カットですが、ご了承下さいm(__)m
そして、今回でMA戦は終わりです。
ハシュマル「早くね!?」
イオク親衛隊がミンチにされている間に、鉄華団とマクギリス、石動はその場を離れて遠くに控えていた鉄華団と合流する。
「全く、バカ野郎のせいで採掘場がメチャクチャだ…救援は呼んだ、到着すれば何とか…」
「もう採掘場は諦めろ、オルガ。あの最新鋭機を集めたセブンスターズの親衛隊が一方的に鉄クズへと変えられている時点で、その程度で何とか出来る代物ではないと察しは付いているだろう? それよりも、待ち構えて袋叩きにした方がよっぽど撃破の確率は上がる」
アラズは地図を取り出して、峡谷を指差す。
「あの親衛隊を全滅させた後、奴はこの辺りの人口密集地…即ち、クリュセに向かうハズだ。四大天使ならともかく、天使長レベルのMAには迂回路を使うような優れたAIは無い。あの場所から真っ直ぐ、バカ正直にこの峡谷を通るだろう。その峡谷でプルーマとハシュマルを分断し、殲滅する」
その峡谷を通るのが、クリュセへの最短ルートとなる。
「異存は?」
「--よし、それで行こう。お前ら、本部へ連絡! これより鉄華団は、クリュセ防衛戦を開始する! コイツは誰かからの依頼じゃねえが、俺達がやらなきゃならねえ!」
『おう!』
その場の団員達は頷き、行動を開始した。
「待て、シノ」
「おう? 何だ!?」
「ちょっと、
◇
MAはイオク以外のイオク親衛隊と採掘場の基地、更にはギャラルホルン火星支部の第3地上基地を食い潰して補給し、クリュセへの最短ルートを取っていた。
「マクギリス・ファリドと石動・カミーチェはMSを取りに。その他鉄華団も、総戦力を揃えつつ有るが--うむ。やはり天使長、バカ正直に向かって来てるようで何より」
グリム・パウリナで観測に出たアラズは、遠目でハシュマルを確認した。
向こうに察知されればすぐビームで攻撃されるので、飛び去る準備は万端である。
「ん? あっちを走ってるボロボロのMSは、先程のアホクソバカたわけ野郎…確か、イオク・クジャンと言ったか?」
イオクのレギンレイズは、農業プラントの方へ向かっていた。
それだけならまだしも、アラズにはその手に有るレールガンが引っかかった。
「--何をする気だ、あのたわけは。あんな物で狙撃した所で、MAには掠り傷しか付かんぞ?」
咎めるべきか、観測を継続すべきか。
アラズがしばらく悩んでいると。
パウリナの存在に気付いたらしいハシュマルが、口に相当する砲門を露出させてビームを放った。
「うおッ!?」
パウリナは即座に飛び上がって後退し、そのビームをかわす。
ビームは先程までパウリナが立っていた岩盤を溶かし、消えた。
「相変わらずのビーム出力だな、オイ…さて、ここからはライド達の担当か」
ハシュマルに近付かないよう、アラズは三日月と昭弘に言い含めている。
パウリナは、イオクの向かった方向へ飛び去るのだった。
◇
レールガンを構え、イオクはハシュマルを待ち伏せる。
「よくも…よくも私の部下達をやってくれたな、化け物め!」
レギンレイズの全ての力を、このレールガンの一撃に注ぎ込む。
失敗は許されない。
イオクはやっとマルチロックオンシステムを使い、ハシュマルに照準を合わせた。
「この、イオク・クジャンの裁きを受けろ!!」
そして、イオクが引き金を引く直前。
白青の機体…グリム・パウリナが、イオクのレギンレイズを蹴り飛ばした。
レールガンの弾道は逸れ、近くの岩盤を崩すだけにとどまった。
「貴様ああああああ、ぐはァ!?」
パウリナはレギンレイズのレールガンに右の剣を突き刺し、もう1本の剣を腰から引き抜いてレギンレイズのスラスターに突き刺す。
「私の、私の邪魔をするな!!」
『黙れ!! 貴様、今何をしようとしたのか分かっているのか!? この背後には農業プラントが有る、そこの住民を皆殺しにしたいのか!? 答えろクジャン公、貴様は!! 無垢なる一般市民を犠牲にして、MAに掠り傷を付けるつもりなのか!!?』
激昂したアラズの怒鳴り声を浴びて、イオクは黙り込んだ。
そのパウリナの背後に、ヴィダールと共に降下して来たジュリエッタのレギンレイズが着地した。
「--イオク様を抑えてくれるとは…」
ジュリエッタはパウリナの肩に触れ、接触回線を開く。
『どなたか存じませんが、たわk…イオク様の暴走を止めて下さった事は感謝します。しかし、そろそろ離れて下さい。私は一応、エリオン公と同盟を結んだクジャン公を助ける義務が有りますので』
パウリナはレギンレイズのレールガンとスラスターから剣を引き抜き、腰に納めてどこかへ飛び去って行った。
◇
『ヤベェぞ、MAが加速した!』
MAは更に加速し、真っ直ぐにクリュセへ向かう。
岩盤を爆破してハシュマルとプルーマを分断するハズだったのだが、MAが加速した事で間に合わなかった。
「クッソ! 何なんだよあの化けモンは!!」
ユージンから分断失敗の報告を受け、オルガは机を叩き付ける。
しかし、アラズはまだ冷静だ。
「何の為に、俺がシノにフラウロスを取りに行かせたと思ってる? ちょっと通信機貸せ」
アラズはオルガから通信機を奪い取り、MS隊に連絡する。
「MS隊! MAの前方にいるプルーマを根こそぎ叩き潰せ! フラウロスの
あらかた指示を出し終わったアラズは、通信機をオルガに返してグリム・パウリナに向かう。
「--アラズさん。頼む、時間を稼いでくれ。その間に、対抗策を探す」
「承知した。だが、オルガ。--別に、
背中で語りながら、アラズはオルガに問う。
「--ああ、遠慮は要らねえ!」
「フッ。では、期待に応えるとしよう」
そして、アラズはパウリナで飛んで行った。
「後は--俺も出るか」
オルガもまた、自分の獅電に向かおうとする。
その前に、三日月が立った。
「ダメだよ、オルガ。オルガが出るくらいなら、俺が行く」
「そっちの方がダメだ! アラズさんから聞いたろ、ガンダム・フレームは…!」
「うん。でも、それはダメだ。俺の命は元々オルガに貰ったんだから、オルガの為に使わないと」
そう言って、三日月はオルガを見据えた。
◇
ハシュマルとプルーマの分断は成功し、プルーマはほぼ全機で殲滅が開始された。
昭弘のグシオンは、アラズの指示でプルーマの掃討に駆り出されている。
ハシュマル本体の撃破の為マクギリスはグレイズ・リッターに、石動はグレイズ・フレームから造られたヘルムヴィーゲ・リンカーに乗ってハシュマルの撃破作戦に参加。
そこにジュリエッタのレギンレイズも加わったが、ハシュマルの撃破には至らない。
全員纏めて吹き飛ばされ、岩盤に叩き付けられた。
「が…! ここまで、なんて…!」
「ぐうう…! 准将、このままでは…!」
「--これが、MA。人間を狩る、天使の力…!」
全員は再び立ち向かおうとするが、破壊された機体が言う事を聞いてくれない。
MAはそれらに目もくれず、クリュセへの進攻を再開する。
いや、しようとした時。
「全く、どいつもこいつも情けない。天使長とは言えたかがMA1機を相手にその様とは、笑いを越えて憐れみが湧いて来るぞ?」
天使長ハシュマルの前に、戦乙女グリム・パウリナが降臨した。
『 !!』
ハシュマルが口を開き、ビームを吐き出す。
「隙有り」
ビームを難なくかわし、パウリナは発射中のビーム砲の側面に回り込んで両手の剣を突き刺した。
『 !?』
ビーム砲が暴発し、ハシュマルの頭は焼き切れて溶ける。
パウリナは剣を抜き、高速軌道でハシュマルを翻弄し始める。
ハシュマルは続いてテイルブレードを動かし、パウリナを斬り裂くべく襲いかかる。
「せいッ!」
パウリナはテイルブレードを受け流し、その刃の側面に剣を突き立てる。
ハシュマルはテイルブレードを岩盤に叩き付け、パウリナを潰し振り払おうとするが。
パウリナはハシュマル本体に張り付き、テイルブレードを操るワイヤーと本体の接続部に剣を突き刺した。
テイルブレードが根元から外れ、火星の大地に落ちる。
『 !!』
張り付いたままコンピューター部に剣を刺そうとしたパウリナだったが、ハシュマルが跳び上がって空中で反転した事でハシュマルと地面に挟まれる形となる。
「ッ!?」
ハシュマルはそのままスラスターを吹かして、地面と自分の体でパウリナを押し潰した。
「ヅ、ぐあッ!」
パウリナのバックパックが押し潰され、右肩の装甲が跳ぶように外れた。
コクピットのモニターが割れ、アラズはその破片を全身に受ける。
『教官!!』
その時、ガンダム・バルバトスルプスが飛来してハシュマルを殴り飛ばした。
殴り飛ばされながらもハシュマルは態勢を即座に立て直し、ルプスに襲い掛かって足で地面に叩き付ける。
『ぐ…!』
「バカ野郎、何で出て来た!? でも助かった、ありがとな!」
パウリナはハシュマルの左足に両手の剣を突き刺し、横に斬り裂く。
ハシュマルの左足が破片をこぼしながら分断され、ハシュマルはおぞましい駆動音を響かせる。
『これで…!』
ルプスは自由になった右手で、ソードメイスをハシュマルの残った右足に何度も叩き付ける。
やがてハシュマルはルプスを解放し、パウリナが左側から突撃した事で横向きに倒された。
『 !!』
ハシュマルは破壊された口を開き、ビームを乱射させた。
ルプスは拡散したビームを食らい、後退を余儀無くされる。
拡散したビームは周囲の岩盤をも砕き、降り注がせる。
「悪足掻きを…!」
パウリナも壊れた事を承知でバックパックのスラスターを全開にし、ハシュマルに突撃する。
途中に降って来る岩盤を機体に受け、バックパックが爆発して外れる。
しかし、パウリナはハシュマルの下に辿り着いた。
パウリナは右の剣を投げ、暴発しながらもビームを吐き出し続けるハシュマルの口を完全に破壊する。
ハシュマルの頭部は今一度爆発して見事に吹き飛び、ビームの照射は停止した。
「くたばりやがれ!!」
手元に残った左の剣を突き出し、パウリナはハシュマルのコンピューター部を装甲ごと貫く。
全身の動きを司るAIがコンピューターごと破壊された事で、ハシュマルの動きが一気に鈍る。
だが、まだ死んではいない。
『 …!!!』
ハシュマルは最後の力を振り絞り、パウリナを抱え込んでから倒れ込む。
「しまッ…!?」
ハシュマルの下敷きとなったパウリナの関節が、悲鳴のような嫌な音を上げながら逆の方向に曲がってねじ切れる。
戦乙女を道連れに、天使長はその役目を終えた。
◇
「--な、にが…?」
「こ、これ…は--」
「…これが、アグニカ・カイエルの力--天使を狩る、英雄の姿か。これならば…!」
ジュリエッタと石動が呆然とする中で、マクギリスのみが謀略を巡らせていた。
それは謀略と言えるような策ではなかったが、マクギリスには唯一にして絶対の策で有ると思えた。
「必ずや、バエルをこの手に--!!」
そう拳を握り締めたマクギリスの視界には、傷1つ無く突き立つ黄金の剣の姿が有った。
◇
飛ばされたルプスと殺されたハシュマルの死体が回収され、続いて破壊されたパウリナが回収された。
「ヅ…あー、危なかった…凄く危なかった、めっちゃ危なかった」
そのコクピットハッチをこじ開けて、ピンピンしたアラズが出て来る。
「--今回ばかりは気持ち悪いんだが。あれ、普通死んでるよな?」
「だろうな。悪いが、俺は簡単に死ねなくてね。パイロットスーツ、直さないとな」
アラズが見つかった時に来ていた白と青のパイロットスーツは、全身に割れたモニターの破片が刺さって無惨な姿に成り果てている。
「直せるのかよ、それ?」
「直る直る。良いかおやっさん。俺はな、裁縫だけは出来る。アイツに教え込まれたからな」
昔を懐かしむように、アラズはボロボロになったパイロットスーツを眺める。
「…昔、女でもいたのか? たまに昔を思い出すような遠い目をしてるが」
「そうか? …ああ、昔はな。今はもう、いない。それはともかく、三日月は?」
「何か、右目が見えなくなってたとか…何とか…」
ルプスから離れた三日月は、右目が見えなくなっていた。
「素人が右目だけなら、全然マシだ。最終的には全てをガンダム・バエルに取り込まれた、アグニカ・カイエルに比べればな。…ルプス、どうするんだ? ハシュマルに全身を打ち付けられて、大分ガタが来ただろ?」
「ああ。テイワズで改修するとさ」
三日月の機体はどうにかなるが、アラズの機体はもう無理な感じが有る。
バックパックが天寿を全うされただけでなく、全身の関節がぶっ壊れてダルマになった。
ガンダム・フレームのように有名であったり、グレイズ・フレームのように多く出回っていたりするフレームならばまだ何とかなるだろう。
しかし、グリム・パウリナのフレームは貴重極まりないヴァルキュリア・フレーム。
テイワズは愚かギャラルホルンにもデータが少なく、復元は困難だ。
よって今後も使えそうなのは、傷1つ付かなかった特殊超合金製のヴァルキュリア・ブレードだけとなる。
「次の機体は--よし、あれだな」
「? アテが有んのか?」
「ああ。ちょっと、地球まで行かなきゃだがな」
そう言って、アラズはふてぶてしいような笑みを浮かべた。
アグニカポイント新規取得
アラズ・アフトル 2,540AP
マクギリス・ファリド 510AP
三日月・オーガス 90AP
昭弘・アルトランド 90AP
ノルバ・シノ 90AP
石動・カミーチェ 10AP
イオク・クジャン 10AP
ジュリエッタ・ジュリス 10AP
アグニカポイント特別取得
アラズ・アフトル 4,000AP
※七星勲章を2つ獲得。
三日月・オーガス 2,000AP
※MA討伐に貢献。
ハシュマル戦、終了です。
大分巻きながらの上「教官TUEEEEEE!」になってしまいました、お赦し下さい何でもしますから。
石動の乗っていたヘルムヴィーゲ・リンカーは、グレイズ・フレームから復元された物になります。
ジャスレイが死んでるので、次回は一気にマッキーの叛乱まで飛びます。
次回「叛乱」。