第五話!ご覧くだしゃい
<織斑家>
「ん......」
早朝の織斑家に1人の男、ブロリーが目を覚ました
昨日の会議の後ブロリーはどこで寝るか話し合いの末にこの空いてあったこの部屋を貸してもらった
ブロリーはこのまま二度寝しても良いなと思ったが、その瞬間部屋に誰かが入ってきた
「ブロリー!おはよう!!」
「ヘァ!?」
一夏だった、余りにも突然なことだったのでブロリーは
奇声を上げて飛び起きた
「一夏くn「一夏でいいぜ!」....一夏、どうしたんですか?」
「ブロリー、ランニングにいこう!」
一夏が自分の元へ来たのはランニングに誘う為らしい、しかし
「.....何故?」
「千冬姉が『あいつは記憶が無く仕事を見つけるのは難しい、まぁ私が働いているからあいつは働かなくても良いのだが、しかし何もせずに飯を喰わせる気はない、だから一夏、あいつにはお前とランニングや買い出し等をさせるように』ってさ、まぁ簡単に言えば働かざる者喰うべからずだな」
「.....」
なんだか良く分からないが取り敢えず走りに行けば飯
を喰えるんだな、と自己解釈したブロリーだった
「さぁ!早くいこうぜ!」
「はい......」
..........それにしてもこのテンションは何なのだろうか
さっきから一夏のテンションがおかしい
そしてブロリーは千冬が買ってくれたシューズを履いて一夏の後を追った
「..........」
「..........」
ブロリーと一夏は人気のない一本道を走っていた、お互い会話がなく、ブロリーは黙って走っていたが折り返し地点に差し掛かった時に一夏が喋りかけてきた
「.....俺さ、家族が千冬姉しか居ないんだ」
「.........?」
ブロリーは何故突然、そんなことを言うのだろうか?と疑問に思った
「.....小さな頃に俺と千冬姉は親に捨てられたんだ」
「!!」
「...唯一、俺達にあったのはあの家だった」
「.......」
家族.....ブロリーはその言葉を聞いたとき、何か胸に引っ掛かるような感じがした
「その日から、千冬姉は俺の為に働いてくれて、家に居ないことが多くなった.....」
「........」
ブロリーは黙って聞いていた
「......こんなこと、千冬姉には失礼だと思うけど、俺は......寂しかった」
「.........」
気が付けば二人は走るのを止めていた
「....最初はあんた、ブロリーが家に住むって言われた時、戸惑ったけどさ、今思えばなんだか兄貴
ができたみたいに思えて.....、嬉しかったんだ」
「!」
俺が.....兄?
ブロリーは一夏が言ったことが暫し理解出来なかった、だが
「(何なんだ、これは)」
まただ、昨日千冬と喋った時にも感じたものと似たものをブロリーは感じた
「.....俺は何を言ってんだろうな」
一夏は自分がブロリーに何を伝えたかったのか
何故こんな事を喋ったのか分からなかった
「....もう行こうか!」
とにかく、この場所から去りたい
その一心で再び走り出そうとしたが不意に誰かに肩を掴まれた
「........」
掴んだのはブロリーだった、ブロリーは一夏の
肩を掴み、ただ一夏を見つめている
「....ブ、ブロリー...?」
「.....一夏は、俺が兄になってほしいですか?」
!!......一夏はブロリーに聞かれて自分が何故先程のような事を言ったのか、理解した
自分はブロリーに兄になってほしかったのだ
それは考えてみれば簡単なことだった一夏はすぐに返答したかったが、上手く声が出せない、ブロリーは更にこう言った
「.....一夏や千冬が良ければ、俺は一夏の兄になりたいです」
「!.....あ、あの、ブ、ブロリー....」
一夏は嬉しかった、ブロリーが自分に言ってほしかった言葉を言ってくれたから
一夏はブロリーに伝えたかった、すぐに返答したかったがやはり、上手く声が出ない、というより、言葉がまとまらない
「...良ければの話ですが...」
「悪い訳がない!!」
やっと出た
それは一夏が振り絞った言葉だった
「悪い訳ない.....!、ブロリーの方こそ...良いのか?」
「....俺は一夏の兄、そしてあの家の一員になりたいのです」
「!!、....そうかッ」
一夏はそう言うとブロリーから顔を背けた、
「......一夏?」
涙を悟られないように
<何故涙を流す必要があるのだろうか?>
<今するべき事は1つ>
ーグシグシー
一夏は涙を服で拭き取りブロリーに向き直った
「兄貴、よろしくな!」
「......ああ、よろしく」
<彼を家族に迎えることだ>
「早く帰ろうぜ、.......」
「一夏?」
「....兄貴じゃ呼びにくいから千冬姉みたいに呼び名で呼んで良いか?、実は考えてたんだ!」
「......好きに呼んで良いですよ」
「じゃあ早く帰ろうぜ!〔ブロ兄〕!」
「......はい」
「それにもう家族なんだから、そんな喋り方しなくていいぞ?」
「.......これで、いいか?」
「ああ!少しぎこちないけど、そっちの方が合ってる!早く帰ろう!」
「......ああ、」
こうしてブロリーは晴れて織斑家の一員となった
テレテテッテテー、ナーンーダーコーレー
家に戻ったブロリーは一夏の作ってくれた朝食を食べ終えた後、茶の間のテレビでアニメ特集を見
ていた
しばらくしていると一夏がブロリーの元へとやって来た
「一夏、どうかしたか?」
「ブロ兄、....俺バイトに行かなくちゃいけないんだけど....」
バイト?それは一体なんだ?ブロリーは一夏に聞いてみた
一夏によると千冬とは違うが職場のことらしい
「ブロ兄に買い出しをお願いしたいんだけど」
買い出し....確か千冬がしろと言ったやつだな、とブロリーは一夏と今朝話したことを思い出した
「地図のこの所に行って、食材を買ってきてほしいんだ買うものはこの紙に書いてあるから」
そう言うと一夏はブロリーに×印が書いてある地図と買うものが書いてある紙を渡した
「ブロ兄、出来るか?」
「.....任せろ」
ブロリーは暫し黙っていたが問題ないと返した
「そっか、途中まではブロ兄と同じ道だから行き方を教えるよ」
「....頼む」
「俺が準備出来たらすぐに出るからブロ兄もそれなりに準備しておいてな」
「分かった」
そしてブロリーは自身の部屋へ行き、プラスチックで出来たタンスの中から千冬に買ってもらった服を着て、茶の間で待っていた
すると一夏も準備を終わらせたらしく、茶の間にやって来た
「じゃあ行くか!ブロ兄」
「ああ」
お互いが準備を終えた事を確認し、鍵は一夏が閉め二人は並んで歩いていった
「ここを真っ直ぐ行くと商店街、そして俺はこっちだ」
しばらく進むとY字路が見え、今ブロリーは一夏に確認を受けていた
「いいか?ブロ兄、内容はこの地図に書いてある×印の
所でこの紙に書いてあるものを買うだけだ、解ったか?」
「....分かった」
「じゃあこれが最後に注意することだそれは....
1.女性の言うことは必ず従うこと(出来る範囲で)
2.スーパーの店長には気を付けろ(絶対に)
.....位かな?」
「.......何故、女に従わなくてはいけないんだ?」
従う.....何故かその言葉には抵抗を覚えてしまう
「ああ、それは.....」
~一夏説明中~
「...女尊男卑..それにIS」
「うん」
一夏によると今の時代は男が低く見られ女が高く見られているという、しかもそれはISという女にしか扱えない現時点で最強と言われている兵器の登場したからだと言う
「だからくれぐれも気を付けてくれよ、ブロ兄」
「....分かった」
そう言うとブロリーと一夏はそれぞれの道へ進ん
だ、すると一夏が叫んだ
「ブロ兄ー!!終わったらここで待っててくれー!!
任せたよブロ兄ー!!」
「ああ」
そうしてブロリーは商店街へと向かった
「....ここか」
一夏に言われた道を真っ直ぐ進むと何やら活気の良い場所に着いた
千冬と行った街に良く似ている
「(確か.....)」
実を言うとブロリーは字が読めなかった
一夏に大丈夫か?と聞かれた時、本当は字が読めないと言いたかったがブロリー
は一夏に心配を掛けまいと嘘を言った
「これはこう書いてあるから.....」
ブロリーは紙に書いてある文字と店の
看板に書かれている文字を照らし合わ
せてなんとか目的地にたどり着いた
「あの、すみません....」
「あらいらっしゃい、どうしました?」
「....これを」スッ
「?、...ああ!これね?....はいどうぞ!」
「....ありがとうございます」
アリガトウゴザイマシター!
ブロリーは買いたいものを買い物の内容
が書いてある紙を店の人に渡して伝えた
その方法を使いブロリーは目的の品を次々
と買った
「あの、すみません」
「あら、いらっしゃい」
「あの、すみません」
「あら、良い男ねぇ」
「あの、すみまs」
「ウホ、良い男」
....途中で変な奴が居たがブロリーは無事買い物は終わった、最後の品を残して
「.....ここで最後」
今ブロリーが立っている場所は一夏に気を付けろと言われた店長が居るスーパーの前だ、しかも
「........」
店長らしき人物がそこにいらっしゃった
なにやら神妙な面持ちをしている
ブロリーは話し掛けるか迷ったが今話し掛けられるのは店長だけだと分かり、警戒しながら話し掛けた
「....あの」
「あら、あんた良い男だねぇ」
ブロリーは寒気を感じたが店長に紙を渡した
「?.....あぁ...あんたもかい.....」
「??」
店長はブロリーが渡した紙を見たとたん可哀想な目でブロリーを見た
ブロリーは何故?と疑問符を浮かべた
「あんたのお目当ての物はあそこにあるよ」スッ
ブロリーは店長に指を指された方向に顔を向けた、中年の男性店員が自分の目当ての物らしき商品を並べているのが見える
ブロリーはそこに向かおうとしたが店長の静止の声が掛かった
「待ちな!!まだ時間じゃないよ!」
「??......時間?」
「そうさ、後もう少し......、ほぉうら来たよ」
「?........!?」
ブロリーは店長が呟いた方向を向き、驚愕した
「なんなんだ、あれは.....?」
ブロリーの正面、500メートル先から何かが接近
していた、その正体は......
「うぉぉぉぉぉおぉぉおぉおおおおお!!!!」
.....女性の中高年の方だった
皆、色鮮やかな服を着ていたがその身からほとばしる闘気でもはや見る影もない
ブロリーの呟きに答えるように店長は言った
「今日は二ヶ月に一度の大安売りの日.....しかも今回の目玉商品はあんたが欲しいあれだよ.....」
そう言うと店長は申し訳なさそうな顔をした
「....あんたも見えるだろう?あの大群をあいつ等は一人一人ここらじゃ有名な猛者達さ、あいつ等相手じゃ敵わないだろう.....あんたは運が悪かったんだ」
「.......」
ブロリーは考えていた
面倒臭い方法で買い物をしていたためか
随分と時間が掛かってしまった
もう一夏はあそこで待っているだろう
帰るべきだろうか?
ブロリーはふと一夏の言葉を思い出した
『任せたよブロ兄ー!!』
「!!」
「!?あんた!巻き込まれちまうよ!戻ってきな!!」
店長が静止の言葉をブロリーに言うがブロリーは構わず歩を進める
買い物が出来ない兄など居るだろうか?
いや、居ないだろう
もはや兄ですらない
ならばやることは一つだ
「うぉぉぉぉぉおぉぉおぉ!!」
「(待っていろ......一夏....!)」
後に事の事態を見ていた佐藤裕一(37)がこう語った
「あの日のことですか......忘れもしませんあの日は二ヶ月に一度の大安売りの日で僕は目玉商品を棚に並べていました、その時になんか視線を感じたんです辺りを見渡すと店長が僕を指差して
誰かと話しているのを確認しました、それが〔彼〕だったんです
僕のその時の〔彼〕に対する第一印象は〔優男〕でした
何故、こんな危険な所に?と思いましたよ、だってそうでしょう?このイベント必ず負傷者が出るんですから......おっと、話が逸れてしまいました
思った後に時計を確認したらイベントの開始時間が近ずいているのが分かって、....僕、大急ぎで目玉商品を並べて台の上にメガホンを持って待っていたんですよ
そしてイベントが開始した直後、あれが起こったんです
その時〔彼〕は顔を俯けていました、でも〔彼〕、突然顔を上げたんですよ〔表情を変えて〕
僕ぁ驚きましたよ、さっきまで〔優男〕の印象を持っていた〔彼〕が顔を上げた途端にまるで.......
なんでしたっけ?あの戦う人を英語で......そう!〔戦士〕!そうです!〔彼〕はまるで歴戦の〔戦士〕のような顔になったんです!.....少し落ち着きますね
ー水を飲むー
そして〔彼〕は雄叫びを上げながら彼女らに突っ込んで目玉商品を勝ち取ったんです、......え?『体をねじ込んでいけば誰でも出来ることなんじゃないか?』って?
.....君はまるで分かってない、殺気立つ彼女らに突っ込んでいくのがどれだけ無謀か、それを行うにはどれだけの勇気が必要か、それを行い、成功させた〔彼〕がどれだけ凄いかを.........
こんな世の男達は憧れるでしょうね....『女性相手にこんなことができるのか』って、.....ん?なんで
かって?....だってそうでしょう、現に僕がそう思っているんですから」
「ブロ兄、遅いなぁ」
バイトが終わった一夏はブロリーの帰りを待ち合わせ場所で待っていた
「.......お!見えてきた!」
しばらくするとブロリーの姿が見えた
「ブロ兄ー!」
「一夏、待たせたな」
一夏はブロリーに歩み寄った
「ブロ兄、どうしてこんなに遅くなったんだ?」
「それは.....」
ブロリーは一夏に今日起きた事を話した
「ごめんなブロ兄、大変だったろう?」
「いや、良い体験が出来た」
「そっか、今度は二人で行こうな!ブロ兄!」
「ああ」
「早く帰ろう!荷物は俺が持つよ」
「じゃあ俺が2つ持つから一夏は1つ持ってくれ」
「ブロ兄、こうすれば良いんじゃないか?」
そういうと一夏はブロリーの荷物に手をかけた
「ブロ兄が1つ、俺が1つ、二人で1つ、まさに兄弟って感じがするな!」
「.....ああ、そうだな」
「じゃあ帰ろうか!ブロ兄!」
「......ああ」
その日、仲が良さそうな兄弟の姿が見られたという
テレテテーテーテレテーテテー
おめでとう!一夏がシスコンからブラシスコンに進化した!
おめでとう!ブロリーがブラコンに進化した!
おや?千冬の様子が.......
ちなみに店長のイメージは秘密結社鷹の爪に出てくる大家さんです