鉄華団のメンバーが1人増えました《完結》   作:アグニ会幹部

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前回のあらすじ
仮面の男(マッキー)、アグニカ教教皇へ

私がちょこっとプレイしている「ガンダムウォーズ」なるゲームで、バエルのピックアップが始まりました。
とりあえず一度回しました。
爆死しました。
ちくせう。
アグニカポイントが足りなかったか…とりあえず、出るまで回します。


地球降下編
#18 仮面の男


ラスタル・エリオン率いるアリアンロッド艦隊の包囲を無事突破し、イサリビは引き続き地球に向かっていた。

 

だが、問題が有る。

 

元々は地球軌道上に有る2つの共同宇宙港のどちらかで降下船を借り、地球に降りる手筈だった。

しかし、コロニーの件で目を付けられた以上それは不可能になってしまった。

 

「じゃあ、どうすれば…?」

 

全員が頭を捻らせていた、その時。

 

「エイハブ・ウェーブの反応。輸送船が近付いて…通信です」

「通信?」

「開け」

 

フミタンがコンソールを操作すると、モニターに仮面の男が映った。

 

『うおっ!?』

「ぶはっ」

 

全員が驚き、アラズが吹き出した。

 

『突然に申し訳ない。モンターク商会の社長、モンタークと申します。現在、貿易商を営んでおります。そちらの代表者と、お話がしたいのですが』

「タービンズの、名瀬・タービンだ。貿易商が、我々に何の要件で?」

『実は1つ、商談をと思いまして』

 

 

 

 

ボードウィン家の戦艦スレイプニルのMSデッキで、アイン・ダルトンは傷付いたガンダム・キマリスとシュヴァルベ・グレイズを見上げていた。

 

「無理はするなアイン。傷に障るだろ?」

 

アインの下に、ガエリオが近づいて来る。

先の戦闘でアインは負傷し、しばらくベッドに寝かし付けられていたのだ。

 

「申し訳ありません、ボードウィン特務三佐。またしても、あのような者達を相手に不覚を…」

「? 何故謝るんだ、アイン?」

 

心底不思議そうに、ガエリオは首を傾げた。

 

「それは、俺を守ったが故に付いた傷だ。むしろ、謝るのは俺の方だろう。ガンダム・キマリスまで持って来たと言うのに、この体たらく。敵側にガンダムが2機いたとしても、キマリスなら何とか出来たハズ…いや、何を言っても言い訳だ。お前に借りが出来てしまったな」

 

こちらを気遣うガエリオの言葉を聞いて、アインは俯く。

 

「…私も…私も『阿頼耶織』の手術を受ければ、あんな風になれるのでしょうか?」

「オイ、何を言い出すんだアイン。気持ちの悪い事を言うな、あんな物を体に埋め込んだら人間ではなくなってしまう」

 

厄祭戦以後、人体改造は禁忌とされて来た。

だからこそ、ギャラルホルンは「阿頼耶織」の要らないMSフレームであった「ヴァルキュリア・フレーム」を素体として「ゲイレール・フレーム」を開発したのだ。

そのゲイレール・フレームが発達した結果、今のグレイズ・フレームが有る。

 

「人間ではない…その言葉は地球出身の同僚たちにも言われてきました」

 

アイン・ダルトンには、半分火星の血が流れている。

地球人は地球出身の純粋な血しか本来認めておらず、それは火星でも変わらない。

火星人の母を持つアインは、ギャラルホルンの士官であった父のおかげで入隊させてもらった。

 

しかし、差別は続く。

 

「そんな俺を、クランク二尉だけは対等に扱ってくれたんです。クランク二尉は、俺にこう教えてくれました。『良いかアイン、人間としての誇りに出自など関係ない。人間なんて1人1人違う、元々一括りなどには出来ない者だ。自分自身が正しいと思う道を選べ。周囲に惑わされず、お前と言う人間の生き方を見せるんだ』って」

 

それから、アインは自分を取り戻す事が出来た。

アインに取って、クランクは恩師そのものなのだ。

 

「周りからどう見えても良い。俺は俺の考えを…」

「まるで、俺がお前をバカにした連中と同じだと言いたげだな」

「い、いえ決してそのような事は!?」

「いや、良いんだ。俺は、お前のような男を初めて見た。お前の言う通り、鉄華団は絶対に我らの手で倒さねばな」

 

と、2人は拳を握り締める。

 

「しかし、このまま行けば地球外縁軌道統制統合艦隊のテリトリーです。如何にセブンスターズと言えど、勝手な行動は許されないのでは?」

「ああ。だが、策はもう講じてある。地球外縁軌道統制統合艦隊の司令官であるカルタ・イシューは、俺とマクギリスの幼なじみなんだ。既に交渉は済んでる。地球外縁軌道統制統合艦隊と協力して、鉄華団を叩き潰す」

 

マクギリスの講じた策は完璧だ。

次こそ、鉄華団に未来は無い。

 

彼らは、そう思い込んでいた。

 

 

 

 

「改めましてモンターク商会の社長、モンタークと申します。またお会いしましたね、クーデリア・藍那・バーンスタインさん」

「…? クーデリア、知り合いか?」

「ドルト3のコロニーで、一度お会いしました」

 

オルガの問いに、クーデリアはそう返す。

顔見知り、と言った所だろう。

 

「で、商談ってのは?」

「私には、地球降下船を手配する用意があります。貴女の革命に是非助力したいのですが」

「パトロンの申し込みか? コイツは商談じゃあなかったのか?」

「勿論、商談です。革命成功の際にノブリス・ゴルドン氏とマクマード・バリストン氏が得るであろう、ハーフメタル利権。その中に私のモンターク商会も加えて頂きたい」

 

ハーフメタル利権を目当てに、モンターク商会は接触して来た。

そう考えれば、確かに説明は付く。

 

「まだ、始まってもいない交渉が成功すると?」

「ええ。少なくとも、私はそう考えております。ドルトコロニーでもその兆候は見られましたし、何より貴女には鉄華団と言う強力な助っ人がいる」

「--返事は、いつまでに?」

「現在、貴女方を追撃する為に地球外縁軌道統制統合艦隊がこちらに向かっているようでして。こちらも戦渦に巻き込まれたくはないので、出来る限り早急にお願いします」

 

そして、モンタークは部屋を去った。

 

モンターク商会はこちらと関係を取り付けるべく、様々な物資を無償提供して来た。

ハーフメタル利権を得られれば、利益は充分に上がるからとも言えるが。

 

オルガとビスケットが、モンタークの案内で廊下を歩いていると。

 

「アラズさん、ミカ。荷物の方は?」

「とりあえずの運び込みは済んだ。今、おやっさん達が中身を確認してる」

「--ねえ。何でチョコの人がいるの?」

「「な!?」」

 

三日月、あっさりとネタばらしする。

いや、あっさりと見抜いた。

 

対するモンターク…マクギリスは、仮面の目を隠す部分を開ける。

 

「流石だな、君は。双子のお嬢さん達は元気かね?」

「うん、火星で元気にしてるよ」

 

真っ先にクッキー&クラッカの心配をするロリコンの鏡、マクギリス・ファリド。

 

「って、あの時のギャラルホルン!?」

「ギャラルホルンだと? まさかアンタ、俺らを罠に掛けるつもりで…!?」

 

ビスケットとオルガは、一気に仮面の男マクギリスを警戒する。

 

「そんな小細工をしても、君達は突破してしまうだろう」

「ふむ。では、何が狙いだ?」

「--嘘を言っても、貴方は分かるのでしょうね。私は、現状の腐敗したギャラルホルンを変革したいと考えている。より自由な、新しい組織として。君達にはクーデリア・藍那・バーンスタインとアーヴラウ代表の蒔苗東護ノ介によって行われる交渉を成功させると共に、ギャラルホルンの権威を堕とす手伝いをしてもらいたい」

 

外側から革命の意志を見せる事で、ギャラルホルンを揺るがせと言う事だ。

 

「そんな事、俺達なんかに…!」

「現に、コロニーではそれをやってのけアリアンロッドを退けた。地球外縁軌道統制統合艦隊が動くなど、前代未聞と言っても良い珍事だ。だからこそ私は、君達とクーデリア嬢に手を貸す。利害の一致と言う奴だよ。まだ、信用ならないかね?」

「そんなの分かんないよ」

「フフフ…まあ、よくよく考えてくれたまえ。ああそれと、私の正体については内密に。もしこれが破られるならば、この話は無かったモノとさせてもらう」

 

そして、マクギリスは仮面で目を隠して去って行った。

 

「--どうする?」

「危険な賭けだが、ギャラルホルンに目を付けられた以上乗るしか無いのも確かだ。その辺りは、クーデリアの判断にもよるがな」

 

 

 

 

「モンターク商会。100年以上の歴史を持つ、商人の間でも信頼性の高い老舗商会。何の問題も無い一般企業だ、表向きはな。全く、アイツらまた厄介な事に巻き込まれやがって」

 

モンターク商会について調べ上げた名瀬は、そう困ったように言った。

 

「手のかかる子程可愛いんだろ、アンタはさ」

「でなきゃ、お前みたいな暴れ馬には恐ろしくて手を出せないさ」

 

グラスを煽りつつ、名瀬はクーデリアに結論を促す。

 

「モンターク商会の件、取れるだけの裏は取った。それでも、危険な賭けだぜ」

「他に、手は無いのでしょう? 利用出来る者は、最大限利用させてもらいます」

「成る程、確かにな。毒を食らわば皿まで、か」

 

モンターク商会との商談は成立した。

後は、地球外縁軌道統制統合艦隊をかいくぐって地球に下りるのみである。

 

 

 

 

「アリアドネに反応、エイハブ・ウェーブ確認。報告にあった船と一致しました!」

「来たわね来たわね~!」

 

心底嬉しそうに、地球外縁軌道統制統合艦隊司令官カルタ・イシューはそう言う。

 

『カルタ、そちらはd』

「カルタ・イシュー司令よ!!」

『……カルタ司令。ご準備は整いましたか?』

「ええ、勿論よ。我々の作戦への参加を許可したのだから、最大限働いて見せなさい」

 

面倒臭そうに、ガエリオはカルタに話を合わせる。

 

「それより、マクギリスはどうしたのよ!?」

「マクギリスは休暇中だ」

「…そう、ああもう! こうなったら、マクギリスが復活する前に奴らを仕留めてやるわ!! 我ら、地球外縁軌道統制統合艦隊!!」

『面壁九年、堅牢堅固!!』

「全員、配置に付け!!」

『は!!』

 

そうして通信は切れ、地球外縁軌道統制統合艦隊は作戦行動を開始した。

 

「…不安しか無い」

 

通信を終え、ガエリオは頭を抱える。

地球外縁軌道統制統合艦隊は、新型のグレイズ・リッターが配備される程の戦力は有るものの実戦経験が少ない。

 

作戦通り追い詰めても、最後に切り抜けられる可能性が有る。

 

『ガエリオ特務三佐。目標艦のエイハブ・ウェーブを捉えた、との報告が入りました』

「良し、行くぞアイン!」

「は!」

 

 

 

 

「他者の心を掌握し、その先の行動を操るのは容易だ。過去を紐解く。ただそれだけで、対象者が掴む選択肢の予想は簡単につくモノだ」

 

戦闘宙域より離れた場所に来た輸送船から俯瞰しながら、モンタークはそう呟く。

 

「嫉妬、憎悪、汚辱に恥辱。消えない過去に縛られて、輝かしいハズの未来は全て愚かしい過去の清算のみに消費される。それは、私とて同じ事だ。鉄華団。君達の踏み出す足は、前に進んでいると思うか? もし、そう本気で信じているのなら--」

 

モンタークは笑みを浮かべ、こう締めた。

 

 

「それを見せてくれ、私に」

 

 

 




マッキーの心の声(落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け…ここで発狂したら、間違い無く引かれる--それ即ち世界の終わり、我が目論みの終焉だ。だから落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け…!!)
アラズ(このチョコロリコン仮面、目が怖ェ)


次回。
初代ガンダムから代々伝わるガンダムの伝統芸、大気圏突入です。
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