうか」

「そうだ!ギル兄さんって呼んでも」

「ダメに決まってんだろ」




順調に、実に順調に逆ハー路線に走ってる自覚症状はあります。
違うのよ!私が書きたいのはそこじゃない!
どっちかと言うとハーレムになって困るスピ男は書いてみたい。
なぜハルさんは本編でそれに触れてくれなかったのか…!
せっかく副隊長の性別による台詞の変化つけてたんだからそのくらいあってもよかったのに…と思わざるを得ません(・ω・`)

ストーリー全体としてはその内「シリアス?何それ美味しいの?」状態になるんじゃないかと危惧しております。
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