学校というものは、本当に憂鬱だ。
毎日とは言わないから、せめて水曜日を休みにしてくれればいいのに。
そんな事を考えながら廊下を歩いていると、あざとい作り笑顔の女子、一色いろはが目に入る。
夜道でストーカーに刺されて死んだりはしなかったらしい。
そして、一色いろはと話をしているのは、雪ノ下先輩に比企谷先輩である。
どうやらそこの教室が奉仕部の様だ。
先輩方の前で一色いろはを煽ろうとは思わないので、気付かれない内にそのまま速足で通り過ぎようと試みる。
が、しかし。その3秒後には、一色いろはがこちらを向き、あざとい笑顔で軽く手を振ってきた。
とりあえず、ゴミを見る様な目で一色いろはを睨み、直ぐに作り笑顔で手を振りかえす。
残念なことに、今の俺にはそれが精一杯だった。
俺は小心者だ。先輩方の前で余計な事をしようとは思わない。
「あら、一色さんの知り合いかしら?」
雪ノ下先輩の、澄んだ声が聞こえる。めちゃくちゃ綺麗で良い声だった。きっと声にマイナスイオンか何か含まれているに違いない。
ちなみにマイナスイオンが健康に良いみたいな効果は、科学的に証明されてないと聞いたことがある。
けど、今の声には何か体に良い成分が含まれているに違いない。
一家に一台、雪ノ下雪乃先輩。
というか、雪ノ下先輩は真面目過ぎるくらいに真面目なイメージがあったが、思っていたよりスカートが短い。
真面目=スカートが長いというのは、ただの偏見だろうか。
と、あまり見過ぎて気付かれるとまずい。雪ノ下先輩の脚を見るのはこのくらいにしておこう。
いや、もうばれてるかもしれない。
「あ、はい。あの比企谷先輩みたいな目つきの悪い人は、同じクラスの月夜野です」
「あの、さらっと俺をディスるのはやめてくれませんかね?」
「なるほど、確かに目つきは比企谷君に似ているわね」
「ホントですよー、しかも月夜野は超性格悪くてー」
「おいそこのゆるふわビッチ、聞こえてるぞ。エイプリルフールはもう終わったろ?」
流石に無視してられなくなり、そう言ってしまう。しかし、先輩二人がいる事で地の利を得ているからか、一色いろはこちらを挑発する様な顔で笑い、そしてまた先輩二人と話を始めた。
ここにいてもしょうがないので、俺は舌打ちを吐いてその場を後にした。
やっぱり。
俺は一色いろはが嫌いなのだ。
それでもきっと、俺はまた一色いろはとこの罵倒を掛けあう関係を続けていくのだろう。
そしてまた、一色いろはが先輩に告白して振られた時の様に、彼女の何かが終わったその時は、
笑っていたら罵倒してやろう。
そして泣いていたら、その負け様を間近で見てやろうじゃないか。
おわり。
あとがきです。
こんなダメダメな文章をここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
いろはすの事は好き勝手言ってしまいましたが、俺ガイルという作品自体はとても好きです。
一色いろはみたいなスパイスの効いたキャラも、作品には重要だと思っています。
もっとも、一色いろはに限らず俺ガイルには独特な味のキャラが多いですが。
ゆきのんの姉が一番苦手です。
好きなキャラは、つい最近までゆきのんとがはまさん、どちらが好きか議論が自分の中で行われていたのですが、どうやら私はゆきのん派だったようです。
しかし絶対、ゆきのんと私は上手くいかない自信があります。
この小説についてですが、
主人公をヒッキーにしようか(5分くらい)悩みましたが、やめました。
ヒッキーは性格が歪んでいるけど、なんだかんだで酷い事を言ったりはしない・・・はずです。
まぁ、二次創作ならそれも全然アリかと思うのだけれど。
もう少し何か話したい事があった気がしますが、忘れてしまいました。私は痴呆かもしれません。
それでは、これにてさようならです。