それでもいいという方は第8話をお楽しみください。
パソコンが壊れたみたいになってしまっているので、しばらくの間は投稿がだいぶ遅れます。
ドォォォォッ!!
赤いレンガで作られている壁と、それにはめ込まれている大きな窓を蹴り壊しながら、鴉天狗の文が紅魔館の中に飛び込んできた。
「うわぁぁぁぁぁっ!?」
レンガや砕けたレンガの破片と、粉砕されて粉々になったガラス片が私に降り掛かってきた。
私はガラス片が目に入らないように顔を両手でガードした時、飛んできているどのガラス片よりも圧倒的に上回る速度で、特徴的な黒色の黒い羽を広げた文が私の目の前に降り立っている。
「ひっ…!」
殺気立っている文の瞳に、私は既に半分泣き出しそうになっていた。
「妖夢さんが言っていたとおりですね…なんだか弱くなっていますね…魔理沙さん。…こちらとしては好都合ですし、丁度いいので来てもらいましょうか。ちなみに拒否権はありませんので」
私の首の頸椎が折れるのではないかと思う程の握力で、首に手を伸ばしてきた文が掴んだ。
「いぎ…っ…!?」
首が締まって息ができず、目を白黒させている私は文の腕を掴んで放させようとするが、天狗の握力に無理に剥がしたら首の肉を持っていかれそうで断念するしかなくなってしまう。
今の爆音に反応した霊夢たちが集まってくる前に、文は飛んでくるガラス片やレンガを能力の風で吹き飛ばし、自分が入ってきた壁の穴から私を掴んだまま高速で飛び出した。
「うあああぁぁぁぁぁぁっ!?」
人が耐えることの出来る速度を超えて飛んでいるため、室内だった景色が一気に森に変わり、さらに空へと見える景色が変わっていく。
ギリギリで魔力での強化が間に合ったが、正直なところはキツすぎる。
「うるさいですね……魔理沙さん、少しは静かにできないんですか?」
文がまた掴んでいる首を絞め、息をすることの出来ない私は状況について行くことが出来ずにパニックに陥ってしまい、私を掴んでいる文から逃れるためにもがく。
「…いいかげん、やかましいので少しの間だけ眠ってもらうことにしましょうか」
文の苛立ったような冷たい言葉に私は寒気し、体をさらに魔力で最大まで強化した。
私の抵抗など気にもかけていなかった文は、鬱陶しいと言いたげに幻想郷で最速を誇っているその速度を使って私のことを地面に押し付けてくる。
それだけの行為であるが、その運動エネルギーは周りを破壊するのに問題ないほどにあったらしく、爆発があったかのように地面に私を中心に放射状に亀裂が入り、衝突の衝撃で土の塊や岩などが浮き上がる。
さらに衝撃は乾いた砂も大量も舞いあげてしまい、視界を一メートル先も見えなくなるほどに遮った。
そして、凄まじい速度で地面に押し付けられた私の体に衝撃の分の激痛が襲ってくる。
「あああああああああああああああああっ!!」
強化した私の体に強い負荷がかかり、最大までの防御と言えどこの世界では中途半端な防御力であったらしく、防御力以上の圧力や衝撃が体のあちこちの部位に与えられた。
それに加えて文が私を地面に押し付けた時、タックルをするような体勢であったため、特に腹部に潰れるような強い圧力がかかったことで胃やその他の臓器も潰れてしまったらしく、傷口から出血した血が筋肉などの運動により、変に負荷がかかったらしく潰れて引き裂かれた組織の肉片が血と一緒に吐き出された。
「…は…っ……か…ぁ……っ…!?」
全身に負傷をおっている私は、肺から絞り出された空気が声帯で波長を変えられて声となり、掠れた声で絞り出された。
それと同時に胃の組織だと思われる血で真っ赤に染まる肉片が口の中に残っていたのか、血と一緒に流れ出てくる。
「あ…ぐ……ふ…ぐ……ぁ……!」
あまりの激痛に体が時折痙攣して、ビクビクと震えてしまう。
私の腹の上に立つ文が、こっちを睨んでいるのが見える。
「…」
私が地面に叩きつけられた時の衝撃で、高く舞い上がっていた石や土の塊がパラパラと雨のように降ってきた。
「…さてと、霊夢さんたちが来る前にさっさと行きましょうか」
冷めた目つきのまま、文が今度は私の胸ぐらを掴んでじょじょにスピードを上げながら空を飛んだ。
「っ…!」
ものすごいスピードで遠ざかっていき、小さくなっていく紅魔館に私は手を伸ばそうとした。しかし、手を伸ばしきる前に私は気を失ってしまった。
気絶していたせいでどれだけの時間がたったかわからないが、意識が覚醒に少しだけ傾いてそれに近くなった時に頬に鈍い痛みを感じた。
「……ら……く………お…な……い…」
意識が完璧に覚醒している訳では無いため、言葉もきちんと聞けず、処理できていないため途切れ途切れで何を言っているかまったく理解できない。
そんな私にもう1度頬にきつい一撃を誰かが食らわせると、今度はさっきよりも強い痛みを感じた。
「うぐっ……!」
頬を拳で殴られたせいで歯に頬が打ち付けられて、歯で肉が裂けて口の中が血の味がほんのりとする。
「……ここは…?」
腹部の鈍い痛みを感じながら口の中にある胃から上がってきた血を吐き出し、目を開いて顔を上げるとすぐ目の前に誰かが立っているのが見えた。
「ようやく起きたようね、魔理沙」
私の髪の毛を誰かがむしり取るように掴んできて、髪の毛が強く引っ張られてとても痛い。
「う…っ…」
ようやく起きた私の髪の毛をつかむ永琳が、私の意識がきちんとあるのかを確認したとこで手を離した。
私の世界にいる永琳と同じ、紫と赤色という特徴的な服を着ていて、白っぽい白髪も全く同じである。
「…そういえば、あなた怪我をしてるんでしょう?」
そう言った永琳が瓶に入っている液体状の飲み薬をポケットから取り出し、捻じるタイプの蓋をひねって開けて私に近づいてきた。
「永琳…何を…する気なんだよ……!」
ゴボッと血を吐きながら掠れた声でつぶやく私に、永琳は無理やり瓶の口をねじ込んで、中身の液体を私の口の中に流し込んだ。
口から瓶を出させようと手を伸ばそうとしたが、私は手をそっちに伸ばすことが出来ないのに気がついた。
私は椅子に座らせられているわけだが、肘掛の上に置かれていた腕に、太くて頑丈そうな革製のベルトのようなもので腕を拘束されている。
だが、薬は私が飲まなければいいだけだ。かなり苦いが我慢すればどうってことは無い。そう思っていた薬を飲まない私に、永琳が屈んで静かに耳打ちをした。
「飲まないと殺すわよ?」
「っ!!」
ドスの効いた永琳の声に恐怖してしまった私は、口の中にある飲み薬を嚥下してしまう。
永琳は瓶をさらに傾けて、小さな瓶の中身の液体を私の口の中に注ぎ、それを飲み込んだ私の潰れた胃の中に流れ込んだ。
すると、しばらくするとさっきまでズキズキと痛んでいた痛みが消えていき、ついには無くなった。
「…回復薬よ、せっかくあなたを生け捕りにしたっていうのに、このまま見殺しにするはずがないでしょう?」
そう言いながら永琳は私の前でしゃがみ、私に視線の高さを合わせる。
「それじゃあ、本題に入っていきましょうか」
「ほ…本題?」
私が呟くと、永琳は少しの間を開けて呟いた。
「……。…異変を始めた側も…始められた側も…もうなりふり構っている余裕はない状態なのは、あなたもよく分かってるはずよね?だから、私たちは容赦はしないことにしたわ」
永琳のすぐ横に机があり、その上に縦に置いてある周りを鉄やプラスチックなどで加工されているアタッシュケースを横に倒し、アタッシュケースを閉じるための金具をパチンと永琳は外す。
「…私に……何をする気なんだ…?」
目の前でアタッシュケースを開く永琳に気を取られていたせいで気が付かなかったが、彼女以外にもこの部屋には何人なの人影が見えた。
上下左右前後をコンクリート性の壁で覆われていて日の光などは全くなく、天井からぶら下がっている豆電球だけがチカチカと時々点滅し、私の周りを頼りなくてらしていて、永琳以外の人物はわからない。
緊張で呂律の回らない私は、こちらをちらりと見た永琳に静かに聞いた。
「何をする気?それは本気で言ってるの?それとも私をからかっているのかしら?…あなたなら説明なんかしなくてもわかるでしょう?」
永琳はそう言いながら留め具を外したアタッシュケースを開いた。
投稿は明後日かそこらになると思います。