それでもいいという方は第十一話をお楽しみください。
私がいた場所は永遠亭らしく、屋敷を出るとすぐに迷いの竹林に出た。霊夢はランダムに生えている竹を左右に避けながら高度を上げようとしたとき、彼女は何かを感じ取ったのか地面に体が当たるギリギリまで高度を下げた。
すると、さっき私たちが飛んでいた高さを空振に似た衝撃波のようなものが通り過ぎ、広範囲にわたって十数メートルになるほどまでに成長した竹が半ばから切断される。
「…これは……文の鎌鼬……?」
私が呟いたとき、霊夢がいきなり急停止した。
「うおぁ…!?」
結構なスピードが出ていたため、進んでいた方向に身を投げ出しそうになった私の鼻先の数センチ先に鎌鼬で切断された竹が地面に落ち、深々と地面に突き刺さる。
もう少し顔を出していたら顔の肉を持っていかれていたかもしれない。
「っ……ひぃ……っ!!?」
のどから絞り出したような声を出して悲鳴を上げた私に構わずに霊夢が身を翻すと、後ろから大の大人がやっとの思いで使いこなすことのできそうな大太刀が振り下ろされ、私の金髪の毛先をほんの少しだけ切った。
純白といえる白髪にオオカミの耳、頭に文と同じ赤色の山伏風の帽子と髪の毛と同じ白色の服装の椛は大太刀を振り下ろしてから一秒もその場にとどまらずに飛びのき、霊夢からの追撃を受けないようにしている。
初めに落ちてきた竹に続いてほかの切断された竹も落ちてくるが、霊夢は当たらないように器用に避けていく。
「…文と椛……この場所で戦うのは…少し骨が折れそうね」
文は大量に生えている竹の中を自由に飛び回り、椛は竹などを足場にして縦横無尽に飛び回って移動し、私たちをかく乱しようとしている。
すでに私は目が追い付かなくなっていて、どこを椛と文が移動しているのかわからない。
「…魔理沙、二人の動きを目で追える?」
霊夢が迷いの竹林を抜けるために全速力で移動しながら私に聞いてくる。
「いや、早すぎてとてもじゃないが追いつくことができん」
私は周りを見ながら呟くと、椛が横方向から大太刀を上段から振り下ろしてきた。
切るというよりも、こん棒などのように殴った方がダメージが大きそうな大太刀を霊夢はすんでのところでかわし、大太刀は止まることなく振り下ろされて地面をたたき壊し、土や石の塊がこっちにまで飛んでくる。
それらを容易くかわしながら、周りを飛び交っている文の鎌鼬を上下左右に不規則に動いてかわすせいで、がくがくと揺らされる私は酔って気分が悪くなり、気持ち悪くなってくるが何とかこらえて霊夢にしがみつき続ける。
「魔理沙、しゃがんで!」
顔を上げていた私に霊夢が叫んだ。
「っ!!」
私が霊夢の背中に顔をうずくめるようにして頭を下げると、正面を飛んでいる文が飛ばしてきた鎌鼬が私の帽子を吹き飛ばした。
「魔理沙!大丈夫!?」
帽子が吹き飛ばされたことで私に何かあったのかと心配になった霊夢が、前方に進む速度を上げながら私に言う。
「ああ…!なんとかな!」
私は霊夢に返事を返しながら手先に魔力を送り、私たちを攻撃するために前方でホバリングしている文に向けてレーザーをぶっ放す。
自分に向かってきているレーザーに文は手を向け、竜巻のようなものを私にはなってくる。
私の放ったレーザーを巻き込んで包み込み、レーザーをかき消しながら竜巻がこちらに向かってきた。
それを見た霊夢が横に避けて攻撃をかわそうとしたが、それよりも早くに文に向けていた腕が竜巻に飲み込まれてしまう。
「うあぁっ!!?」
体を保護するために魔力の膜で体を覆っていたが、竜巻が魔力の膜を剥がしてしまい。右腕を竜巻の中に発生している小さな鎌鼬にズタズタに引き裂かれてしまった。
鎌鼬に切られた腕の傷口から出血した血が、竜巻の風に乗って私の頬に飛び散る。
「っ…ああああああっ!!」
竜巻から無理やり腕を引っ張り出し、激痛にうなりながら私は腕を抱えた。
「魔理沙、尋問を受けてたあとなんだから無理しないでちょうだい。私に任せておいて」
霊夢は言いながらジャラッと妖怪退治用の二十センチはある長い針を左手で数本取り出し、前方に飛んでいる文に向けて投げつけると同時に前転をするようにしてジャンプすると、地面から離れた私たちの足元を椛の大太刀が薙ぎ払われる。
「…。……魔理沙」
文が風を操って霊夢が飛ばした針を跳ね返し、それと一緒に鎌鼬を飛ばしてくるが霊夢がお祓い棒でかき消して私に呟いた。
「…なんだ?」
「…任せておいてって言っておいて悪いんだけど……少しの間、別行動をしましょう…さすがの私でも魔理沙をおぶったまま二人を相手にするのは少し面倒」
霊夢はそう呟くと、私の返答を聞かずに私の肩を掴み、進行方向から見て左方向に私を聞投げる。
「へ…?…うおああああああああああああっ!?」
前方に進んでいた速さに霊夢が投げた腕力が加わり、霊夢からものすごい速度で離れていく。
竹などに視界が遮られてすぐに霊夢の姿が見えなくなるが、彼女は椛を引き付けていてくれているらしく、火花に似た使われた魔力の光る結晶が薄っすらと見えた。
「逃がしませんよ」
文がそう言いながら私と同じ速度で並走し、掌の上で鎌鼬を発生させている。
私がもともといた世界では文はいつも手を抜いていて、彼女の本当の実力で戦ったことはない。そのためこっちの文の実力など私には計り知れないほどのものだろう。できればやりあいたくない敵の一人だ。
だが、私も霊夢にばかり頼っていられない。
「…来い!文!!」
私は叫びながら文をにらみつけた。
多分明日も投稿すると思います。