東方異戦線   作:albtraum

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いろいろとあって投稿ができずに申し訳ございません。


割と好き勝手にやっています。

それでもいいという方は第九話をお楽しみください。


東方異戦線 第九話 尋問

 アタッシュケースを開いた永琳はその中からペンチと呼ばれる物を挟むための道具を取り出し、シンプルな作りであるその道具の挟む部分を開くと年季が入っているらしく、ギギッと金属のこすれる低い音が私の耳に入ってくる。

 できるだけ挟んだものを離さないようにするために摩擦力が増える加工がしてあり、物を挟む部分がギザギザになっていて、それで私の人差指の爪を挟んだ。

「…っ…ひぃ……!」

 なんとなく何をされるのか分かった私は、まだ何もされていないというのに恐怖で目に涙がにじみ出てきてしまう。

「…さて、霊夢は…いや…霊夢たちはどこからこちらを攻撃するつもりなのかしら?」

 別世界から来ていて、記憶がなくなっているということで行動しているが、こちらに来たばかりの私は記憶がなくなっているのと同じぐらい状況の理解ができていない。

 どのような奴がどんな異変を起こしているのか、まったくわかっておらず、そんな私は霊夢たちがどうやってどの辺から異変を解決するために動くかなんてわかるはずがないわけだ。

「さ……さあな……私は…それについては…聞かされてないから知らないんだぜ」

 私が言い終わるか終らないか、そのぐらいまで言っていたときに、永琳は私の人差し指の爪を一部の肉ごと引きちぎった。

「ひぎ……ああああああああああっ…!!」

 私の絞り出したような悲痛な声を聴いても、永琳は眉ひとつ動かさずに今度は中指の爪をペンチで挟んだ。

「もう一度…聞くわよ…?……霊夢たちはどの場所で、誰から私たちをたたくつもりなのかしら?」

 体を強化しようとしても、永琳は事前に私に何かの薬を打っていたらしく、体が魔力で強化することができない。

「…あああああっ……!!…………痛い……痛い…!!」

 爪と肉がはがされ、そこから滲んできた血を震えながら眺め、私は真っ赤に染まっていく指と腕かけを見て気分が悪くなってくる。

「答えなさい、魔理沙」

 いつまでも答えない私に永琳がしびれを切らし、少しだけペンチを持ち上げた。それだけで爪が少しだけベリベリッとはがれ、はがした部分から血があふれてくる。

「いづ……!?……本当に私は知らないんだ……!!説明をされそうになったけど、される前に文にこの場所に連れてこられた……だから、私は何も知らないんだよ!!」

 私が叫んだとき、永琳が半分ほど剥がしていたペンチで挟んでいる爪を上に持ち上げて完璧に剥がした。

「~~~~~~~っ!!」

 耐え難い痛みに私は叫び声を上げようとしたが、永琳がこちらに手を伸ばして私の口をふさぎ、叫び声を出すことはできない。

「嘘はよくないわよ…魔理沙、霊夢が一番信頼を寄せているあなたに、事前に作戦を伝えないわけがないわ」

 そう言いながら永琳はペンチから私からはがした爪をとって床に投げ捨てる。

「…っ」

 私はこっちの世界の自分のことは全く知らない。だから、下手なことをいうことはできないし、敵に自分の弱点をさらすようなことはできない。

 こっちの世界の人はなんだか、感がよさそうだ。変なことを口走ればそこから私の正体にたどり着くことができそうだ。

「さあ、さっさと情報を言って楽になりなさい……言えば命だけは取らないわ」

 甘い言葉で私に情報をはかせようとするが、その手には乗らない。敵対する奴は生かしてはおかないだろう。絶対にすべての情報を話してから私は殺される。

 霊夢がチルノを殺した時点でこの異変は、私が闘ってきた弾幕戦などの生ぬるいものではなく、容赦情けのない殺し合いである。だから霊夢たちが来るまで、私はこれに耐えなければならない。

「……魔理沙、答えなさい。…霊夢はどういう順で戦うつもりなのかしら?」

 永琳は私の耳元でそうつぶやきながらさっきまでのように丁寧にペンチで爪をつかむのではなく、荒々しく指先の肉も一緒に挟んだ。

「…っ」

 痛みに耐えようと、私は歯を食いしばりながらギュッと目を閉じると、永琳がお構いなしに私の薬指の爪を剥がした。

「ああああああああああああっ!!」

 私が絶叫し、狭い部屋の中を大きな声がこだまし、永琳がうるさそうに眉をひそめると私の口を塞いだ。

「……師匠、魔理沙の尋問は私に任せていただけませんか?」

 暗闇の中から瞬く電球の下に現れたのは、薄紫色の長髪に、ウサギの付け耳を頭に付けた赤い瞳を持つ。鈴仙・優曇華院・イナバだった。

 見た目は大体同じであるが、私がいる世界と違うところが少しだけあり、右目に包帯が巻かれていて、眼帯のようになっている。

「…鈴仙?」

 永琳が私の口に押し付けていた手を離し、後ろから近づいてくる鈴仙を見た。

「……師匠、私は月の兵士でした…敵から情報を引き出すための拷問術も教わっています。…私に任せていただけないですか?」

 永琳は数秒間、考え込んですぐに結論を出す。

「じゃあ、あなたに任せるわね…鈴仙」

 自分よりも情報を聞き出す術が上手いものに任せるのは当たり前で、永琳が私の前からどけると鈴仙が入れ替わりで私の目の前に立つ。右目には包帯が巻かれてその瞳を見ることはできないが、その目がある部分に血がほんの少しだけ血が滲んでいて、なんだかわからないが私は鈴仙が醸し出しているその雰囲気がとても怖くて目をそらした。

「…っ……」

「あなたから出ている波長……なんだか、前とはまるで別人のようね」

 鈴仙が私の左頬に触れてから、ゆっくりと指を逸らしている左目の方向に移動させる。

「……人の性格はそう簡単に変えられるわけじゃあない……どんな人間だろうともね……上っ面は変えることができても、根柢の芯は変わらない……たった一日でどうやってあの荒々しい性格を変えたの?」

 純粋に私の性格が少しばかり変わっていることに少しばかり興味があるらしく、鈴仙は尋問前に私に聞いてくる。

「…な……なんでそんなことを聞くんだ?」

 私がそう聞くと鈴仙が一度私から離れて、部屋の隅に設置してある木製の机の上に置かれている何かをいじりながら呟く。

「さっき言ったでしょう?今のあなたはこれまでのあなたと比べると、もはや別人といえる……どうやってそんなに変わることができたのか、まともに口が利けるうちに聞いておきたかったからよ……それとも、性格が変わったんじゃなくて…本物と入れ替わっているのかしら?」

 そういいながら鈴仙が取り出したのは、先端に針のようなものがついているロープに似たチューブだ。

 片手に一本ずつそのチューブを持っている鈴仙が先端についている針同士をくっつけると、雷のような音を出しながらまばゆい光と火花を散らす。

「……!」

 これから鈴仙にされることが頭の中をよぎり、私は血の気が引く。

「…多分、あなたが想像していることを今からやるわ」

 鈴仙はそう言いながら、どこに続いて何に繋がっているのかこちらからは見えないチューブを持ったまま、ガタガタと震える私の目の前に立った。

「もう一度、聞くわ……霊夢はどういう手順で私たちを攻撃するつもりなの?」

 鈴仙の感情のない目で見られ、私は体を小刻みに震わせながら呟く。

「知らない……私は…知らない……!」

 そう答えると、鈴仙はため息をついて両手に持っている電気が流れている針を私の両手に押し付けた。

 




多分明日も投稿すると思います。
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